2011年7月6日水曜日

詩にはできない

あなたはあなたを
差し出すんだね
どうぞ好きにして

あの男に

私は知っているよ
あなたも好きにするんだね

10,000超ありがとう!

誰にも言わずに始めたブログでしたが、10,000ベージビューを超え、なんだか一区切りついた気分です。ポエムジャーナリストを標榜しながら、なかなか取り組むことができず苦戦しています。しかし諦めずに必ず自分の方法論を確立し、表現していきたいと思います。もう一つのライフワークである『選評作家』についても、徐々に活動を始めています。詩を読んでほしい人から求めがあれば、どこへでも出掛けていって、講評をしています。すでに何度か地方にも出掛けていきました。(もしご希望の場合は、matsuzakiyoshiyuki@gmail.com までご連絡ください)。

2011年7月5日火曜日

担当者

国の
人の気持ちを考える担当者から
電話がかかってきた

優しい声で
おはなしを聞きたいのですが
よろしいですか?
という

はい
と答えると
国のせいで
あなたに辛い思いをさせていてごめんなさい
あなたが
どんな気持ちだったか
いまどんなことが気になっているのか
教えてください
という

私がひとしきり喋ると担当者は
そうですか
それは本当に申し訳なかったですね
いえ
申し訳なく思っています
何かできることがあったら言ってください
という

私が
してほしいことを並べ立てると
担当者は
わかりました
すべてが出来るかどうかわかりませんが
一つでも多くできるようにがんばってみます
いろいろ手配して打ち合わせしたら
三日以内にまた電話しますね
という

私は
担当者に
期待しているからよろしくお願いしますと
ややぶっきらぼうに言ったが
ちょっと後悔してあわてて
「ありがとうございます」と付け加えた

泣きながら朝目覚めると
あれから3か月が経っていた
鳴らない電話を抱えて眠るのは
もうやめようか

別の担当者に
相談したい





「おひとよし」というと非難しているようですが、社会で生きていくときに、「おひとよし」は時に命取りになります。それでも、どうしても「おひとよし」にふるまってしまうのは、根がそうだからだしょうか。これは仕方がないのでしょうか。それともいいことなのでしょうか。
国によって重要なデータが隠されていたせいで、被害にあった私達は、どんな『気持ち』を持って生きていったらいいのでしょう。「おひとよし」とお別れすべきでしょうか。

2011年7月4日月曜日

やめろ

波打ち際で
海が
「やめろ」と叫んでいたけれど
やめることができなかったんだ

心も
「やめろ、もうこれ以上は」と迫ってきたけれど
どうしてもやめることができなかったんだ

あなたも
帰り際に
「もうやめたら」とちょっと目をそらして忠告してくれたけれど
どうしてもやめたくなかったんだ

挙句の果てに
「やめろ」が
「やめろ」を早く受け入れるよう
訴えてきたけれど
「やめろ」に「やめろ」と言い返して
やめないことにしたんだ

愛することを





「やめたほうがいいこと」に挑戦する価値があるでしょうか。その答えは実はあなたの中にしかありません。世間には落ちていないのです。

2011年7月3日日曜日

なにをしているの?

お金より気持ちが大事
いつもそう思ってしまう
本当は
どっちも大事にしなきゃいけないのに

そして
気持ちは変わりやすいものだと
分かっているのに

風見鶏みたいに調子よく
方向転換できないまま
また
状況が変わっていく
状況が変わって
また
元に戻ることもある

気持ちよりお金を大事にする人と
一緒にいると
いろんなことが分からなくなって
自分は
なにも大事にできていない と
思えてくる

お金を大事にする人は
人の気持ちは
空気のように当たり前に
大事にしているようにも
思えてくる

当たり前に大事に なんて
この世に
在るのかどうか分からないけど

そして目の前のコーヒーが
語りかけてきた
あなたはここで
なにをしているの と

なにをしているんだろう
お金と引き換えに手に入れたこのコーヒーに
問われて
答えられない





人の気持ちを理解するのは、とても難しいことなのではないでしょうか。また、人の気持ちを理解し過ぎるのも何かと問題がありそうですね。それにお金が絡むとなお複雑になり、人間社会では紛争が絶えません。
だからといって、自分のことをよく理解するのも、とても難しいようです。そういう方法論を義務教育で習ったこともありません。いったいどうしたらいいのでしょうか。

