隙間があったら
緑の草で埋めてしまいましょう
それが星の考え
緊張が続かないように
呪縛はほどいて
すべては水に流しましょう
水は山から川にして
あるいは一度空に持ち上げて
最後は海まで流しましょう
それが星の考え
人は進化し
進化の先端が尖り錆び
朽ちたら新しい芽ばえがあるでしょう
芽は根を張り空に向かい
子孫はその屍をたき火して
暖をとるでしょう
それは
星が
あずかり知らぬこと
でもそれはすぐに
星の考えとなった
2013年4月26日金曜日
がれきになって
「がれき」という言葉について
どれほどのことを考えただろう
がれきとは何か
なぜがれきなのか
昔のがれきと今日のがれきとの差異とはなにか
がれきと名付けられたがれきの気持ちはどんなものか
がれき 瓦礫 ガレキ GAREKI
がれきが語りかけてくるその声に
耳を傾ける
いつまでもがれきであるそのあるがれきは
がれきのなかでも筋金入り
がれきに身分制度はあるのか
参政権はあるのか
学歴や出身地は関係あるのか
芸術や文学に精通しているのか
家族はあるか
がれきに訊いてみる
がれきの表示を確かめる
安全基準を見直し不法投棄を取り締まり
転校移民難民を受け入れる
がれきのぬくもりに顔をうずめる
がれきにまじり
闇夜に考える
詩は終わりにして
がれきになって
うずもれて睡ろうと
せめて今夜は
蛍光灯の明かりは消して
どれほどのことを考えただろう
がれきとは何か
なぜがれきなのか
昔のがれきと今日のがれきとの差異とはなにか
がれきと名付けられたがれきの気持ちはどんなものか
がれき 瓦礫 ガレキ GAREKI
がれきが語りかけてくるその声に
耳を傾ける
いつまでもがれきであるそのあるがれきは
がれきのなかでも筋金入り
がれきに身分制度はあるのか
参政権はあるのか
学歴や出身地は関係あるのか
芸術や文学に精通しているのか
家族はあるか
がれきに訊いてみる
がれきの表示を確かめる
安全基準を見直し不法投棄を取り締まり
転校移民難民を受け入れる
がれきのぬくもりに顔をうずめる
がれきにまじり
闇夜に考える
詩は終わりにして
がれきになって
うずもれて睡ろうと
せめて今夜は
蛍光灯の明かりは消して
2013年4月25日木曜日
あなたは誰が好き?
秘密にしようとすると
つい 口走ってしまう
そのくせ
言おうと思っていたことは
忘れてしまう
憶えておきたい大事なことは
つまらないことに押し出されて見えなくなり
忘れてしまいたいことは
シミになってしぶとく居座る
私はあなたが好き
あなたは誰が好き?
訊いてみたかったけれど
あなたは私に
「あんたなんかきらいだ」
と
会うなり
いきなり宣(のたま)った
いきなり宣(のたま)った
2013年4月24日水曜日
2013年4月23日火曜日
2013年4月22日月曜日
詩のメモ
もうずいぶん沢山眠ってしまったものだと
布団から半身起き上がり
目を凝らして暗闇の時計を見ると
まだ1時間しか経っていなかった
頭が痛いので
やることがあったけれど
もう少し眠ることにした
2、3時間眠っておき上がってみると
10分しか経っていなかった
それから約4時間眠って
眠りながら詩を考えた
時間に関する詩だ
起きてメモを取り
それからまた1時間ほど眠った
起き上がると
そこは自分の部屋のベッドだった
書いたはずのメモは
どこにもなかった
2013年4月21日日曜日
誰かと繋がっていることが
誰かと繋がっていることが
鮮明に分かる時がある
時に 身じろぎもしないで
深夜の寝台列車の揺れを
共有している
いや
共有しているのは
深夜の寝台列車の揺れではなく
地を這っていく感情だ
月に冷やされて
キキ キーと
金属質の摩擦音を発するその感情
射的場の的に向けて
息を合わせて
玉を打ち込むときの
苦い唾
2013年4月20日土曜日
蕎麦をすする音
ぬるい場所に冷たい雨が降って
キノコが夜に育ちます
人はもう発狂寸前ですが
むしろそれは正常だと言わねばならぬでしょう
雨はいろんなことを「なかったこと」にして
雨天のため中止という看板が雨に濡れています
かわいいあの子という人が
箱詰めにされサイズを測られ宅急便の荷物になって
濡れた道を運ばれてゆきます
河合その子とは関係ないでしょう
かわいいあの子は私が継続的に好きな人です
夜の帳というのがあると噂された町には
少し前の時代のナウい人びとが往き来して
ちょっとした喧噪です
闇市で売っていそうなラジオも鳴っています
妄想の畑でキノコ雲が夜に育ちます
妄想の畑でキノコ雲が夜に育ちます
私は深呼吸して湧き水を飲み干し
鳥の形をしていない鶏肉を炒めます
昆布の揺れる海鳴りに耳を澄まします
老詩人は昨日から日本海の島へわたり
自ら作った詩を朗読し
気分よく酩酊して布団に入り目を瞑りました
ある線路脇のビルの一室では
コンビニの蕎麦が食べられようとしています
コンビニの蕎麦が食べられようとしています
その間
世界は
蕎麦をすする音に置き換えられてしまうことも
知らないで
2013年4月19日金曜日
あなたの悩み
あなたを苦しめる
冷たいあの人は
あなたのそばから
いなくなることはない
あなたを悩ませる
いやらしいあのひとは
あなたの心から
立ち去ることはない
あなたが大すきな
愛しいあのひとは
さよならを
いつ切り出そうか
迷ってる
2013年4月18日木曜日
青空へ
自転車をこぐ音は
きみがやってくる音
背中から近づいて
すぐ脇を追い越していく
空から小鳥が
眺めていたって
教室の窓から見える
通学路の並木道
なんど通ったのだろう
きみのこと追いかけるように
窓から小鳥が
歌っていたって
この町の空の上
風とともに
季節は巡り
きみはここを出て行く
空から小鳥が
眺めていたって
小さい私たちの
大きな未来
仰ぎ見れば
涙の向こう
滲んで見えている
青空
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