青い空を背景にして
あなたをあおりぎみに撮る
視線を移す度に
波打つ胸
声を発するたびに
波紋が広がり
夕暮れが早まる
ピンチョスをつまむ指
石畳を過ぎる靴音
コットンの開かれたえりから
こぼれてくる香り
生白い稜線
独りで居るのが怖かった時代
不安の列が連なって
見られているふたり
背景にアザミ
アザを見るという名前の
暗い花
2011年4月13日水曜日
2011年4月12日火曜日
二人のあいだに
ティールームのテーブルの上に
あなたはアップルパイのような夢をのせて
銀のナイフとフォークで切り裂いた
わたしはそれを
対面から見ていて
自分のフォークでパイを突き刺し
むしゃむしゃと食べた
窓の外では
花びらが散り始めた桜の木が
立っている
あなたは
願いごとのような砂糖を
スプーンにのせてカップに落とし
グルグルかき混ぜた
わたしはそれを
伏し目がちに眺め
二度咳払いをした
テーブルクロスの荒野が
日差しを受けて眩しく輝き
二人のあいだにあった
あなたはアップルパイのような夢をのせて
銀のナイフとフォークで切り裂いた
わたしはそれを
対面から見ていて
自分のフォークでパイを突き刺し
むしゃむしゃと食べた
窓の外では
花びらが散り始めた桜の木が
立っている
あなたは
願いごとのような砂糖を
スプーンにのせてカップに落とし
グルグルかき混ぜた
わたしはそれを
伏し目がちに眺め
二度咳払いをした
テーブルクロスの荒野が
日差しを受けて眩しく輝き
二人のあいだにあった
2011年4月11日月曜日
ただ、走ってゆけ
今までが明るすぎたんだ
わけもなく騒ぎすぎたんだ
強迫観念に襲われて
ムラ社会の怖さとありがたさを背中に感じて
バブルの時代を通り過ぎ
いろんな「ショック」を乗り越えて
明るく騒ぎ立てただけだったんだ
日常をドラマ化し
人生をマニュアル化し
不安を追いやり
あまり考えず
思想家を追い出し
明るくおしゃれに可愛く生きる
そのことが粋でかっこいいとはやし立てて
根暗はださく
オタクはゆるせることにして
クールジャパンと商標を立て
何だってやり過ごしてきたんだ
わかりにくいものは切り捨て
マイナーはマスが保護するんだということにして
長いものにはこっそり巻かれて
キャッチコピーのような早い話が大好きということにして
みんなでやってきたんだ
その明るさが
どんな明るさだったのか
みんな知っていたことに
気づかないことが
約束だった
気づかないように
表現者を骨抜きにして扱い
ヤバイものには触れないようにしたんだ
ヤバイという言葉さえ骨抜きにして
怖いものを覆い隠してしまった
暗い街に灯る灯りのような笑顔が
町を歩いてゆく
未来を無造作に抱えた子どもたちは
親の手を解いて
ただ走りたくて走ってゆく
わけもなく騒ぎすぎたんだ
強迫観念に襲われて
ムラ社会の怖さとありがたさを背中に感じて
バブルの時代を通り過ぎ
いろんな「ショック」を乗り越えて
明るく騒ぎ立てただけだったんだ
日常をドラマ化し
人生をマニュアル化し
不安を追いやり
あまり考えず
思想家を追い出し
明るくおしゃれに可愛く生きる
そのことが粋でかっこいいとはやし立てて
根暗はださく
オタクはゆるせることにして
クールジャパンと商標を立て
何だってやり過ごしてきたんだ
わかりにくいものは切り捨て
マイナーはマスが保護するんだということにして
長いものにはこっそり巻かれて
キャッチコピーのような早い話が大好きということにして
