2011年5月18日水曜日

海に向かう電車で

海に向かう電車に乗っているのは誰ですか

はい、私ですけど

何をしにいくんですか

いえ、ちょっと、砂浜を歩きに

それだけですか

まあ、色々考え事をして

はい、

人と待ち合わせします

誰とですか

最近知り合った人とです

どんな関係ですか

いえ、ちょっと、仕事の関係・・

愛しているんですか

・・・・・・

恋人にしたいんでしょ

なに言ってるんですか、そんな

もうキスはしたんでしょ

いいえ、なんで・・?

もういいです、はっきりしない人だ

はい。

そこははっきりしてるんだ

・・・・・・・

2011年5月17日火曜日

setsunaの前奏曲

あなたはわたしと
遊ぶだけ
刹那の哀しみを
見にゆくために

あなたは
わたしといても
幸せになれない
積み重ねることはできても
それはいつか踏み台になるだけ

とび箱の前で
息を整える暇もなく
まっしぐらに
挑んでいったけど
とんだ後の世界は向こう側
別の人が
待っている

あなたは
初めから気づいていたでしょう

わたしと見る
一風変わった
ドラマチックな景色は
あなたが幸せになるための
前奏曲
わたしにとっては
クライマックスであることを

出会った時
砂浜で
波は大きく波打ち白い泡を巻いて
反対した

2011年5月16日月曜日

深夜の手紙

「愛する人へ」

これは最後の機会かもしれません
あなたとわたしの間には
埋めることのできない距離が存在します
時々その距離が縮んでなくなるものだから
勘違いしてしまいますが
やはり向こう岸が見えないほどの距離が存在するのです

最後の機会だと偉そうに言うのは
とても
おこがましいことでしょう
わたしはえらいにんげんではありません
誤魔化しの多いくだらない人間です
親にさえそう言われてきました

だからあなたは多分錯覚して
わたしを見ているのです

わたしは
あなたの前から去らなければならないと思いつつ
決意ができずに今まで来てしまいました
なにか残せるものとか
手渡せる財産が欲しかったのです
しかしそれは無理な相談でした
わたしはわたしに
無理だと
やっと
告げたのです

わたしはきょう
自分の無力さを知りました
どうでもいいような存在だと思いました
これは
わたしが目指す私の将来像と
正反対のものです

ここからどれだけ
努力したら
いいのでしょう

こんなことを書いているようでは
永遠に
無理だと言えるのではないでしょうか

そこで
わたしは
あなたへの被害を食い止めるため
ここで
あなたの目の前から去ることにしました

たぶん
そういうことになります
優柔不断な自分ですから
信用することはできませんが

そういうわけで
その決意をここに記し
その証にしようとしているのです

こんなくだらない証が
この世にあっていいものなのでしょうか

ながなが書きましたが
そういうことです

寝て
目覚めたら
わたしは
あなたのことを忘れるために
生きていきます

神様
よろしくおねがいします

2011年5月15日日曜日

仕方がないこと

お金持ちが
お金をもっと儲けたくて
そのための仕組みを作る

悪いことではない
仕方がないことだ

権力者が
権力を保持し続けるため
弱いものから奪い
強い者のスキをうかがう

悪いことではない
仕方がないことだ

人間が生きてゆくため
他の命から搾取し
身内の生活を保護する

悪いことではない
仕方がないことだ

嘘つきが嘘をつき続けるため
嘘に合わせて現実を作り変え
真実は忘れようとする

悪いことではない
仕方がないことだ

気取った人が
いい人になりたくて
不器用な悪人を非難する

悪いことではない
仕方がないことだ

お笑いタレントが
笑いを取るたろに
空気をつかめない人をコケにする

悪いことではない
仕方がないことだ

以上の中から
良いと思うものを選び
その理由を140文字以内で述べよ
最も良いという答えの多かったものを
正解とし
その中から任意に選んだ答えを
Twitterで公開し
人気投票によって
トップになった方を
みんなのお笑いショーにご招待し
素晴らしい賞品を差し上げます

