どうにか なって しまいたい
どこかに いって しまいたい
と きみは
微笑みながら 云うから
何が本当なのか
わからなくなってしまう
いつになっても このままがいい
どこにも いかないで
と きみは
真剣な顔をして 云うから
ぼくは
動くことができない
虫たちが羽をこすり
植物がこっそり 受粉する
一人ぼっちの夜よ
あと何回
ぼくに やってくるのだ
呼びもしないのに
季節の変わり目や
人々の夢の上を
乗り越えて
2010年9月17日金曜日
2010年9月16日木曜日
2010年9月15日水曜日
30円のコーヒーチケット
金券ショップでチケットを買う
120円のコーヒーチケットが
とても安くて1枚30円
ぼくは迷わず「5枚」と云った
1枚30円で買ったコーヒーチケット
1枚目は新宿の店
ノートを広げて思いついたことをメモ
やらなければならないことを箇条書き
今日しなければならないことは
今日なんとかし終えた
明日は明日しなければならないことをする
あさってしなければならないことは
あさってすることに決めた
1枚30円で買ったコーヒーチケット
2枚目は赤坂の店
15人ほどの人間が思い思いに
それぞれ時間を過ごしている
誰もがしなければならないことを
両手いっぱい抱えている
締め切りに追われて生きている人がいる
ノルマに縛られ一生懸命
自分を逃す道を探す人も
1枚30円で買ったコーヒーチケット
3枚目は大宮の店
将来のこと考えれば考えるほど
ぼやけてきてしまうのはなぜか
友達に聞いても同じ問いが
返ってくるだけだから
いつのまにか問うことの代わりに
紛らわすことがうまくなった
自分を責めて苦笑して
1枚30円で買ったコーヒーチケット
4枚目は仙台の店
高速バスで早朝の街に着くと
街が目覚めるまでまだもう少し
気だるさと懐かしさを傍らに
過ぎ去った人を思う
同じ場所で朝のコーヒーを飲み
夢見ていた愛の生活
この場所は変わらないまま
1枚30円で買ったコーヒーチケット
5枚目は待ち合わせ
手を小さく振って近づいてきたのは
さよならをし忘れたからですか
そんな意地悪言っても
笑いあえる不思議
ぼくは30円でここにいるけれど
君の分のチケット買い忘れた
あと一枚買えばよかった
120円のコーヒーチケットが
とても安くて1枚30円
ぼくは迷わず「5枚」と云った
1枚30円で買ったコーヒーチケット
1枚目は新宿の店
ノートを広げて思いついたことをメモ
やらなければならないことを箇条書き
今日しなければならないことは
今日なんとかし終えた
明日は明日しなければならないことをする
あさってしなければならないことは
あさってすることに決めた
1枚30円で買ったコーヒーチケット
2枚目は赤坂の店
15人ほどの人間が思い思いに
それぞれ時間を過ごしている
誰もがしなければならないことを
両手いっぱい抱えている
締め切りに追われて生きている人がいる
ノルマに縛られ一生懸命
自分を逃す道を探す人も
1枚30円で買ったコーヒーチケット
3枚目は大宮の店
将来のこと考えれば考えるほど
ぼやけてきてしまうのはなぜか
友達に聞いても同じ問いが
返ってくるだけだから
いつのまにか問うことの代わりに
紛らわすことがうまくなった
自分を責めて苦笑して
1枚30円で買ったコーヒーチケット
4枚目は仙台の店