みんなでやってきたんだ
その明るさが
どんな明るさだったのか
みんな知っていたことに
気づかないことが
約束だった
気づかないように
表現者を骨抜きにして扱い
ヤバイものには触れないようにしたんだ
ヤバイという言葉さえ骨抜きにして
怖いものを覆い隠してしまった
暗い街に灯る灯りのような笑顔が
町を歩いてゆく
未来を無造作に抱えた子どもたちは
親の手を解いて
ただ走りたくて走ってゆく
2011年4月10日日曜日
6次元にて
美味しいアイスコーヒーを
ありがとう
自然な笑顔が素敵です
本をかき分けて
カウンターの席で
アイスコーヒーを飲んだ
みんなが持ち込んだ
本を販売して
地震の被災者に全額を送る
色紙の看板は
谷川俊太郎さんの筆文字
売り上げを入れる募金箱は
谷川さんが持ってきた古い革のバッグ
ひょっとしたら谷川徹三さんのものかもしれないという
谷川夢佳さんは毎週のように
おじいちゃんの家から本を持ってきて
手伝っているそうだ
その様子が目に浮かぶと
自分も頑張らなければと思う
穂村弘さんは昨日きて
一箱置いて行った
その箱は出されたアイスコーヒーの隣に置かれていて
わたしに語りかけた
わたしはその中から本を買い
募金箱のバッグにいれた
混み合ってきたので
店をでることにした
外に出ると
中が恋しくなった
こんなことは
久しぶりだ
ありがとう
6次元
ありがとう
自然な笑顔が素敵です
本をかき分けて
カウンターの席で
アイスコーヒーを飲んだ
みんなが持ち込んだ
本を販売して
地震の被災者に全額を送る
色紙の看板は
谷川俊太郎さんの筆文字
売り上げを入れる募金箱は
谷川さんが持ってきた古い革のバッグ
ひょっとしたら谷川徹三さんのものかもしれないという
谷川夢佳さんは毎週のように
おじいちゃんの家から本を持ってきて
手伝っているそうだ
その様子が目に浮かぶと
自分も頑張らなければと思う
穂村弘さんは昨日きて
一箱置いて行った
その箱は出されたアイスコーヒーの隣に置かれていて
わたしに語りかけた
わたしはその中から本を買い
募金箱のバッグにいれた
混み合ってきたので
店をでることにした
外に出ると
中が恋しくなった
こんなことは
久しぶりだ
ありがとう
6次元
2011年4月9日土曜日
居場所
黄色い花が咲いた
去年と同じ
いつもの道端に
風が
揺すり
花は今にも折れそう
だが
そこは
花の居場所
その花が
咲くための
その花が
香り
命を継ぐための
わたしの
居場所は何処?
あなたは知っている?
去年と同じ
いつもの道端に
風が
揺すり
花は今にも折れそう
だが
そこは
花の居場所
その花が
咲くための
その花が
香り
命を継ぐための
わたしの
居場所は何処?
あなたは知っている?
2011年4月8日金曜日
わたしのきつね
寝ずの番
あの
きつねが
どこかに
いってしまった
トンネルの中で
立ち往生した
電車を見に行ったのか
きつねさん
コン と鳴いて
戻ってきてよ
座布団を用意しておくから
耳をすましても
声は聞こえない
耳をブーメランのように
飛ばして探してみようか
コン
いまのはきつね?
いいえ
隣の家の誰かの咳の音
あの
きつねが
どこかに
いってしまった
トンネルの中で
立ち往生した
電車を見に行ったのか
きつねさん
コン と鳴いて
戻ってきてよ
座布団を用意しておくから
耳をすましても
声は聞こえない
耳をブーメランのように
飛ばして探してみようか
コン
いまのはきつね?
