花見をしてる間に
かわいい子どもが死にました
花見をしてる間に
なにもかもがなくなってしまいました
花見をしてる間に
騒がなければいけなくなりました
花見をしてる間に
恋人は共有されました
花見をしてる間に
ムラ社会が成熟しました
花見をしてる間に
太郎を眠らせることに失敗しました
花見をしてる間に
次郎は亡命しました
花見をしてる間に
多くの人が死にました
花見をしてる間に
死者が息を吹き返すでしょう
2013年3月24日日曜日
2013年3月23日土曜日
ありそうで なさそうで
たのしそうで
たのしくない
あぶなそうで
あぶなくない
うまくいきそうで
うまくいかない
ただしそうで
ただしくない
あらわれそうで
あらわれない
きらわれそうで
きらわれない
おわりそうで
おわらない
そのはんたいも
そのまたはんたいも
ありそうで
なさそうで
混乱してる
自分が見てる
混乱してる
自分が見てる
2013年3月22日金曜日
自転車で行くんだ
自転車で行くんだ
夕暮れの街
休憩室でインスタントのうどんを食べてから
埠頭の横を駆け抜けて
商店街の坂道を下り
バスを追い越して
大好きなあのひとは
私のことは忘れてと
明け方の夢の中に
わざわざ言いにきた
忘れはしない
憶えたままどこへでも
行ってやる
山際の公園に来ると
すっかり暗くなった夜空に
無数の星が現れて
巡っていた
2013年3月21日木曜日
空白に
世界には空白がいっぱいあって詩を書き入れることができる
埋めきれないほどの空白に
幾らでも文字を埋め続けていくことができる
それはたぶん
一生かかっても終わることがない
それはとても
豊かなこと
それはとても
楽しくワクワクすること
幸せなこと
いま
ここに一冊の古い本がある
時代遅れの本みたいだ
古びてくすんで日に焼けて
それでも消え去ることなく
むしろ なおさら
空気の中で輝いている
内側には多くの文字を記して
余白の方が少ないといえるが
ここにも また
私は詩を書く
文字を書き入れることができる
印刷された文字の周りに
デザインの中に
世界は
余白を埋められるのを待っているかのようだ
そう感じるのは
宇宙が広がっていっているからに相違ない
星のインクは銀糸のごとく
月のインクは金糸のごとく
血の色と白色を縫って
洗濯物のように空にかざされていて・・・
2013年3月20日水曜日
4:05
太陽は雲に隠れているが
西の空を見れば瞼が痛い
(好きな人は 嫌いです)
(好きだった人は どうでもよい)
天と呼ばれる場所は
どこもほぼ白く輝いている
全体で輝いているので
影を作ることには不器用だが
暗がりは弱い者が逃げ込む場所として
等閑(なおざり)にそこここにある
ぽかんと口を開けていてもいなくても
どちらでも関係ないという風情で
(嫌いな人は 嫌いなままです)
(嫌いだった人は どうでもよい)
私は暗がりから空を眺めている
なんの情を傾けることなく
人びとは待ちこがれていた春がきたと騒ぎ
私は私の気持ちが騒ごうとしているのを識って
それを抑えようと
躯を椅子に沈めている
2013年3月19日火曜日
やるべきこと
きょう目覚めたら
残り物の餅を食べ
薬を飲み
顔を洗い
身支度をします
そして
水を汲みに行き
そのあとティッシュを買いに行きます
そして何通かのメールを出します
すると夕方になります
あさってには友人と
二時間電車に乗って
彼の契約に立ち会いに行きます
あしたの仕事は鍵を開けることと
きょうできなかったことを
やることです
しかし
やるべきことはたまり過ぎ
忘れていくばかり
一日中働いても
終わりは見えません
残り物の餅を食べ
薬を飲み
顔を洗い
身支度をします
そして
水を汲みに行き
そのあとティッシュを買いに行きます
そして何通かのメールを出します
すると夕方になります
あさってには友人と
二時間電車に乗って
彼の契約に立ち会いに行きます
あしたの仕事は鍵を開けることと