高速バスで早朝の街に着くと
街が目覚めるまでまだもう少し
気だるさと懐かしさを傍らに
過ぎ去った人を思う
同じ場所で朝のコーヒーを飲み
夢見ていた愛の生活
この場所は変わらないまま
1枚30円で買ったコーヒーチケット
5枚目は待ち合わせ
手を小さく振って近づいてきたのは
さよならをし忘れたからですか
そんな意地悪言っても
笑いあえる不思議
ぼくは30円でここにいるけれど
君の分のチケット買い忘れた
あと一枚買えばよかった
2010年9月14日火曜日
秋の事件Ⅲ
誰かが小声で囁いている
少女というにはしっかりとした口調
そして優しさと強さを併せもっている
なにか強い思いがあるのだろうか
声は囁きをやめない
日がな一日 止むことはない
辛くはないのだろうか
知らぬ間に誰かと入れ替わっているのだろうか
いや、そんなことはない
声は確かに同じ声だ
そして繰り返し 唄のように
挨拶の言葉のように 発せられる
夜に鳴き始めた虫たちさえ
黙り込んでしまった
声はどこまでも進んでいく
空気を振動させて
時には 風に逆らって
震えながら
そして馬車に飛び乗るように
季節の流れに身を投じると
下流の町へと消えていく
その町で
きょう 信号が変わる瞬間
一人の少女が ため息をついた
声はなく
もちろん 笑みもなく
少女というにはしっかりとした口調
そして優しさと強さを併せもっている
なにか強い思いがあるのだろうか
声は囁きをやめない
日がな一日 止むことはない
辛くはないのだろうか
知らぬ間に誰かと入れ替わっているのだろうか
いや、そんなことはない
声は確かに同じ声だ
そして繰り返し 唄のように
挨拶の言葉のように 発せられる
夜に鳴き始めた虫たちさえ
黙り込んでしまった
声はどこまでも進んでいく
空気を振動させて
時には 風に逆らって
震えながら
そして馬車に飛び乗るように
季節の流れに身を投じると
下流の町へと消えていく
その町で
きょう 信号が変わる瞬間
一人の少女が ため息をついた
声はなく
もちろん 笑みもなく
2010年9月13日月曜日
新聞連載詩 未来 2
「魔法の力」 マツザキヨシユキ
来る、来ない、来る…と花占いしてたら
いつの間にか未来になっていた
タイムマシーンにさらわれたのだ
そこには 見慣れない風景があった
人々の表情もどこか不自然に見える
それに 音がよく聞こえない
どうしたのだろう
私はどぎまぎしていた
するといきなり誰かが後ろから肩をたたき
私に向かって言った
「きょう、くる?
それとも行こうか」
私には行くも来るも
なぜか一緒のように思えた
上のほうで
柱時計の音がした
メッセージ☆
時々、過去に起こったことの前後関係が
わからなくなること、ありませんか。
そんな時はタイムマシーンに乗ってもきっと迷ってしまいます。
新しい気持ちで朝が迎えられたり、心が二日酔いだったり、
時と記憶の魔法の力は、きっと誰もが持っています。使いこなせればいいのですが…。
来る、来ない、来る…と花占いしてたら
いつの間にか未来になっていた
タイムマシーンにさらわれたのだ
そこには 見慣れない風景があった
人々の表情もどこか不自然に見える
それに 音がよく聞こえない
どうしたのだろう
私はどぎまぎしていた
するといきなり誰かが後ろから肩をたたき
私に向かって言った
「きょう、くる?