いいえ
隣の家の誰かの咳の音
2011年4月7日木曜日
きえさる
わたしはいなくてもいいひと
いないほうがいいひと
ひつようとしてくれているひともいるが
きらっているひともいる
かみさまにいかされているが
また
かみさまにみすてられてもいる
いきているめんどうが
つみかさなる
とうひしたいおもいが
ながれこんできて
こきゅうができなくなる
きべんのきりくちから
ちがながれて
とまらない
みつめることはできるが
うごくことはできない
とおくのみかづきが
だぶってみえる
わたしのめでは
もうくっきりとみられない
おもいでがあふれて
こぼれだす
へやのゆかが
つかいものにならなくなる
いきていきたいひとが
しにたいひとをひはんする
ひはんにあたいする
とおもう
はるのくうきは
あたたかくて
にんげんのあたまをひやせない
まんかいのさくらとともに
ちるのだけは
さけたいものだ
せめて
つきのでていないよるに
できれば
まちのくらがりで
いっしゅんのひかりをはなち
きえさりたいもの
いないほうがいいひと
ひつようとしてくれているひともいるが
きらっているひともいる
かみさまにいかされているが
また
かみさまにみすてられてもいる
いきているめんどうが
つみかさなる
とうひしたいおもいが
ながれこんできて
こきゅうができなくなる
きべんのきりくちから
ちがながれて
とまらない
みつめることはできるが
うごくことはできない
とおくのみかづきが
だぶってみえる
わたしのめでは
もうくっきりとみられない
おもいでがあふれて
こぼれだす
へやのゆかが
つかいものにならなくなる
いきていきたいひとが
しにたいひとをひはんする
ひはんにあたいする
とおもう
はるのくうきは
あたたかくて
にんげんのあたまをひやせない
まんかいのさくらとともに
ちるのだけは
さけたいものだ
せめて
つきのでていないよるに
できれば
まちのくらがりで
いっしゅんのひかりをはなち
きえさりたいもの
2011年4月6日水曜日
質問するよりも
どこの誰に
質問したらいいのか
さっきから考えている
校庭のテニスコートの金網のもっと向こうにある
鉄の柱が
気になる
一部を黄色く塗装された仮設の柱
しかし
その鉄の柱は
答えてくれないだろう
☆
いつのまにか風に流されてきた雲が
マントを着た旅人のように思える
(青空を見るには少し眩しい
露出を絞りこまなければ)
その旅人に訊くのは違うだろう
旅人は盗賊のように去っていく
質問する相手を思い描いては
否定する
そのことを繰り返している
校庭では
サッカー部が大きく陣取って
サッカーボールを回している
息を切らしている奴をみていたら
自分の呼吸も引っ張られて苦しくなる
☆
通り雨
ぬるい雨
シャツが濡れて肌に張り付いたが
もう乾いてきた
文通相手に手紙を出して質問してみたらどうか
一瞬頭をよぎったが
そんな高度な手紙が書けるはずがない
それに迷惑だろう
☆
いったい誰が
質問を受け止めてくれるだろう
ネットの占い師?
マクドで
iPhoneで
詩の日記を書く
プレミアムアイスコーヒーを飲む
週末の約束が
ケータイに届く
こんな人間でも
会ってくれる人がいる
(街とは便利なものだ
人を酔わせることができる)
☆
自分は何を質問したいのだろう
それは
大事なことではないように
思えてくる
☆
放射能物質が風に乗って
飛んでくる
旅人の頭上を追い越し
雨にまぎれて
柱の黄色のところで
ちょっとたじろいだけれど
プレミアムアイスコーヒーのところまでくると
ジャンプして飛び込み
カップの中で溶けた
質問を
確かに受け止めた
質問したらいいのか
さっきから考えている
校庭のテニスコートの金網のもっと向こうにある
鉄の柱が
気になる
一部を黄色く塗装された仮設の柱
しかし
その鉄の柱は
答えてくれないだろう
☆
いつのまにか風に流されてきた雲が
マントを着た旅人のように思える
(青空を見るには少し眩しい
露出を絞りこまなければ)
その旅人に訊くのは違うだろう
旅人は盗賊のように去っていく
質問する相手を思い描いては
否定する
そのことを繰り返している
校庭では
サッカー部が大きく陣取って
サッカーボールを回している
息を切らしている奴をみていたら
自分の呼吸も引っ張られて苦しくなる
☆
通り雨
ぬるい雨
シャツが濡れて肌に張り付いたが
もう乾いてきた
文通相手に手紙を出して質問してみたらどうか
一瞬頭をよぎったが
そんな高度な手紙が書けるはずがない
それに迷惑だろう
☆
いったい誰が
質問を受け止めてくれるだろう
ネットの占い師?
