ひろいねこびとが
すてられねこをひろったが
ねこはひろわれてすぐ
またすてられた
すてられねこを
ひろいねこびとが
またひろったが
すぐにまた
すてねこした
だがまたすぐに
すてねこされたねこは
すてられねことして
ひろいねこびとにひろわれて
ひろわれねことなった
ひろいねこびとは
すてられねこをこよなくあいしていたが
すぐにすてねこして
すてられねこのきもちもわからなかったので
あいするひとには
ついにあいされなかった
2014年2月21日金曜日
2014年2月20日木曜日
たけやぶに はいるべからず
「この たけやぶに
はいるべからず」
たけやぶの
いりぐちにたてられているかんばんに
かいてあった
あのたけやぶにはいったことは
なかった
だが いまになって
たけやぶのなかから わたしを
さそいいれようとするものがある
たけやぶのなかに
いったい なにがあるというのだろう
はいったことがあるひとは
いないのだろうか
いたら きいてみたいものだ
あの
たけやぶのなかになにがあるのかを
そうしているうちに
ひがくれて
ゆうやみがわたしをつつんでいた
「わたしのなかに
はいるべからず」
かんばんをたてて
わたしは
わたしをぬけだして
たけやぶのおくへ
あるいていくことにしよう
はいるべからず」
いりぐちにたてられているかんばんに
かいてあった
なかった
たけやぶのなかから わたしを
さそいいれようとするものがある
いったい なにがあるというのだろう
はいったことがあるひとは
いないのだろうか
あの
たけやぶのなかになにがあるのかを
ひがくれて
ゆうやみがわたしをつつんでいた
はいるべからず」
わたしは
わたしをぬけだして
たけやぶのおくへ
あるいていくことにしよう
2014年2月19日水曜日
春の雨に濡れたい
母が
足が痛いといいながら
寒いキッチンで
麻婆春雨を作っている
私はそれを覗き込む
いつもは〈中辛〉らしいのだが
きょうは〈甘口〉だ
私が子供のころ
辛いものが食べられなかったせいだろうか
今は母も私も
辛いものが大好きなのに
出来上がった麻婆春雨が
私の前に盛られ
母は横から
箸でつついてくる
なんとなく
ぎこちない
春がきて
あたたかい春雨に濡れて
家まで駆けて帰った
遠くて近い
あの日々
*みちるです。あなたの母の思い出はなんですか。私はきょう起こったことを、思い出を見つめるような視線でみちゃいます。
足が痛いといいながら
寒いキッチンで
麻婆春雨を作っている
私はそれを覗き込む
いつもは〈中辛〉らしいのだが
きょうは〈甘口〉だ
私が子供のころ
辛いものが食べられなかったせいだろうか
今は母も私も
辛いものが大好きなのに
出来上がった麻婆春雨が
私の前に盛られ
母は横から
箸でつついてくる
なんとなく
ぎこちない
春がきて
あたたかい春雨に濡れて
家まで駆けて帰った
遠くて近い
あの日々
*みちるです。あなたの母の思い出はなんですか。私はきょう起こったことを、思い出を見つめるような視線でみちゃいます。
2014年2月18日火曜日
くるみのきのしたに
くるみのきのしたに
きれいなびんを
うめました
それは
ゆめみていた
あのころ
ゆめやぶれる
よかんがおとずれた
つきのよる
くるみのきのしたを
ほりかえしては
いけません
そこには
なにもなかったと
わかるから
うめたときのきもちを
かきかえて
しまうから
*くるみの木の下は心地よい。暑い夏には涼しい日陰を、寒い冬には冷えた心を「くるみ」、あたためてくれるから。はい、こじつけですみません。みちる
きれいなびんを
うめました
それは
ゆめみていた
あのころ
ゆめやぶれる
よかんがおとずれた
つきのよる
ほりかえしては
いけません
そこには
なにもなかったと
わかるから
うめたときのきもちを
かきかえて
しまうから
*くるみの木の下は心地よい。暑い夏には涼しい日陰を、寒い冬には冷えた心を「くるみ」、あたためてくれるから。はい、こじつけですみません。みちる
2014年2月17日月曜日
すきとおるころもをまとって
よごれてしまったものを
おおいかくそうとして
