道に小石とつぶれた空き缶が落ちている
空き缶と小石は仲間だ
そこに夕暮れの薄闇がやって来て
遠くで街灯が点いた
塀がある場所を
たまにひとがゆき過ぎる
塀の中で育っているキンモクセイの木が
花をつけて
その香りを放ち始める
電車の駅に
鈴虫がかくれて鳴きだした
頬にあたる風が
間もなくぬくもりを恋しがるようになるだろう
初めて好きなひとの手を握ると
すこししっとりとしていて青い香りがして
それはとうもろこしをもいだ時の感触と似ていた
それはまた
雷雨が過ぎたあとの
家の前の道を歩き出したときのようだった
握った手、わからないようにギュッとしてみたり、放してみたり 心で何かを探りたい。
返信削除雷雨が過ぎたあとは
何かリセットされたような気がします。
スタートでもあり、やり直しでもあるような・・・