その果物がなぜ美しいのか
ありふれた木の器や
織物が敷かれた古いテーブルや
窓から差し込む光が
なぜ美しいのか
私は彼女に尋ねてみたくなった
なぜ
美しいのだろう
それで私は
彼女に電話を掛けている
答えはきけるだろうか
彼女は出ない
彼女は大学に勤めている
学芸員の資格を持っている
何かきけるはずだ
だか
きけたのは
電話にでることができません
というアナウンスばかり
その繰り返し
答えは自分で考えなくてはならないのか
彼女もまた
なぜ
美しいのだろう
美術館に飾られた
一枚の静物画のように
2012年4月13日金曜日
2012年4月12日木曜日
身代わりにぼくが死んでも
身代わりにぼくが死んでも
あなたには分からない
ぼくはただ身代わりになって
ひとりで勝手に死ぬだけだから
この命は軽いから
世界のバランスは変わらない
一雨降れば
いつもと同じ空を見上げられる
ぼくは軽いものに憧れていた
みんながダイエットするように
ぼくは命を燃やしてしまおう
すっきりして気持ちいいだろう
だから身代わりにぼくが死んでも
ぼくは幸せなのだ
周りの人は
風に舞うぼくを
手のひらをかざして
受け止めようと戯れる
もう
日差しは夏の予感をのせて
汗ばむほどに強いのだ
あなたには分からない
ぼくはただ身代わりになって
ひとりで勝手に死ぬだけだから
この命は軽いから
世界のバランスは変わらない
一雨降れば
いつもと同じ空を見上げられる
ぼくは軽いものに憧れていた
みんながダイエットするように
ぼくは命を燃やしてしまおう
すっきりして気持ちいいだろう
だから身代わりにぼくが死んでも
ぼくは幸せなのだ
周りの人は
風に舞うぼくを
手のひらをかざして
受け止めようと戯れる
もう
日差しは夏の予感をのせて
汗ばむほどに強いのだ
2012年4月11日水曜日
知っている人
なにか必要な手続きを
忘れていたり
気づいていなかったりしている気がする
去年
生暖かい雨の夜に
私が踏んだ
あの花びらと
お別れする手続きもしていない
ほかにも
ある
たくさん
やらなかったことが
やらなかったことの影に
やったことは隠れてしまっている
私は
なにかやったことの
結果なのか
それとも
やらなかったことの結果なのか
誰に聞いたらいいのか
分からない
きょうの雨の雫にか
発射予定のミサイルにか
それとも
私自身が
答になろうとしているのか
この雨に
何を紛れさせていいのか
いけないのか
知っている人がいたら
教えて欲しい
知っている人のことを
知っている人がいたら
教えて欲しい
忘れていたり
気づいていなかったりしている気がする
去年
生暖かい雨の夜に
私が踏んだ
あの花びらと
お別れする手続きもしていない
ほかにも
ある
たくさん
やらなかったことが
やらなかったことの影に
やったことは隠れてしまっている
私は
なにかやったことの
結果なのか
それとも
やらなかったことの結果なのか
誰に聞いたらいいのか
分からない
きょうの雨の雫にか
発射予定のミサイルにか
それとも
私自身が
答になろうとしているのか
この雨に
何を紛れさせていいのか
いけないのか
知っている人がいたら
教えて欲しい
知っている人のことを
知っている人がいたら
教えて欲しい
2012年4月10日火曜日
私
何も持っていない
大きな空っぽが持ちきれなくて
何も感じない
体の範囲が広くなりすぎて
なにもしない
自然に動いてゆくから
期待はなくもないがありもしない
私は私であるがあなたとの境目はない
私は絶望しない
何かが溢れているから
いつも
変わっていっているから
あなたは
私のことが見えないだろう
それゆえ気に留めないだろう
そのとき
私はあなたの中にいて
あなたと共に呼吸しているから
大きな空っぽが持ちきれなくて
何も感じない
体の範囲が広くなりすぎて
なにもしない
自然に動いてゆくから
期待はなくもないがありもしない
私は私であるがあなたとの境目はない
私は絶望しない
何かが溢れているから
いつも
変わっていっているから
あなたは
私のことが見えないだろう
それゆえ気に留めないだろう
そのとき
私はあなたの中にいて
あなたと共に呼吸しているから
2012年4月9日月曜日
古ぼけた色彩の
僕は後ろを向いて謝りたいんだ
謝ることを許してもらえますか
あなたは先に行ってしまっているかもしれない
そこは もう もぬけの殻になっていて
ただ古ぼけた色彩の景色が占領しているだけかもしれない
だけど
たった今まで漕がれていたブランコが
まだ止まれずにうごいているのはなぜだろう
誰かが名残り惜しんで
思い出しているのだろうか
僕は後ろを向いて謝りたいんだ
