2010年10月14日木曜日

燃えよ! キャンプファイヤー

燃えろよ 燃えろ 炎よ燃えろ
と 歌いながら
炎と 皆の顔と 星の出た空とを
かわるがわる見て
何かに酔いしれていく

嫌いな子も 嫌な先生も
今は 一緒でいい
不揃いな歌声も
かえって 素晴らしいと思ってしまう

僕たちに たしかに過去はあったけれど
嫌な過去は この炎にくべて
今を照らせれば役に立つ
そのままもっていても役には立たないから

炎を囲んで 皆で歌い踊る
太古の精霊も混じっているけれど
ほとんどの人は気づかない
でも気配は感じているはず

おしゃべりには魔法がかけられ
明日の朝にはほとんど消えてしまう
ただ大事な約束は10年後に思い出すらしい
嫉妬や皮肉は消えにくいから残りかすが出るらしい

炎は太陽より強く 心に何かを焼き付ける
影絵のような気持ち 
メルヘンのような不思議な夢
記憶のしおりのような
炎がつくったページになる

やがて 
炎は消され
友だちは 皆 帰っていく
もう ここに集まることは二度とない
ただ 思い出すことはできる
その時
ここで君は 何を考える?

僕は 君のことを考える
この僕の思いを
いまでも 燃やすことができるか考える
そして
精神を集中してみるのさ

2010年10月13日水曜日

僕ら

敵はいない
いるのは味方だけ
君が正しく生きて行けば

外にでよう
おそれることはない
きみが自分を信じていれば

呼びかけよう
とても大事なことを
何回でもあきらめずに いつも

語り合おう
僕ら 向かい合って
夜明けが夜を押しやるまで

2010年10月12日火曜日

煮え切らない思い

煮え切らない思いをかかえたまま
旅に出る
思いは煮詰まってゆき
やがて新しい思いが現れる
しかしすぐに それは煮え切らない思いに変わる

煮え切らない思いをかかえたまま
部屋へ帰る
思いは煮詰まってゆき
やがて新しい思いが現れる
しかしすぐに それは煮え切らない思いに変わる

煮え切らない思いをかかえたまま
旅に出る
思いは煮詰まってゆき
やがて新しい思いが現れる
しかしすぐに それは煮え切らない思いに変わる

2010年10月11日月曜日

sign

そのひとのことを思うとき
目の前は涙で滲み
辺りは水の香りで一杯になる

じっさいに泣いているわけではない
涙の思い出があるわけでもないはずだ

しかし
そのひとのことを思うとき
その笑顔はさびしさに輝き
笑い声は風鈴の音のように止むことがない

手をつないで遠出をして
初めて眺めた夕暮れの景色
旅先の部屋で勢いよくボタンをはずす指
夜の迷路ををさまよいながら
目をつぶって遠くの音を聴いた

鏡の前に立ち
ツーショットの具合を確かめると
また向きあった胸と胸
そこに激しい嵐の予兆が打ちよせたのだ

朝はあっけなくやってきて
地平線が煙り
すぐに二人は互いを見失った
探すこともままならない

それからどう季節が流れたのか
思い出せず
目を上げるとそこには部屋の白い壁があり
一通の手紙が届いた
カレンダーを見ると
20年の年月が過ぎていた

そのひとは
いま
新しい土地に出発しようとしているという

ぼくは 小さくサインを出してみる
2人へのサイン
何のサインかは自分にも読み解けない

2010年10月10日日曜日

しましまの(パールホワイト)

しましまのよる
うずまきのもちーふ
しるくのしーつ
するするするつーる
ぴかぴかのかーぶ
りっしんべんのべんつ
つきあかりのりんく
すべすべするちーく
すりすりしてたーん

2010年10月9日土曜日

胸の ここに

なつかしい声の響き
いつか聴いたことのある

美しい光の反射
夜の深い湖の中にある

こころ時めかせる初めての香り
鼓動を高鳴らせ体温を熱くする

しっとりとすべる感触
巻きついては離れるレースのような

つなぎとめる細い紐
絡むことなく巻きつくこもとなく

それらが一つになって
ここに 胸のここに

胸のここに とどまり

2010年10月8日金曜日

秘書の階段

秘書とタワーに上る
階段で

どうしてこんなことになったのか
覚えていない

ドアに向かう社内の廊下では
秘書は前を歩く
階段では社長が前を歩く

でも疲れると
社長は秘書に前を歩くように命じる
秘書は訳もきかず今度は前を歩く
昇っていく

秘書はハイヒールに
ストッキングの足を心地悪そうに突っ込んでいる
でもすべてをかなぐり捨ててただ歩く
社長がヒーヒーと疲れて愚痴を言う
秘書は頑張らなきゃだめですよと声をかける

