2013年1月11日金曜日

ひとりぼっちの命

ひとり
ひと ひとり
ひとりで生まれ
ひとりで死んでゆく
生きている時に
抱擁し合ったあのひとも
ひとりで死んでゆく
命はこの世の中で徘徊しているだけ

だれも死の門に入ることはできない
その門の向こうには
死が蹲って夢を見ている
ひとはいない
命も入ることはできない

私は生きて
いつか死ぬ
だが死の門に入るのは
私の中の死の部分だけ
それは影のようなもの
体は燃やされ土になっても
命は残り彷徨
死だけが他人事だ

いつか出会った他の命に
すまないと泣き崩れて詫びたくても
昔の記憶を命は辿れないから
もうなかったことにされてしまう

死は身じろぎもしない
私が寝返りをうっているあいだも
息さえしていないのだから

2013年1月10日木曜日

中身は何が入っているの?

中身は何が入っているの?
からから音がするのはどうして?
難しい事ばっかりいっていないで
ライオンの首に縄をつけてきなさい

雪が降る日にライオンは
気が狂って暴れだし
こんなはずじゃなかったと嘆いてる

ニトリにいって

ニトリにいって
ヘチマを買った
井戸端会議で
にんまり笑う
変な態度の
言い訳は

ノリマキの中
具としていれて
チキンも足して
菜の花もいれ
おがくず入れて
こんちくしょう

2013年1月9日水曜日

なよなよするあなたを

なよなよするあなたを
骨が支えている
皮膚の表面は熱を帯びて
水気を空中に放っている

怒った時のあなたのは
いつもの唄をうたう
白い喉に触ると
モーターの振動が伝ってくる

今夜あなたは
すべての衣服を脱ぎ捨てたあと
お湯に浸かり
自分の肌を撫でて水の玉を弾く

なりふりかまわず
オトナのいやらしさを攻撃し
氷のように熱くなり溶けてゆく

2013年1月8日火曜日

何ももっていないその子

何ももっていないその子に敵わない
その子は何ももっていないから
もっているぼくには敵わない

何ももっていないその子は
何も捨てない
そして何ももとうとしない

何かをもっているぼくには
その子のことが分からない
何故もたないのか分からない

もっているぼくはまだ何かもとうとして
何ももっていないその子を
もの欲しげに見ている

2013年1月7日月曜日

ひとりじゃない


涙に頬がぬれて
眼を覚ますと
私は毛布に包まって
明るい日差しの中にいた

どんな夢を見ていたのだろう
懐かしい人
やさしい微笑み
大きく手を振って どこへ?

取り残されたの 私は?
置いていかれたの ここに?

小鳥の声がして
子どもが駆け回る声
穏やかな季節の風に
ひとりじゃないと気づいてく

2013年1月6日日曜日

その手があったか

遥々やってくるもの
古い友だち
遠い国の人からの便り
夜汽車
幼い日の思い出


なかなかやってこないもの
吉報
木霊
待ち人
できちゃったと心配したときのアレ
愛想を尽かされた恋人

どちらともいえないもの
苦し紛れの一手
金まみれの人生
くたびれかけた鞄
その手があったかというひらめき
なんにもでませんよと笑う人

2013年1月5日土曜日

あなたが見つけてくれた私の長所は
あなたのもの

私の短所を好きだと言ってくれたあなたが好き

2013年1月4日金曜日

最高に素晴しいステーキ

ステーキにハーブバターを乗せると
最高に素晴しい
ステーキの価値が二倍に上がります
目の前に大好きな人を座らせて食べると最高に気分がいい
ステーキの価値がさらに二倍に上がります
カトラリーが銀製だと最高に優雅な雰囲気になる
ステーキの価値がさらに五千円ほど上がります
野菜やスープや飲み物とバランスよくいただくと美味しい
ステーキの価値がさらに十倍に上がります

元のステーキが二千五百八十円でJAFカードの提示で五パーセント引だった場合
代金はいくら? (10点)

2008年開張小学校

2013年1月3日木曜日

酢飯が、バコーン

すめし
めしますか
よしますか
すしならすきですか
さしずめ
ささずしか
ますずしになさいますか
ずしのすしやになりすまし
やすやすとしのびいり
すりよりすすりなき
すずりをもってノースリーブのすきまスムースにうめ
むすめむせびなきすすかぶり
すすまぬはなし
みみすましてすどおり
すしやは
はやしますか
はやしやははなしかですか
すかんぴ
すっかんぴん
すいちょくに
いかすいスイカップ
システムは破水
スイスイバコーン
水仙推薦


参考作品
詩 未 来 創 作: 召しませ詩