思い出の宝箱を開けるだけでも
あなたと豊かな時間を過ごせるけれど
きょうは新しい場所に行きましょう
箱には入りきらないほどの思い出をまたつくろう
☻
栞が挟んであったページに書かれていた
あなたのこと
ありふれた描写の暗号を解読するには
時間の鍵が必要だと
あの時気づいたのだった
書いた自分にも分からなかったその謎が
ぼんやり立ち現れそうになるが
怖くて表紙をパタリと閉じた
2013年10月3日木曜日
2013年10月2日水曜日
小さなお城
小さな自分のお城を造る
造って門を閉める
小さな自分が住む
小さなお城
ややこしい決まりをいっぱい作り
自らやぶる
好きな人ばかりを招き入れ
世辞を言わせて楽しむ
小さなお城は
古びていって
夕日に染まるお城は燃えはじめ
朝日を背にした姿は炭を隠し
落城の日は
落ち延びようか切腹しようか
それとも別の城に逃げ込もうか
迷っている
造って門を閉める
小さな自分が住む
小さなお城
ややこしい決まりをいっぱい作り
自らやぶる
好きな人ばかりを招き入れ
世辞を言わせて楽しむ
小さなお城は
古びていって
夕日に染まるお城は燃えはじめ
朝日を背にした姿は炭を隠し
落城の日は
落ち延びようか切腹しようか
それとも別の城に逃げ込もうか
迷っている
2013年10月1日火曜日
夜風の小径の垣根
夜風 夜風
よるのかぜ
お前はたぶん
ただひとりの
友だちだ
小径 小径
頼りない細道
私を抱きしめてくれる
その草の香りの
ふところ
垣根 垣根
昔からある垣根
浮いた言葉はじいて
透き通った
光を映すのか
よるのかぜ
お前はたぶん
ただひとりの
友だちだ
小径 小径
頼りない細道
私を抱きしめてくれる
その草の香りの
ふところ
垣根 垣根
昔からある垣根
浮いた言葉はじいて
透き通った
光を映すのか
2013年9月30日月曜日
世界の混沌
核分裂が起こり始めたんでしょう
警報の種類が変わったわ
灰色の雲の垂れ込める海岸は
湾を挟んで対岸にある
アシスタントのミモトが
無表情にそう漏らした瞬間
私は行かなければという衝動に駆られたが
危ない状況に武者震いした
脳裏にあったのは
前回見た核爆発だった
理科の実験室で
水素を作る実験をなぜやらされたのか
今になって分かった気がしたのだった
夕刻へと向かう空模様
未来へと向かっているのか判然としない心模様
自転車で30分
ここからあの海岸までの距離だ
途中には遺跡があり
貝塚も保存されている
百代前の家族は
味噌汁の鍋をかき混ぜながら
獲れたての魚をチンしていただろうか
霞む山の上空で
仙人は見下ろしているだろうか
世間と世界の混沌が
混ざり合う様子を
警報の種類が変わったわ
灰色の雲の垂れ込める海岸は
湾を挟んで対岸にある
アシスタントのミモトが
無表情にそう漏らした瞬間
私は行かなければという衝動に駆られたが
危ない状況に武者震いした
脳裏にあったのは
前回見た核爆発だった
理科の実験室で
水素を作る実験をなぜやらされたのか
今になって分かった気がしたのだった
夕刻へと向かう空模様
未来へと向かっているのか判然としない心模様
自転車で30分
ここからあの海岸までの距離だ
途中には遺跡があり
貝塚も保存されている
百代前の家族は
味噌汁の鍋をかき混ぜながら
獲れたての魚をチンしていただろうか
霞む山の上空で
仙人は見下ろしているだろうか
世間と世界の混沌が
混ざり合う様子を
2013年9月29日日曜日
古びた建物
古びた建物の喫茶店の白い壁に
ぶどうを描いた画が掛けられている
たわわに実った一房のぶどうと
青々とした葉
それに枯れかけて色づいた数枚の葉だ
建物も画も古びているが
その周りでうごめいているのは
いまを生きている人間だ
仲良しカップルは見つめあって話をしている
店員さんは段取りに忙しい
画を描いた人は
どこかで生きているのだろうか
私は画家がぶどうに向かう姿を想像する
画家が画を仕上げて行くときの気持ちを想像する
古びた建物の中で
古びていきながら
ぶどうを描いた画が掛けられている
たわわに実った一房のぶどうと
青々とした葉
それに枯れかけて色づいた数枚の葉だ
建物も画も古びているが
その周りでうごめいているのは
いまを生きている人間だ
仲良しカップルは見つめあって話をしている
店員さんは段取りに忙しい
画を描いた人は
どこかで生きているのだろうか
私は画家がぶどうに向かう姿を想像する
画家が画を仕上げて行くときの気持ちを想像する
古びた建物の中で
古びていきながら
2013年9月28日土曜日
もうゆるしてあげても
*
もうゆるしてあげても
いいのではないか
ゆるしてくれない
あのひとのこと
*
もうわすれてしまっても
いいのではないか
わすれられないものが
おいてあるあのばしょ
*
もうかえっていっても
いいのではないか
まつひともない
まちぼうけのこころ
2013年9月27日金曜日
2013年9月26日木曜日
8歩目
貯金箱のお金を出して電車に乗って
優雅に暮らすあの人に会いに行った
あの人は僕より高いお茶を飲み
当然の如くお金を払わず扉を開けて外に先に出ていった
百円玉を積み重ねて代金を払い
7歩歩いてさよならを言った
優雅に暮らすあの人に会いに行った
あの人は僕より高いお茶を飲み
当然の如くお金を払わず扉を開けて外に先に出ていった
百円玉を積み重ねて代金を払い
7歩歩いてさよならを言った
2013年9月25日水曜日
それは世間のことなんだ
それは世間のことなんだ
そこを世間というのです
海辺にできた山脈も
蒼くて高い秋空も
それを世間というのです
そこで生きてる私たち
生かされているきみとぼく
幾星霜の星月夜
かんらからから切なさと
ともに生きてる私たち
君は世間の申し子さ
世間は宇宙とねんごろさ
すすきも螢も王様も
世間の風に吹かれてく
僕も世間の申し子さ
そこを世間というのです
海辺にできた山脈も
蒼くて高い秋空も
それを世間というのです
そこで生きてる私たち
生かされているきみとぼく
幾星霜の星月夜
かんらからから切なさと
ともに生きてる私たち
君は世間の申し子さ
世間は宇宙とねんごろさ
すすきも螢も王様も
世間の風に吹かれてく
僕も世間の申し子さ
2013年9月24日火曜日
まさかのさかな
まさかさかさまのさかなのなかまはかかさまのさかなかな
かさをささないさかなかな
かさなくなくなくかさかさないさかなかな
さかにさかさにさかんにかしずくかのさかなかな
まさかさかさまのさかなのなかまはととさまのさかなかな
かさをささないさかなかな
かさなくなくなくかさかさないさかなかな
さかにさかさにさかんにかしずくかのさかなかな
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