会ったことはないが
デュラスの声なら聴いたことがある
波打ち際に立ち
心を躍らせることも
感傷に浸ることもせず
波や
遠くを往き来するさまざまな舟や 飛び交う鳥を
見るともなく見ている
昼間の月が空に
特別扱いで
太陽の光を反射して
舟のように浮かんでいる
初秋の海
私は
特別扱いしてもらえるだろうか
人には様々な生き方があるが
いつもそのことを忘れてしまう
砂浜から滑やかな膚をもつ小石を拾い
指の腹で撫でてみる
波は
微動だにせず
打ち寄せてくる
靴を濡らして
私の中まで濡らして
昼間の月は特別扱いしてほしいとは思っていない。
返信削除月を見る人の感情がそうさせる。
この世に生きる者達の数だけ何十億通りもの違った生き方がある
あなたも何十億分の1の生き方をしている。
それが特別かどうかなんて大した問題ではない
心の中の要らないもの
波にさらっていってもらおう
せっかく海に来たのだから