2013年9月13日金曜日

歩き出したとき


道に小石とつぶれた空き缶が落ちている
空き缶と小石は仲間だ
そこに夕暮れの薄闇がやって来て
遠くで街灯が点いた

塀がある場所を
たまにひとがゆき過ぎる
塀の中で育っているキンモクセイの木が
花をつけて
その香りを放ち始める

電車の駅に
鈴虫がかくれて鳴きだした

頬にあたる風が
間もなくぬくもりを恋しがるようになるだろう

初めて好きなひとの手を握ると
すこししっとりとしていて青い香りがして
それはとうもろこしをもいだ時の感触と似ていた

それはまた
雷雨が過ぎたあとの
家の前の道を歩き出したときのようだった

1 件のコメント:

  1. 中村ゆき子2013年9月14日 11:43

    握った手、わからないようにギュッとしてみたり、放してみたり 心で何かを探りたい。
    雷雨が過ぎたあとは
    何かリセットされたような気がします。
    スタートでもあり、やり直しでもあるような・・・

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