未来の鳥を

あなたと歩いた砂浜を
足の裏が憶えていて
恋しがる

テーブルを挟んで
見あげた空が
まだ あのときのまま
残っている

未来がないように思えたのは
過去があまりにも誘いかけたから

あなたはアイシテルと私に行ったけれど
もうそのことは忘れて
未来の予定ばかりを気にしている

その未来の空には
変わった風貌の鳥が飛んでいる
大きくて愛嬌のある鳥だ
あなたはそれを
つかまえて! 
と叫ぶのだが・・・

2011年5月14日土曜日

slow

階段を12段昇って
12段降りて

あなたの周りを
18回まわって

鍵盤の黒いところだけで
ピアノを弾いて

何度もメールを書いては
下書きに保存した

敗れたシャツで靴を磨き
ホテルに行ってはあなたを置いて帰った

空を見上げて風を心地よく受け
雨に降られるたびに安い傘が増えた

階段を12段昇ってドアを開け
あなたの唇に初めてキスした

消えている

あなたのことを
見失っている間に
私の住む街が
消えてしまった

住民もろとも
居なくなってしまった
それなのに
騒ぐ人は
誰もいなかった

ニュースにもなっていない
ネットで検索しても
出てこない

オロオロしていると
見る間に
あなたがどこにいるのか
という思いが
消えていくことに気がついた

きのうのメールの返事もこないまま
出したことさえあやふやになってゆく

ブログに書き綴った詩のサムネイルだけが
木片のように流れ着く

やっとの思いで
ブログの端っこに貼り付けた
終わりの方は
失くなっている


、、、

私は古い家 建物なので あなたのところへゆくことはかなわい ただ思いをこめて念じるだけだ 私の隣には古い寺があり 今時はツツジの香りが立ち込めている 掃き清められた庭は どこから見ても美しい ツツジの香りの良さを あなたに届けたい そう願って私は念じる あなたがやってくるように ところで 私には 一人の男が住んでいる 私を手入れし磨き上げているうちに 若い一人の娘が やってくるようになり すぐに男と結ばれ...


解説

これより先の部分は見当たりません。きのうコピーした方がいらっしゃれば、データをご提供くださると助かります。
Googleのブログサービスは、一応今しがた復旧したようですが、多くの下書きデータと、昨日以降の投稿とコメントは、見つかりません。

2011年5月12日木曜日

ろくろっくびはいいやつだ

ろくろっくびだよ
ろくろっくび
またまたやったきたよ
ひさしぶりだよ
なつかしいかぎりだよ
またきたよ
よばれなくても
こちらから
きたくてきたよ
ろくろっくび
りずむにのって
かぜにのって
らいばるけおとして
やってきましたろくろっくび
なんかいいかんじだよ
にゅーすにもでそうだよ
にんきものだよ
ろくろっくび
ぶらさがったよ
のびちじみしたよ
くるくるまいたよ
でんちゅうも
もんちゅうも
もちゅうも
きんしんちゅうも
ちゅーしてるさいちゅーも
かまわずまいたよ
ろくろっくび
ぐるぐるしたよ
めがまわったよ
なみだでしーつもぬらしたよ
ろくろっくびは
いいやつさ
あいどるよりも
にんきもの
ろくろっくびは
へのかっぱ
やることなすこと
おおあたり
ぜんもんせいかい
ごじゅうまる
ろくろっくびさ
ろくろっくび

ろくろっくびだよ
ろくろっくびだよ
いせいがいいよ
けいきづけだよ
どんどんまいて
どんどんまかれ
かってもまかれ
まけてもまかれ
くびったけだよ
ろくろっくび
いちにのさんで
ろくろっくび
くびがながいさ
ろくろっくび

またいつか
やってくるね
およびでなくても
こちらから
ではまたあおう
ろくろっくびは
いいやつだ

2011年5月11日水曜日

月屋の日誌より

照明が消えてしまったので
月を5つほど貸していただけませんか
そう言って
木戸を静かに開けて彼女は入ってきた

ちょうどいい月が
入荷したばかりだったので
私は迷わず
いい月があります
電球色のもので
やや黄色い感じです
表示してあるのはひと月分の値段です
と説明した

彼女は
安心した様子で
商品を手に取ると
昼光色のものも一つ貸していただけますかと言った
そして
鈴のついた横長の札入れから
きれいなお札を出して代金を払いつり銭を受け取った

私は
ありがとうございます 
どうもありがとうございます
と丁寧に言って
彼女の後ろ姿を見送った
彼女は小峰ににているが
小峰ではないな
と思った

2011年5月10日火曜日

父が生きていた頃のこと

浜辺に打ち上げられたウミホウズキが
月の光を浴びて
体を乾かしている

見知らぬ浜辺だ
と言っている

歌にして聴かせてくれた
打ち上げられるまでの顛末

まだ父が生きていた頃のこと