謝ることを許してもらえますか
僕は繰り返し誰かに尋ねている
帰ることはしないで
この場所から
謝ることを許してもらえますか
あなたは先に行ってしまっているかもしれない
そこは もう もぬけの殻になっていて
ただ古ぼけた色彩の景色が占領しているだけかもしれない
だけど
たった今まで漕がれていたブランコが
まだ止まれずにうごいているのはなぜだろう
誰かが名残り惜しんで
思い出しているのだろうか
僕は後ろを向いて謝りたいんだ
謝ることを許してもらえますか
僕は繰り返し誰かに尋ねている
帰ることはしないで
この場所から
舗装された路を森が侵食してきて( し返してきて)、晴れているのに路面は湿っぽい。
左右は崖。木の向こうや道の彼方に青い海が時々見える。水の流れる音が重なってざわざわといっている。
人も通るが風や日差しや動物も通る。
灯台に行く路は舗装されていないが、自動車や自転車が日に数十台は行き来する。
路はその上を人に利用させ、車のタイヤに踏まれることが最も負担となっている。路は表面が破れれば、もとの森の一面を覗かせようとする。
いつかこの路を(または森と路とを)、よろめきながらも逞しく歩いて行く男の姿を見たことがある。服は破れて露出した膚は土にまみれて日に焼けて黒く、汗が滴っていた。彼は生命力にあふれていたが、まもなく力尽きてしまうのだろうか。気迫だけが彼を前進させているようだったが、行く手には広大な森があるばかり。人の住んでいる場所は逆方向にある。
左右は崖。木の向こうや道の彼方に青い海が時々見える。水の流れる音が重なってざわざわといっている。
人も通るが風や日差しや動物も通る。
灯台に行く路は舗装されていないが、自動車や自転車が日に数十台は行き来する。
路はその上を人に利用させ、車のタイヤに踏まれることが最も負担となっている。路は表面が破れれば、もとの森の一面を覗かせようとする。
いつかこの路を(または森と路とを)、よろめきながらも逞しく歩いて行く男の姿を見たことがある。服は破れて露出した膚は土にまみれて日に焼けて黒く、汗が滴っていた。彼は生命力にあふれていたが、まもなく力尽きてしまうのだろうか。気迫だけが彼を前進させているようだったが、行く手には広大な森があるばかり。人の住んでいる場所は逆方向にある。
2012年4月8日日曜日
藁ぶき屋根の家の窓枠
藁ぶき屋根の家の窓枠は
焼きをいれたブナの木
はめ込まれた硝子は
透明度が低く
月の光を乱反射して
室内に
光の溜まり場をつる
昼と夜とはどちらが静かなのだろう
ここにいると分からなくなる
道は
滅多に車を通さないし
人が行き交うことさえ珍しい
音を発するものは
どんなものなのだろう
涙を流すとは
どんなことなのだろう
質問する相手もいなくて
焼きをいれたブナの木
はめ込まれた硝子は
透明度が低く
月の光を乱反射して
室内に
光の溜まり場をつる
昼と夜とはどちらが静かなのだろう
ここにいると分からなくなる
道は
滅多に車を通さないし
人が行き交うことさえ珍しい
音を発するものは
どんなものなのだろう
涙を流すとは
どんなことなのだろう
質問する相手もいなくて
2012年4月7日土曜日
見送り
見送り
お見送りをしているね
何を見送っているんだい?
その人ではなく
自分にさよならしたんだね
さよなら
さよならしないほうが良かったと
思っているんだね
その気持ちとは
いつさよならするの?
しつこい
しつこい人は嫌われる
と
思っているんだね
いつまで思っていたら
気がすむの?
-意地悪な詩 シリーズ
お見送りをしているね
何を見送っているんだい?
その人ではなく
自分にさよならしたんだね
さよなら
さよならしないほうが良かったと
思っているんだね
その気持ちとは
いつさよならするの?
しつこい
しつこい人は嫌われる
と
思っているんだね
いつまで思っていたら
気がすむの?
-意地悪な詩 シリーズ
2012年4月6日金曜日
ささいな話
あなたを褒めたくて電話したのに
悪口を言ってしまった
会いたかったのに
電話だけでこと足りてしまった
いつも大好きだったのに
嫌いになってしまった
次に電話するとき
なにがどうなってしまうのだろう
そのことを別の人に相談したら
好きになってしまった
悪口を言ってしまった
会いたかったのに
電話だけでこと足りてしまった
いつも大好きだったのに
嫌いになってしまった
次に電話するとき
なにがどうなってしまうのだろう
そのことを別の人に相談したら
好きになってしまった
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