それとも行こうか」
私には行くも来るも
なぜか一緒のように思えた
上のほうで
柱時計の音がした
メッセージ☆
時々、過去に起こったことの前後関係が
わからなくなること、ありませんか。
そんな時はタイムマシーンに乗ってもきっと迷ってしまいます。
新しい気持ちで朝が迎えられたり、心が二日酔いだったり、
時と記憶の魔法の力は、きっと誰もが持っています。使いこなせればいいのですが…。
2010年9月12日日曜日
区別がつかない
毎日 日付変更線がこの身の上を通り過ぎていくのに
通り過ぎでしばらくすると もう
境界線は 溶けてなくなってしまう
初めてそのひとと会った夏の終り
スキー場の斜面に無数に咲き誇るコスモスが
風に揺れていたけれど
その風が
その日が
どんな境界線で区切られているかは
判然としない
コスモスの中に
そのひとはいたけれど
いま そのひとはどこにいて
何をしているのか
その輪郭さえ
とらえることができない
幻と夢の間に
夕日が落ちて
思い出へと誘う
誘っているのが
誰なのか
判然としない
通り過ぎでしばらくすると もう
境界線は 溶けてなくなってしまう
初めてそのひとと会った夏の終り
スキー場の斜面に無数に咲き誇るコスモスが
風に揺れていたけれど
その風が
その日が
どんな境界線で区切られているかは
判然としない
コスモスの中に
そのひとはいたけれど
いま そのひとはどこにいて
何をしているのか
その輪郭さえ
とらえることができない
幻と夢の間に
夕日が落ちて
思い出へと誘う
誘っているのが
誰なのか
判然としない
2010年9月11日土曜日
詩は死なない 1
詩のノートが
消えてしまった
詩のノートには
シャーペンや万年筆や色鉛筆
近くにいた人から借りたボールペンや
その他さまざまな筆記具で
詩が書かれていた
まだ書きかけのものや
嫌いになってしまったものや
線によって消されたもの
丸の付いたお気に入りのもの
書いた行の上に線が引かれたもの
それらは
僕の前から突然 姿を消した
誰かに呼ばれて
ちょっと出かけて行ったのか
ノートが帰ってくる頃
僕はいないだろう
書かれた詩に
返事が返ってくる頃
ノートはもう
どこにもないだろう
消えてしまった
詩のノートには
シャーペンや万年筆や色鉛筆
近くにいた人から借りたボールペンや
その他さまざまな筆記具で
詩が書かれていた
まだ書きかけのものや
嫌いになってしまったものや
線によって消されたもの
丸の付いたお気に入りのもの
書いた行の上に線が引かれたもの
それらは
僕の前から突然 姿を消した
誰かに呼ばれて
ちょっと出かけて行ったのか
ノートが帰ってくる頃
僕はいないだろう
書かれた詩に
返事が返ってくる頃
ノートはもう
どこにもないだろう
2010年9月10日金曜日
嵐
さよならを言いなさい
きみの大事なものに いますぐ
きみがそれらのものとともに
生きていくことはだれも認めない
きみは自分の意志をすてなさい
その愚痴のような意志は
誰の何の役にもたたない
詩でなく散文で語りなさい
きみの韻律は人の心を揺らさない
きみは部屋から出て行きなさい
きみの汗は雨でなきゃ洗われない
枯れた木が杖として使われるように
道端に転がりなさい
窓の外で誰かが言った
窓を開けると嵐が立っていた
きみの大事なものに いますぐ
きみがそれらのものとともに
生きていくことはだれも認めない
きみは自分の意志をすてなさい
その愚痴のような意志は
誰の何の役にもたたない
詩でなく散文で語りなさい
きみの韻律は人の心を揺らさない
きみは部屋から出て行きなさい
きみの汗は雨でなきゃ洗われない
枯れた木が杖として使われるように
道端に転がりなさい
窓の外で誰かが言った
窓を開けると嵐が立っていた
2010年9月9日木曜日
新聞連載詩 未来 1
「未来へ」 マツザキヨシユキ
みんなでよってたかって
きみの悪口を言ってる
きみをどうやって救うのか
寄り集まって話し合ってる
ぼくは きみのこと
そんなに悪いと思わないよ
っていうか いいとおもってる
悪口を言う人たちより
ずっとね
きっと いつか
きみと会えるね
きみとぼくの 中間点で会おう
出発したら知らせる
じゃ
メッセージ☆
未来は待っているだけではやってこない。
自分からも進んでいかなければ。
希望を持って進めば、きっとどこかでばったり
未来と出会える。僕はそう信じている。
未来って、きっといいやつだ思う。
みんなでよってたかって
きみの悪口を言ってる
きみをどうやって救うのか
寄り集まって話し合ってる
ぼくは きみのこと
そんなに悪いと思わないよ
っていうか いいとおもってる
悪口を言う人たちより
ずっとね
きっと いつか
きみと会えるね
きみとぼくの 中間点で会おう
出発したら知らせる
じゃ
メッセージ☆
未来は待っているだけではやってこない。
自分からも進んでいかなければ。
希望を持って進めば、きっとどこかでばったり
未来と出会える。僕はそう信じている。
未来って、きっといいやつだ思う。
登録:
投稿 (Atom)