2011年7月26日火曜日

告知…きょう、朗読セッションに参加します

2011年7月25日月曜日

ただいるだけで

何もしゃべらなくても
愛想をふりむかなくても
ただいるだけで美しい人

出会ったいきさつの運命を確認しあわなくても
一緒に見た風景の演技の見事さを共有しなくても
歩いた街の笑顔の出来事を思い出さなくても
ただいるだけで美しい人

お互いの夢を見せ合わなくても
過去を並べて鑑賞しなくても
楽しいエピソードを語らなくても
ただいるだけで美しい人

だだいるだけで美しい人は
ただいるだけで美しい
だだいるだけで美しい人は
私の前にいるとき
一番美しいのか

私の前にいないときに
もっと美しいのか

ただいるだけで美しい人は
美しく朽ちている
朽ちている美しさが
語られない魅力を携え
あなたの香りを放っている

2011年7月24日日曜日

花火を創る

遠くで花火が上がっているのだろう

電話越しに
花火の音が聞こえ
あなたは大はしゃぎ

おいてけぼりの私は
頭の中で自分の花火を創造する

あなたの向こうの
崖の向こうに
頼りなく糸を引いて登っていった白い玉が
はじけて
大きな光の輪を拡げる

反射したあなたの笑顔の横顔に
色が踊る

明暗を繰り返しながら色を変え
降りていく光に
あなたはなんの不安を感じることもなく
次の花火が打ち上がるのをまっている

私は
次の花火を創って
打ち上げる

汗のような涙をこらえながら
秋の虫のなく声が聴こえるまで

2011年7月23日土曜日

ウィンクされた

古い木の机で
新しいあなたに
手紙を書いている

気づくと
木の机が
勝手に手紙に関与してきている

書きたいことが
知らない思い出の上を
歩いて行く

通ったことのない森の中の道を
明るく輝く雲に平行に歩いて行く
草の積もった足元の地面が
心地よい

私は
木の机が何を思っているのか
先回りして
私の手紙に関与するのを
食い止めようと試みてみた

だがそれはできないことだった
木の机のことを考えると
自分の計画のことをすっかり忘れてしまうのだ

そわそわしながら
そうしているうちに
ずいぶんと時間が過ぎ
手紙は終わりの行を迎えようとしていた

もう手紙用のストラスモアライティングレイドのペーパーも
最後の一枚だ
それを意識した時
囁くように
あなたの名前を呼ぶ気配がした

見ると
紙のうえの 。 がウインクしていた

2011年7月22日金曜日

夜の香り

夜の間に激しい雨が降って
夜が流されてしまったので

あなたはベッドの上で
裸のまま
救助を待っていた

隣にいた人も
どこかに行ったまま
帰ってこない
もうだいぶ遠くへ行ってしまったに違いない

あなたは
かかとを片手でつかんで
時間というものが
どんな姿をしているのか
また善なのか悪なのか考えていたが
直ぐにつまらなくなって
考えるのをやめた

相変わらず
かかとを片手でつかんでいた

しばらくすると
朝が回りだし
通りに人の動き出す気配がした

あなたは
すこし体が冷えてきたのを感じ
服を着た

服の中に
夜が残した
海の香りがあった

2011年7月21日木曜日

ボロボロ鳥がナイテイル

牛乳を飲んでいるんだ
gkgk
あなたの眼差しと一緒に

フルーツがもられたカゴを
リッツカールトンのソファから
眺めて放心しているんだ
fmfm
遠い日のシャワーの音にまとわりつかれて

結局は南極なんだ
あなたは

いや難局に挑むことが楽しいんだ
罪ほろぼし気分で
boroboro

さえないプロローグ

あなたの恋愛問題を解決するお手伝いをしました

私は恋愛問題を抱えることとなりました

今度は私の恋愛問題を誰か解決してくだい

2011年7月20日水曜日

振られる

話をふられたのに
棒に振ってしまったんだね

それで
振られたんだね

おまけに雨にも降られたんだね

でも
もうほかにふられそうなものはないから
きっと
だいじょうぶ

2011年7月19日火曜日

あともどりできないジュース

ジュース飲んでるよ。
絞りたてのもの。
香り立つジュースは
宝石のよう。
逆光に輝き
透明なガラスを霧で覆う。

ジュース
口の中。
舌で転がして
クチュクチュする。
行儀悪いが
たまにはやりたい。
そういうもの。

ジュース
飲んじゃった。
次のジュースは
スッパイかも。
甘すぎるかも。
いっぱい目がおいしいのが
ジュース。

あともどりできないのが
ジュース。

消えてなくなった
ジュースもすきです。

2011年7月18日月曜日

世界はあなたを

きょう
海は静かにあなたのベッドを揺らし
どこからか
いい香りの夢を運んできては
あなたに注ぎ込む

夜は月を隠して
宙(そら)に無数の星を現し
空全体で優しくあなたの姿を照らす
影も作らずに
夜通し

やさしい唄が
彼方で唄われている
その唄声を聞くことはできない
だがあなたは信じることができる

信じることの尊さが
埋めこまれていたから

時があなたの時間を細切れに刻み続けても
世界はあなたを
裏切ることがない

注意深く足を踏み出したときに
踏みつぶしてしまった
柘榴の実が
あなたの柔らかいかかとに刻んだ
傷のせいで

世界はあなたを
裏切ることができないでいるのだ