父と母が建てた小さな家には
部屋が2つあった
一つは居間で
一つは2階の寝室
妹が生まれてやがて
部屋の数は増えた
1階のベランダだったところに
私の部屋ができた
しゃぼんだまを上げたベランダのところで
私は眠った
それからまた月日は過ぎて
父の書斎と私の新しい部屋ができた
私の部屋は2階の西側に作られた
妹には私がもと居た部屋をあてがわれた
それからまたしばらくして
部屋の数は増えた
母の部屋と物置部屋だ
2階の寝室だったところが妹がの部屋となった
私は新築の東側の部屋に移った
2013年4月28日日曜日
2013年4月27日土曜日
側面を磨いている
彼は側面を磨いている
真剣な目をして
側面は滑らかになって
だんだん光を
反射するようになる
側面を磨きながら
彼にはその磨き上がりが既に見えている
来る日も来る日も
彼はその場所で
側面を磨いている
決して
他の面を磨くことはない
彼が
側面を磨くことに
疑いを持っているかどうかは
誰も知らない
側面を磨き始めると
片時も目を離すことなく
側面を磨いていく
彼は
側面を磨くことと
切っても切れないことになっている
彼は
明日も
あさっても
私が見ていなくても
側面を磨いている
自分の命を人ごととして
自分の命を人ごととして
清く正しく 生きるんだ
苦労も 厭わず 苦痛に耐えて 世間に馴染んで
希望を持って 夢を描いて
へこたれずに くよくよせずに
自信を持って 他人にやさしく 自分に厳しく
勇気を持って 挑戦しつづけ
反省しても 後悔せずに
一生懸命 あきらめないで
欺くことなく 正直に
生きるんだ
いい気になって 死ねばいい
2013年4月26日金曜日
星の考え
隙間があったら
緑の草で埋めてしまいましょう
それが星の考え
緊張が続かないように
呪縛はほどいて
すべては水に流しましょう
水は山から川にして
あるいは一度空に持ち上げて
最後は海まで流しましょう
それが星の考え
人は進化し
進化の先端が尖り錆び
朽ちたら新しい芽ばえがあるでしょう
芽は根を張り空に向かい
子孫はその屍をたき火して
暖をとるでしょう
それは
星が
あずかり知らぬこと
でもそれはすぐに
星の考えとなった
緑の草で埋めてしまいましょう
それが星の考え
緊張が続かないように
呪縛はほどいて
すべては水に流しましょう
水は山から川にして
あるいは一度空に持ち上げて
最後は海まで流しましょう
それが星の考え
人は進化し
進化の先端が尖り錆び
朽ちたら新しい芽ばえがあるでしょう
芽は根を張り空に向かい
子孫はその屍をたき火して
暖をとるでしょう
それは
星が
あずかり知らぬこと
でもそれはすぐに
星の考えとなった
がれきになって
「がれき」という言葉について
どれほどのことを考えただろう
がれきとは何か
なぜがれきなのか
昔のがれきと今日のがれきとの差異とはなにか
がれきと名付けられたがれきの気持ちはどんなものか
がれき 瓦礫 ガレキ GAREKI
がれきが語りかけてくるその声に
耳を傾ける
いつまでもがれきであるそのあるがれきは
がれきのなかでも筋金入り
がれきに身分制度はあるのか
参政権はあるのか
学歴や出身地は関係あるのか
芸術や文学に精通しているのか
家族はあるか
がれきに訊いてみる
がれきの表示を確かめる
安全基準を見直し不法投棄を取り締まり
転校移民難民を受け入れる
がれきのぬくもりに顔をうずめる
がれきにまじり
闇夜に考える
詩は終わりにして
がれきになって
うずもれて睡ろうと
せめて今夜は
蛍光灯の明かりは消して
どれほどのことを考えただろう
がれきとは何か
なぜがれきなのか
昔のがれきと今日のがれきとの差異とはなにか
がれきと名付けられたがれきの気持ちはどんなものか
がれき 瓦礫 ガレキ GAREKI
がれきが語りかけてくるその声に
耳を傾ける
いつまでもがれきであるそのあるがれきは
がれきのなかでも筋金入り
がれきに身分制度はあるのか
参政権はあるのか
学歴や出身地は関係あるのか
芸術や文学に精通しているのか
家族はあるか
がれきに訊いてみる
がれきの表示を確かめる
安全基準を見直し不法投棄を取り締まり
転校移民難民を受け入れる
がれきのぬくもりに顔をうずめる
がれきにまじり
闇夜に考える
詩は終わりにして
がれきになって
うずもれて睡ろうと
せめて今夜は
蛍光灯の明かりは消して
2013年4月25日木曜日
あなたは誰が好き?
秘密にしようとすると
つい 口走ってしまう
そのくせ
言おうと思っていたことは
忘れてしまう
憶えておきたい大事なことは
つまらないことに押し出されて見えなくなり
忘れてしまいたいことは
シミになってしぶとく居座る
私はあなたが好き
あなたは誰が好き?
訊いてみたかったけれど
あなたは私に
「あんたなんかきらいだ」
と
会うなり
いきなり宣(のたま)った
いきなり宣(のたま)った
2013年4月24日水曜日
2013年4月23日火曜日
2013年4月22日月曜日
詩のメモ
もうずいぶん沢山眠ってしまったものだと
布団から半身起き上がり
目を凝らして暗闇の時計を見ると
まだ1時間しか経っていなかった
頭が痛いので
やることがあったけれど
もう少し眠ることにした
2、3時間眠っておき上がってみると
10分しか経っていなかった
それから約4時間眠って
眠りながら詩を考えた
時間に関する詩だ
起きてメモを取り
それからまた1時間ほど眠った
起き上がると
そこは自分の部屋のベッドだった
書いたはずのメモは
どこにもなかった
2013年4月21日日曜日
誰かと繋がっていることが
誰かと繋がっていることが
鮮明に分かる時がある
時に 身じろぎもしないで
深夜の寝台列車の揺れを
共有している
いや
共有しているのは
深夜の寝台列車の揺れではなく
地を這っていく感情だ
月に冷やされて
キキ キーと
金属質の摩擦音を発するその感情
射的場の的に向けて
息を合わせて
玉を打ち込むときの
苦い唾
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