ゆきがふっている
いつまでも
ゆきがゆきをつれてくるので
きりがなく
ふりつもっていく
だが
よごれてしまったものを
おおいかくそうとしているのは
ほんとうは
ひとのおもい
ゆきは
なにも
かんがえていないから
ただその
じゅんぱくのうつくしさで
けがれのないつめたさで
ちじょうにあるものを
おおいかくし
しずめていく
まちもしにたえたえのようだ
あたらしいいのちがはじまる
よかんをふうじられて
いつか
あおぞらから
そそがれる
たいようのひかりにほだされて
みれんをみずにながして
きえていくゆき
そのしたで
たえしのんでいたいのちたちは
ふたたび
うごきはじえる
ゆきからもらった
すきとおったころもを
まとって
*みちるです。雪に襲われて身動きができない人、どんなにか不安なことでしょう。助けたいと願う人はたくさんいても、実際に手をさしのべられる人は僅か。時の権力者の多くは自らの保身があいかわらずの一大関心事。人の命も最優先にはならない。市民・住民は為政者の悪行にいつも責任を取らされる。雪は神様からの「問い」のように降ってきます。その「問い」を受けとった人は、きっといつのまにか「すきとおったころも」をまっとている。このころもは、いいころもだよ!
おおいかくそうとして
ゆきがふっている
ゆきがゆきをつれてくるので
きりがなく
ふりつもっていく
よごれてしまったものを
おおいかくそうとしているのは
ほんとうは
ひとのおもい
なにも
かんがえていないから
じゅんぱくのうつくしさで
けがれのないつめたさで
ちじょうにあるものを
おおいかくし
しずめていく
あたらしいいのちがはじまる
よかんをふうじられて
あおぞらから
そそがれる
たいようのひかりにほだされて
みれんをみずにながして
きえていくゆき
たえしのんでいたいのちたちは
ふたたび
うごきはじえる
すきとおったころもを
まとって
*みちるです。雪に襲われて身動きができない人、どんなにか不安なことでしょう。助けたいと願う人はたくさんいても、実際に手をさしのべられる人は僅か。時の権力者の多くは自らの保身があいかわらずの一大関心事。人の命も最優先にはならない。市民・住民は為政者の悪行にいつも責任を取らされる。雪は神様からの「問い」のように降ってきます。その「問い」を受けとった人は、きっといつのまにか「すきとおったころも」をまっとている。このころもは、いいころもだよ!
2014年2月16日日曜日
全員集合
1
雪降る夜に
餅食った
餅つきの昼
雪降った
それでおいらは
こんがらがって
餅つきせずに
雪食った
2
ファミレスすきさ
ファミリーレスさ
ひとりぼっちは
さびしくないさ
かってきままに
ファミレス暮らし
ひとりじめだよ
全員集合
*我が国の都会にはファミレスが少ない。ファミレスは孤独な人のパラダイスである。
狂った世の中を見詰められる深夜のラジオのようである。みちる
*我が国の都会にはファミレスが少ない。ファミレスは孤独な人のパラダイスである。
狂った世の中を見詰められる深夜のラジオのようである。みちる
2014年2月15日土曜日
くのいちのせいかつ
くのいちは
くくをいう
くくがいえない
くのいちは
はいくをひねる
はいくをひねる
くのいちが
はいているのは
くろいくつ
くのいちは
くつをはいて
はいくをひねり
はいきんぐ
はいくをひねらぬ
くのいちは
くくをいいつつ
くつしたにあな
たびははかぬ
たびはみちづれ
ここんとうざい
くのいちは
つきをめでつつ
つつがなく
つりにきのぼり
つつましきかな
つつましきかな
くくをいう
くくがいえない
くのいちは
はいくをひねる
はいくをひねる
くのいちが
はいているのは
くろいくつ
くのいちは
くつをはいて
はいくをひねり
はいきんぐ
はいくをひねらぬ
くのいちは
くくをいいつつ
くつしたにあな
たびははかぬ
たびはみちづれ
ここんとうざい
くのいちは
つきをめでつつ
つつがなく
つりにきのぼり
つつましきかな
つつましきかな
2014年2月14日金曜日
チョコレートのカード
下駄箱の中の
チョコレートは
どこからやって来たの?