2011年7月2日土曜日

涼風の便り

きょうはなにもいわなくていい
言わなくても分かっているから

ただ
あなたが何かを言おうとすることが
あなたの視線の先の木の葉を揺すって
遠く離れた私に
夜風を届ける

熱帯夜の湿った空気が
涼しい風に変わったのは
あなたがいたから

あなたがいて
私に何かを言おうとしたから




こんなことがあったら、ECOですよね。でも今日、私は実際に涼風をうけとったんです。

2011年7月1日金曜日

いくらあってもたりないコンセント

ミツマタコンセントが便利なあまり
家中がミツマタコンセントで溢れてしまった

コンセントがこんなにも必要になったのは
人の欲望が増えたからなのだろうか

世界中が差し込む穴と
差し込むものでいっぱいだ

最近やってきた
ミツマタコンセントは
USBの差し込み口がある
その先には
スマホや携帯プレイヤーが繋がれるのだ
それからタイマーのついたもの
雷ガードのついたもの
スイッチがついたものもやってきた
これらはミツマタを通り越して
ヤツマタだったりする
いらない高周波ノイズをカットするものも現れた

私は彼女と
どうにか綺麗に収まりがつかないかと相談しようとして
苦笑いしてやめた

彼女が 私ひとりを愛してくれているのか
それを訊いてみたい衝動に襲われてしまったからだ

私もいろんなところで充電をしていることを
彼女は知っているだろうし・・・





オール電化がいいという人は見かけなくなってしまいました。友人の実家は岩手の山奥で、電気も水道も地震で止まったのですが、かまどと井戸を使う生活だったので、あまり不便がなかったと言っていました。しかも黒電話は家の電源が落ちても繋がったそうです。そして昨日、その町の周辺地域が世界遺産に登録されることが決まりました。
便利と引き換えに私たちは何を失っているのでしょう。自由な恋愛や奔放な人生は、一見羨ましいのですが、羨ましいことばかりではありません。あなたは、自分に、どんな自分をみせてあげたいですか。

2011年6月30日木曜日

三人の男

1

きのうあなたは
三人の男と会った

一人は一緒に住んでいる男
一人は一緒に旅に行く男
もう一人は一緒に泣いてくれる男

どの男が
一番必要なのかは
問題ではない
どの男も必要だから

あなたは
自分の幸福を願う


2

あしたもあなたは
三人の男と会うだろう
一人は昨晩から隣で寝ていた男
一人はあなたに何かを教えようとする男
もう一人はあなたにつきまとう男

どの男が
必要なのかは
問題ではない
どの男も必要だから

そして
どの男も
本当は不要だから





猫派と犬派とがあるようですか、あなたはどちらですか。どうも多くの男は猫のほうがすきなようです。自分が犬だからでしょうか。猫に気ままで自由な姿を投影するのでしょうか。しかし猫の立場も楽なものではありません。時に孤独を感じるからです。自分のわがままな姿勢に恐怖を感じても、だれにも分かってもらえないと思うからです。

2011年6月29日水曜日

思い出の焚き火

きみがなにをしようと
ぼくはここにいる
きみが無視し続けても
待っている

誰かが訪ねてきても
隠れている
足りないものは
買ってきてあげる

忘れられても
大丈夫
思い出したら
ちゃんと居るから

雨の降る日はカッパ着て
日照りの夏は帽子をかぶり
嵐の夜はロウソク用意して
きみを待っている

きみがいない日は
多少寛いで
バッテリーを充電して
備えている

ぼくはきみが好きだから
好きな限りは待っている
花屋があれば花束を買い
きみの思い出で焚き火しながら



人の思いって炎のようではないですか。いつまでも燃え尽きない思いは、無限に続くようです。きっと再生可能エネルギーが使われているのでしょう。もんじゅは止まっていますが、私たちは、いつでも思いを動かし始めることができます。

2011年6月28日火曜日

痛きもちいい暮らし

みんなで作った
みんなの社会
みんなの手柄
みんなの責任

追いかけなくても
獲物が獲れる
罠をしかけて
楽チン暮し

人を束ねて
こっそりくすね
バレたら別の
場所で継続

想定外と
言い訳言って
想定してる
自己保身

未来は暗い
我慢が必要
だんだん慣れて
心地よく

人の悪口
みんなで言わせ
疲れた頃に
やっつける

死なない程度に
痛めつけても
元気だしてと
金出さず

権力持つ者
巧妙に
持たざるものを
踏みにじる

踏みにじられて
気持ちいい
ちょうどそこが
こってたの



どどいつというのがありますが、風刺というのは世論の負け戦みたいな感じがします。しかし負け続けても蔓延って、草の根のような強さを発揮します。韻律は、人の心に定着するために言葉が手に入れた武器なのかもしれませんね。生物兵器よりも強く、人体に無害な、しかも個人が権力に対抗できる・・・