という絵を
観ている女の肩に
男が手を回している絵を
若い女が見入っているのを
若い男が見ている
その様子を私が見ている
美術館のフロアは
猛暑の世界から隔絶され
くだらない騙し合いの世間とも無関係で
絵の亡霊たちに囲われ結界が張られ守られている
私は誰かと待ち合わせて
三階のレストランでランチをいただくことにしよう
初めてここに来た日のことを
胸の中に確かめながら
ナイフとフォークで
対象を切り裂きながら
0 件のコメント:
コメントを投稿