きょうできなかったことを
やることです
しかし
やるべきことはたまり過ぎ
忘れていくばかり
一日中働いても
終わりは見えません
2013年3月18日月曜日
洗練されている
画鋲が上履きに入っていたので
それを取り除き
ソックスを脱いで
血の小さな珠を確かめて
また履いた
分かりやすい事柄だ
たいして汚れないところが
お気に入り
悪臭もしないし
ぞうきんや
洗剤でぬぐう必要はない
なにかを買い直す必要もないし
病院に通う必要もないから
これはいい
なかなか洗練されていると思う
2013年3月17日日曜日
かざぐるまよりもっとよく
かざぐるまよりもっとよく回るもの
キュートなあなたのそのカラダ
やわらかく弾み
まわるまわる
ころがりまわり
ホームで行き交う
あなたに似たひと
似ていないひと
制服のひと
背が高いひと
髪が長いひと
スタイルがいいひと
次々話しかけてみる
みんなそれぞれ違う反応
びっくりするひと
笑顔を作るひと
いぶかしがるひと
逃げるひと
私は歩いていく
何かをぐるぐる回しながら
飛んでくる眩暈
春風になびくフレアスカート
胸の膨らみの斜面に弾かれる日差し
キュートなあなたのそのカラダ
やわらかく弾み
まわるまわる
ころがりまわり
ホームで行き交う
あなたに似たひと
似ていないひと
制服のひと
背が高いひと
髪が長いひと
スタイルがいいひと
次々話しかけてみる
みんなそれぞれ違う反応
びっくりするひと
笑顔を作るひと
いぶかしがるひと
逃げるひと
私は歩いていく
何かをぐるぐる回しながら
飛んでくる眩暈
春風になびくフレアスカート
胸の膨らみの斜面に弾かれる日差し
2013年3月16日土曜日
きみのいいわけ
きみのいいわけはききあきた
ときみはぼくにいう
そのことばもききあきた
とぼくはきみにいう
ぼくのいいわけはいつもちがうのに
きみのいうことはいつもいっしょ
きみはぼくのいいわけをききあきて
きみのいいわけをかたる
ぼくはきみにきみのいいわけはおもしろい
という
きみはぼくに
そういうきみこそおもしろい
という
あなたはわたしたちのことをどうおもう?
わたしはあなたのことをしらない
と
いいわけだらけのきみにいう
ときみはぼくにいう
そのことばもききあきた
とぼくはきみにいう
ぼくのいいわけはいつもちがうのに
きみのいうことはいつもいっしょ
きみはぼくのいいわけをききあきて
きみのいいわけをかたる
ぼくはきみにきみのいいわけはおもしろい
という
きみはぼくに
そういうきみこそおもしろい
という
あなたはわたしたちのことをどうおもう?
わたしはあなたのことをしらない
と
いいわけだらけのきみにいう
2013年3月15日金曜日
悪魔のいた部屋
夕焼けの日差しと一緒に
部屋の中に
悪魔が入ってきた
小さい鬼のような悪魔だ
私は彼と遊ぶことにしたが
いつ噛み付かれるか分からないので
注意しなければならないが
注意が追いつかない
頭の演算スピードは
ほとんど固まってしまっている
悪魔はそれを見透かして
仕掛けてくる
私にこの部屋を明け渡せと
遊びながら
無言で仕向けてくる
頭を働かせないことで
分かることがあるもんだなと
いま
これを書きながら思う
行間に悪魔を見つけるが
読んだ人の心に
もう
紛れ込んでしまった
部屋の中に
悪魔が入ってきた
小さい鬼のような悪魔だ
私は彼と遊ぶことにしたが
いつ噛み付かれるか分からないので
注意しなければならないが
注意が追いつかない
頭の演算スピードは
ほとんど固まってしまっている
悪魔はそれを見透かして
仕掛けてくる
私にこの部屋を明け渡せと
遊びながら
無言で仕向けてくる
頭を働かせないことで
分かることがあるもんだなと
いま
これを書きながら思う
行間に悪魔を見つけるが
読んだ人の心に
もう
紛れ込んでしまった
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