マクドで
iPhoneで
詩の日記を書く
プレミアムアイスコーヒーを飲む
週末の約束が
ケータイに届く
こんな人間でも
会ってくれる人がいる
(街とは便利なものだ
人を酔わせることができる)
☆
自分は何を質問したいのだろう
それは
大事なことではないように
思えてくる
☆
放射能物質が風に乗って
飛んでくる
旅人の頭上を追い越し
雨にまぎれて
柱の黄色のところで
ちょっとたじろいだけれど
プレミアムアイスコーヒーのところまでくると
ジャンプして飛び込み
カップの中で溶けた
質問を
確かに受け止めた
2011年4月5日火曜日
最高指令
原発の必要性を訴えるために
この際
計画停電を効果的にやらなければならない。
産業も病人も生かさず殺さずが方針だ。
多少の犠牲は出てもいい。
悲痛な面持ちでお詫びすればいい。
消費者心理を掴み
ニュースをコントロールして
エキセントリックな人々も利用して
悲劇を演出し
カッコつけたがりの権力者をうまく使いこなし
我々の組織を守らなければならない。
今までそうしてきたように。
我々の必要性を認識させ、
成長しなければ苦労の意味がない。
我々は産業界のエリートだ。
かつて銀行を国民の負担で救ったように
我々も救われるべきだ。
責任をとってやめなければならない者たちは
決して見捨てることはしないから
ここをうまく乗り切って
次のステージで好き好きやってくれ。
具体的には
秘密組織を発足したので情報を集約し
戦略を立て指示をくだす。
事故の影響が幅広いので
撹乱に使う情報と
ヤバイ情報の出し方が勝負だ。
さあ
取りかかれ。
これが最初の作戦だ。
---そうして
いつものように
資料が配られる
この際
計画停電を効果的にやらなければならない。
産業も病人も生かさず殺さずが方針だ。
多少の犠牲は出てもいい。
悲痛な面持ちでお詫びすればいい。
消費者心理を掴み
ニュースをコントロールして
エキセントリックな人々も利用して
悲劇を演出し
カッコつけたがりの権力者をうまく使いこなし
我々の組織を守らなければならない。
今までそうしてきたように。
我々の必要性を認識させ、
成長しなければ苦労の意味がない。
我々は産業界のエリートだ。
かつて銀行を国民の負担で救ったように
我々も救われるべきだ。
責任をとってやめなければならない者たちは
決して見捨てることはしないから
ここをうまく乗り切って
次のステージで好き好きやってくれ。
具体的には
秘密組織を発足したので情報を集約し
戦略を立て指示をくだす。
事故の影響が幅広いので
撹乱に使う情報と
ヤバイ情報の出し方が勝負だ。
さあ
取りかかれ。
これが最初の作戦だ。
---そうして
いつものように
資料が配られる
2011年4月4日月曜日
あなたのほう
待ち合わせの約束をしたまま
忘れてしまった日
取り返しのつかないことばかりが
思い出される
涙が枯れ果てた夕日のベランダで
傷ついたのは自分ではないことに気づいた
待ち合わせをしたまま
忘れられたのは私のほう
そのことを覚えていたのは
あなたのほうだった
忘れてしまった日
取り返しのつかないことばかりが
思い出される
涙が枯れ果てた夕日のベランダで
傷ついたのは自分ではないことに気づいた
待ち合わせをしたまま
忘れられたのは私のほう
そのことを覚えていたのは
あなたのほうだった
登録:
コメント (Atom)