2011年12月7日水曜日

中身


ちょうどいい容れ物が見つからなかったのか


その朝
 
その辺に放ってあった黄色い容れ物に投げ込まれた

 


 


そのせいか


私はいつまでたっても居心地がわるい


首のあたりがフワフワし


節々が痛い


 


脳裏をヤドカリの中身が横切って行く


2011年12月6日火曜日

マリン



あなたのことを


きょうは


マリンと呼ぼう


 


あなたのうなじから


海の香りはしてこないけれど


あなたの瞳に


海の底の星空は映っていないけれど


 


きょうは


あなたのことを


マリンと呼ぼう


 


あなたは自分のことを


不器用だと言うけれど


 


私は あなたから


その器用な身のこなしを学んでいる



いつか


告げたことがあった


 


あなたはまた


人間関係が苦手だと言ったけれど


あなたの周りには


いつもあなたを求めて素敵な人が


集まっていた


 


マリン 


と呼んでも


マリリンモンローを連想しないでくれ


いっそプリンや風鈴の方がまだ近いのだから

 

 


きょうは


煩わしいことが片付いて


いま


何が煩わしかったのかさえ


リアルには思い出せないくらいに


脱力し


重力となって地面に落ちている


 


マリン


あなたは


あなたであって


あなたではない別の誰か


 


マリンは


私を


何と呼んでくれるのだろう


朝のベッドのシーツの中で


2011年12月5日月曜日

ほったらかしの落ち葉

あなたはすべてを


あなたは


すべてを知ってしまったから


あとは


知らないふりをすることにした


 


あなたは


すべてをやり終えてしまったから


ほどよく


壊してはまた作ることにした


 


あなたは


すべてを生きてしまったから


あとは


他人の人生を生きようとした


 


あなたは


すべてを愛していたから


無限の星が


いつまでも祝福していた


2011年12月4日日曜日

夕日の質問


池に


わたしの


顔が映っていますか


それは


どんな顔ですか


きれいですか


好きな顔ですか


見つめていて


気持ちが昂ぶりますか


抱いてみたいですか


 


橋に


わたしの影が


掛かっていますか


スマートな影ですか


魅力的な曲線を持っていますか


微かに花の香りがしますか


欲しいですか


影を持ち帰りたいですか


わたしと一緒に


あなたのベッドに


近くの公園

凍っています、池

鳥の巣

鳥の巣二つ

2011年12月3日土曜日

自分らしく生きること

自分らしく生きることを求めるということは
自分らしく生きてほしくないと
言っているのも同じことだと
気づかずに言っているひとは
自分らしく生きていると
思い込んでいる人から見ても
滑稽だが
真に自分らしく生きている人から見れば
見慣れたコマーシャルの一コマに似すぎない
自分らしく生きているひとは
自分らしく生きることを求められるたびに
もっと無名なありきたりの幸せを得て
生きていきたいと思うのだが
相手はそれを許してくれないのを
知っているから
おざなりな答えをするだけである
自分らしく生きたいと願うひとは
自分らしく生きたいと願うことが
自分らしく生きることの
邪魔をしていることに気づかないので
いつまでたっても悩みの中にいる
自分らしく生きたいと思わずに
むしろ自分を殺して生きていきたいと
願っているひとは
自ずと自由な自分らしい生き方をしているのだが
その自由さゆえに不満を持っている
だがその不満が
自分らしく生きることにつながっているのだと
意識することはむずかしい
それは興味がないからでもあるが
生まれながらにして
定まっていたことであるからだ