あっちのお山と
こっちのお山
どっちのお山がすきですか?
あっちのお家と
こっちのお家
どっちのお庭が広いです?
あっちの人と
こっちの人は
どっちが役にたつかしら?
あっちの仕事
こっちの仕事
どっちが楽ができますか?
あっちの祭り
こっちの祭り
どっちに神様いるかしら?
あっちの理屈
こっちの理屈
どっちも屁理屈屁の河童
2013年6月27日木曜日
2013年6月26日水曜日
涙は
涙とさよならして
泣くのをやめたいのに
涙とさよならしようと思っただけで
なおさら泣けてきた
悲しいことが起こる前に
涙と出会いたくなくて
なにも気にしないように
しようとしたけれど
悲しいことは
もう私をどっぷりと覆っていて
涙はすでにあふれ始めていた
それでは私を逃がそうと
考えてはみたけれど
悲しいことも涙も
私から離れることがない
だから余計に泣きたくなって
それを察した涙は
もう勢いよくあふれ
快晴の海へと向かおうとしている
2013年6月25日火曜日
花束
花束を作ります
最初は自分のために
いつの間にかふたりのために
そして最後はあのひとのために
花束を渡しに行きます
花束を持って
会いたい気持ちを持って
そして私ごと渡してしまいます
あのひとは
幸せそうです
2013年6月24日月曜日
生きていく
幾人かの気心の知れた仲間と
遊びながら
悩みを打ち明けながら
お互いを理解し合っていると喜びながら
助け合って
声を掛け合って
この地に根を下ろして
贅沢はできないけれど
貧しすぎるということもなく
悪いことはせず正直に
得意なことをがんばって
うまい話は疑ってかかり
下手なことはしないようにして
家族を守り
動物を飼い
近所の人と仲良くし
一生懸命仕事して
……
生きていく
これが生きていくということ
2013年6月23日日曜日
放置プレー
つまり
なにも分からなかったということか
ふりだしに戻ったら
スタートラインさえ消えていたということか
おまけに
自分が誰だったかさえも
忘れてしまったというかとか
これ以上考えても
後ろに進むばかり
いいことを思いつこうとしても
後悔したことばかりを思い出す
なにかに頼ろうとしても
なにかに引きずられるだけ
スーパームーンが空で輝いているが
世間の闇が照らされるだけ
心に暗い影ができる
夜の浜で知り合った
しっとりした彼女が
短い言葉を送ってきても
整理できずに放置して
2013年6月22日土曜日
2013年6月21日金曜日
僕のかわりにいなくなったネコ
僕のかわりにいなくなったネコ
お月様に行ってしまったのは兎だよ と
いじわるな姉さんは教えてくれた
だから
地上で見えない影を追い求めて
ずっとネコを探している
本当にいなくなったのはネコではない
水筒の酸っぱいジュースを飲んで
何度 気を取り直したことか
今日も汗をかきながら
夢の中の草むらをかき分けて歩いてゆく
悪いことの先にはいいことが待っていると
言っていた人のことを信じて
2013年6月20日木曜日
夕陽色のアイスティ
テーブル越しに新宿の雑踏を眺めながら
夕陽色のアイスティをかき回します
コップのなかに渦巻きが現れます
風か吹いて
静止していた空気が巻き込まれます
氷山がぶつかり合い砕けて弾け飛びます
なまぬるい者たちは居づらくなります
唇に挟んだストローから
冷たい液体を汲みあげます
口の中を潤して 喉を冷やして
古い記憶が呼び起こされます
透明なもの同士が仲良くします
猥雑なもの同士が混ざりあい
お互いを攻めあいます
私の周りの空気も渦を作って
私は台風の目のように
動けなくなります
どこかに連れ去られたテーブルには
援交のカップルが肘をついて
ギラギラする月を
見て見ないようにしています
じんせいは わからない (過去の詩から)
よいことをして
わるいこともして
よくもわるくもないことをして
どちらかわからないことをして
おとなになった
おとなになっても
よいことをして
よくないことをして
どちらかわからないことをして
ろうじんになった
じんせいは
むずかしい
じんせいは
おもしろくて
つまらない
あくびをしたら
しかられる
しかったひとも
あくびをしてる
2013年6月19日水曜日
願い
「人にやさしく」
という詩がすきだ
人にやさしくする
というのが
ぼくの願いだから
やさしくしたいと願う人は
世の中に
たくさんいる
だが数は問題ではない
身近な場所にいるかが問題だ
人にやさしく
とは
標語のようでもあり
座右の銘のようでもある
ぼくは人にやさしくしたい
自分のこころに関係なく
人に感動を与え
こころの緊張をほぐしてあげたい
人にやさしくして
責められることなく
空に消えて行きたい
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