秘書は若くよく体を動かしている
社長はしょっちゅう椅子に座って煙草を吸いコーヒーを飲む
だから階段においては社長のほうが不利だ

足がもつれれば怪我をすることにもなる
途中でやめるには
階段を下りなければならない

汗の玉が落ちる
階段の掃除をする人のことが頭をよぎる

秘書は後ろを気遣うようにしながら
容赦なく昇っていく

社長は秘書を制止する
肩に手をかけて
秘書の一段上に倒れるように昇ると
今度は自分が先に行くという

呼吸を5回ほどすると
スローペースで昇り始める

秘書はそのペースに合わせて
二、三歩遅れてついてくる
秘書が持つ鞄には
秘密の書類

社長の後ろからついてくる
秘書の体には正しさが満ち溢れ
秘密の書類は秘書を超えて
どこまでも昇ろうとしている
階段の先の その先までも



http://www.liftec.net/

2010年10月7日木曜日

初秋に書いた詩

雨の滴が

住みなれた 窪地の家々を濡らす
中学校の校歌を濡らす
靴の底と 先端をぬらす
隠しておいた想い出を濡らす

雲り空の明りが

盆地を照らす 空家になった犬小屋の屋根を照らす
落ち葉が溜まった池を照らす
元気ハツラツ と書かれた看板を照らす
黄色い 止まれ の文字を照らす
誰もいない野外音楽堂を照らす

遊んでいる声が

へいに反響する 電柱に反響する
開かずの扉に反響する
玉虫の背中に反響する
放課後の音楽室に反響する
盲人の鼓膜に反響する

コスモスの色が

夕日と仲良くなる 日没と仲良くなる
見つめる瞳と仲良くなる
花びらに触れる唇と仲良くなる
血のついたハンカチと仲良くなる
浅い眠りの夢想と仲良くなる

初秋の詩は
いつまでも着地せず
中空を漂う

2010年10月6日水曜日

月見

僕は45歳
もうすぐ46歳
毎年一つずつ年齢が上がってきた
僕のうち
どれだけが昔の僕なのかわからない
細胞としては
もうすべて入れ替わってしまっているだろうから
勝手にバトンタッチして
僕の存在を守ってきたのだろう
それが余計なことかどうか
そう問われれば 余計だと言いたくなる
けれどそう言ったところで
これからも今までと変わりなく
細胞は再生し
自分は守られていくのだろう
細胞を誰かに明け渡そうとしたこともない

僕は生れてから45年と11カ月
それを秒でいうなら……どこかのサイトで便利に計算できるはずだが
僕の元となった精子や卵子はもっとまえに生まれた訳だし
さかのぼれば何億年生きてきたことやら
へその緒が懐かしい
今まで僕につながってきたへその緒を全部つないだら地球を一周するだろうか
これじゃ長すぎて縄跳びさえできないね
いや ひょっとしたらした奴がいるかもしれないけど だれか調べられないか?

僕が愛した人数十人 いや数百人かもしれない
なぜ愛したかわかる人 数人
愛とは何かわかる人 ???
僕の今の立場
ホームレスに親近感を覚える
ちょっと孤高を気取る
サラリーマンにして自由人にして見栄っ張り
夢追い人で一風変わったメタボレーゼ

過去に出した自分の詩集 10冊ぐらい
書いた詩の数 1000ぐらい
これから書く詩の数 1年に400×(死ぬまでの年数-5)+50くらい

昔好きで今も好きな女性 あり
今好きで昔嫌いだった女性 なし
小学校の先生に結婚すると予測された年 45
予測された相手の年齢 うんと若い
実際 兆候なし

趣味 実益を兼ねるもの
本当の趣味 実益を兼ねないもの
家族 父が2年前に他界 その他は健在
自分 不健全であるが健在
モットー 正直に明るくひとが喜ぶことを
生活方針 先送りしない(なるべく)
実際 ほとんど先送り
夢 夢を持ち続け追いかけること
使命 信じてくれた人を幸せに

住居 アパートの2階
若葉コーポ

昔から若葉は好きでした
今日の夜ごはん パン、ハム、バター(バター成分が30%のマーガリン)
好きなこと 好きな女性と交際 旅行 デジカメで撮影(自分撮りを含む)

仕事 一生懸命頑張ってやっていた ※大事なものを守れなかった経験あり

きょうは一人で秋を感じるお祭りの日にした
帰ってきてから
1パック105円の団子を窓辺に置いて
ススキ代わりのグアムのまじない人形を飾り
空を見上げた

そこに月があってもなくてもよかった
何度も観てきた月を思い出して 空に重ねることができるから
細胞の記憶をたどれば
愛する人の網膜にも入ることができそうな気がした
そうすることで
自分の思いの波にも乗ることができそうで
それで祭りは盛り上がれそうで






この詩をアップしたら下↓のような広告が出た。びっくり。




  • 聖心再生医療センター
    将来の疾患や若返り治療に向けて 自分の細胞を凍結保管
  • 2010年10月5日火曜日

    杓子定規な私

    先生の言う事をよくきく優等生
    制服があるおかげでお洒落は楽
    文学で男女の恋愛をよくまなび
    インターネットで擬似体験する
    小峰はこのさき正しく生きます