海の道を歩きながら
カモメにきいてみようとしたが
あいにく
カモメはいなかった
しかたなく
家に帰って
サッシをあけて雲にきいてみようとしたが
知り合いの雲はいなかった
それで それならばと
えりかに電話してきいてみようとしたが
えりかの電話は
つながらなかった
チョコレートは何も語らないので
神妙に箱を開けてみようとすると
かすかな甘い香りが鼻に入ってきて
チョコレートの木の映像が見えてきた
そのチョコレートの木の横に
女の子が立って水をやっている
眩しい日の光を背にその子が振り向くと
それは知ってる女の子だった
その子からのカードのメッセージが
チョコレートの下に
埋めてあった
チョコレートは
どこからやって来たの?
カモメにきいてみようとしたが
あいにく
カモメはいなかった
家に帰って
サッシをあけて雲にきいてみようとしたが
知り合いの雲はいなかった
えりかに電話してきいてみようとしたが
えりかの電話は
つながらなかった
神妙に箱を開けてみようとすると
かすかな甘い香りが鼻に入ってきて
チョコレートの木の映像が見えてきた
女の子が立って水をやっている
眩しい日の光を背にその子が振り向くと
それは知ってる女の子だった
チョコレートの下に
埋めてあった
*みちるです。バレンタインデーで初めてチョコレートをもらった男の子は、うまくその思いを受け止めて、返す事ができるでしょうか。きっと、とても難しい人生の試練なのではと、おもうんです。
2014年2月13日木曜日
君にVサインを
小さな船で漕ぎだせは
カモメもママもついてこれない
夕凪の海の彼方から
星が昇るよ
そのきらめきは
いつか君が見せてくれたもの
なつかしい
星降る音が
聴こえてくる
つじつま合わせの
人生とはさよなら
考える前に
思いのまま
やりたいことを
やる
思いのまま
やった
何も言わずに
君に
Vサインを送ろう
*みちるです。なんでも「じょうず」なことは役にたつのかな。でも「言い訳じょうず」にはなりたくない。すなおに自信をもって(ひらきなおるくらいで)やっていけたら、理想です。他人への言い訳も、自分への言い訳も、たまには必要だけど、癖にならないようにしなくちゃ。
2014年2月12日水曜日
ねえちゃん
ねえちゃん
マスクをずっとしてる
たまに咳して
鼻をジュルジュル
でも風邪引いてないって
みんなに言ってる
ねえちゃん
仕事が忙しい
張り切ってやってる
ねえちゃん
ぼくは知ってるんだ
恋人と別れて
父さんみたいな男の人に
やさしくされて
いやされてる
ねえちゃん
たまに黙り込んで
なにか考えてるけど
考えるのにあきたら
きっと
また
新しい恋人作って
ずる休みして
お気に入りの服をきて
海や森に
出かけてく
ねえちゃんが
楽しくしてるとこ
ぼくは
すき
なぜか
ちょっとだけ
さびしいけど
マスクをずっとしてる
たまに咳して
鼻をジュルジュル
でも風邪引いてないって
みんなに言ってる
ねえちゃん
仕事が忙しい
張り切ってやってる
ねえちゃん
ぼくは知ってるんだ
恋人と別れて
父さんみたいな男の人に
やさしくされて
いやされてる
ねえちゃん
たまに黙り込んで
なにか考えてるけど
考えるのにあきたら
きっと
また
新しい恋人作って
ずる休みして
お気に入りの服をきて
海や森に
出かけてく
ねえちゃんが
楽しくしてるとこ
ぼくは
すき
なぜか
ちょっとだけ
さびしいけど
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