2013年3月17日日曜日

かざぐるまよりもっとよく

かざぐるまよりもっとよく回るもの
キュートなあなたのそのカラダ
やわらかく弾み
まわるまわる
ころがりまわり

ホームで行き交う
あなたに似たひと
似ていないひと
制服のひと
背が高いひと
髪が長いひと
スタイルがいいひと

次々話しかけてみる
みんなそれぞれ違う反応
びっくりするひと
笑顔を作るひと
いぶかしがるひと
逃げるひと

私は歩いていく
何かをぐるぐる回しながら
飛んでくる眩暈
春風になびくフレアスカート
胸の膨らみの斜面に弾かれる日差し

2013年3月16日土曜日

きみのいいわけ

きみのいいわけはききあきた
ときみはぼくにいう
そのことばもききあきた
とぼくはきみにいう
ぼくのいいわけはいつもちがうのに
きみのいうことはいつもいっしょ
きみはぼくのいいわけをききあきて
きみのいいわけをかたる
ぼくはきみにきみのいいわけはおもしろい
という
きみはぼくに
そういうきみこそおもしろい
という
あなたはわたしたちのことをどうおもう?
わたしはあなたのことをしらない

いいわけだらけのきみにいう

2013年3月15日金曜日

悪魔のいた部屋

夕焼けの日差しと一緒に
部屋の中に
悪魔が入ってきた
小さい鬼のような悪魔だ

私は彼と遊ぶことにしたが
いつ噛み付かれるか分からないので
注意しなければならないが
注意が追いつかない

頭の演算スピードは
ほとんど固まってしまっている

悪魔はそれを見透かして
仕掛けてくる

私にこの部屋を明け渡せと
遊びながら
無言で仕向けてくる
頭を働かせないことで
分かることがあるもんだなと
いま
これを書きながら思う

行間に悪魔を見つけるが
読んだ人の心に
もう
紛れ込んでしまった

2013年3月14日木曜日

そこに あいつが


髪を切りすぎ
眉もそりすぎ
お金もなくなり
すっからかん
さっぱりしすぎて
こりゃあかん

ろんろんろんろん
ろんろんろん

そこに あいつが
やって来た

2013年3月13日水曜日

きっといつまでも


指紋の溝は
いくつあるの

僕の指先
花びらに似ていると
ママは言ってった

やわらかさを知りたくて
唇にあてて
確かめた
しっとりと暖かくて
愛おしくなった


一まいの花びらは
季節からの
やさしい手紙

私のことを
応援してくる

生まれたばかりの私が
胸いっぱいに
すいこんだ
あの花の香り

きっといつまでも
わすれない

2013年3月12日火曜日

もし私がいなくなったら

もし
携帯が繋がったら
救えた命もあっただろう

もし
一人でいたら
生きながらえた命もあっただろう

もし
おかしいことをおかしいといっていれば
多くの命を見殺しにしなくてもよかったこともあっただろう

もし
心ある人が指図していれば
未来の命まで奪って仕舞うことはなかっただろう

もし
私がきちんとしていたら
そのことを伝えられただろう

もし
あなたが私をしかってくれたら
わたしはあなたもしかっただろう

もし
時間を戻せたら
私は繰り返さないだろう

もし
私がいなくなっても
あなたがやっていただろう

2013年3月11日月曜日

墓碑銘

辛い思いをした
誰かさん
その辛さを
どうやって耐えたの

大きな声で笑い
丁寧にお礼を言う
おばあさん
どうして
あなたは優しい人なの

すべてを失ったと言われている人
いちばんいいものが
残っているよね

私もすべてを失ったと言われるが
いちばんいいものは
残っている

ただ
それを認めたくない
困難に立ち向かう
自信がないから
勇気が湧いてこないから

飛行機に乗っていました


飛行機に乗っていました

乗務員が私のことを気遣って
助けに来ましたが
命綱をつけているので
万が一風に飛ばされても大丈夫です

翼に乗るのは初めてでしたが
怖いことはありません
しかし離陸のことを思い出せないので
ひょっとしたら恐怖のために気を失っていたのかもしれません

乗客は私を客室に戻せと騒いでいます
翼にはパイロットも乗っていましたが
私は客なので
客室にいるべきだと
私以外の全員が考えたのでしょう

私は小さな窓から押し入れられて
客室の自分の席に行きました

そこには日大芸術学部放送学科の1年後輩の女性が座っていました
窓側が空いていたのでそこに座ると
周り中が日大芸術学部放送学科の出身者でした

アナウンスは「左手前方に富士山がごらんいただけます」と告げるが
それどころではない
私は後輩や同窓生と話さねばならない
この理不尽な世の中について

みな
浮き足立っている
昼下がりの飛行機
旅は始まったばかり
関西方面は
黄砂の影響があるという
あなたの存在が心の真ん中にある
目の前にいなくても
あなたを思える幸せに 私は
満たされている

2013年3月10日日曜日

小さな夢


甘いクッキーをお口に入れると
甘い願いが一つかなう
小さな夢で
見えないけれど

ビターチョコクッキーお口にいれると
苦い思い出を一つ忘れる
かすかな記憶で
気づかないけれど