おなかがすきました
「おなかがすきました」というシールを
胸に貼っておきたいくらい
いつもおなかがすいています
これは人類にとって
たいへん厄介な問題です
おなかがすくということは
食べなければならないから
食べなければならないということは
食べられてしまう側の命を奪うということだから
命を奪うということは
自分にその価値があると信じるいうことだから
ぼくはおなかをすかせて
頭を抱え込む
頭をかかえこんで
おなかを鳴らす
自分にそんな価値は見当たらない
人はぼくに価値があると
思ってくれているのだろうか
親や友だちは思っていてくれているだろう
仕事のパートナーもそう思っていてくれているだろうか
世間はどうだろうか
ぼくはおなかをすかせて
頭を抱え込むことしかできない
そうしているあいだにも
おなかがすきました
「おなかがすきました」という刺青を
背中に彫っておきたいくらい
いつもおなかがすいています
おなかがすくことから
逃れることはできないのでしょうか
食べ過ぎておなかを壊せば
もうたべたくなくなるでしょうか
いいえだめです
またすぐに食欲というものは復活を果たすでしょう
リバウンドして
ますますおなかがすいてしまうでしょう
もやは八方ふさがりです
八方焼きです
八宝菜です
たべたいです
おいしいものを
自分を生き延びさせる価値があると信じて
あなたは食べますか
食べ続けますか
あなたは食べていいとおもいます
ぼくはあなたに生き延びて欲しいです
あなたは生き延びる価値があると思います
食べられてしまう側の命より
だから生き延びて
ぼくに手本を示してください
そしてできれば
ぼくの価値を教えて欲しいのです
生きていっていいかどうかのその価値を
2012年7月14日土曜日
2012年7月13日金曜日
ホーホケキョ
変わり者だとうわさされ
誰も近寄らないあなたの
やさしさを私は知っています
普段はどんな服を着ているの?
初めて出会う人がいつも私に尋ねてくる
青空とは別れたわ
曇が好きなの
台風みたいに饒舌な人はキライよ
微かに葉を揺する夜風が最高ね
太陽が消え去ろうとしている
別れを惜しんで空が真っ赤に染め上げられる
想い出があなたの前に現れ
夜の闇が悪戯をそそのかす
楽しげな話には首を突っ込まない
出来上がった物語は
ドラム缶に突っ込んで燃やしてしまう
トンネルから夜の電車が飛び出すとき
ウグイスの鳴き声を重ねるあなた
ホーホケキョ
2012年7月12日木曜日
手のひらの町
君が手の指を立てて
手のひらで囲った小さな町には
雨が降るとフナの稚魚が泳ぐ
ベッドの上でカメラのレンズを見つめる瞳は濡れて
華奢な体がワンピにつつまれている
大胆な胸のカットからつややかな肌を現し
その肩がなめらかに見るものの視線を
滝つぼに誘い落とす
君はだれにとっての君なのか
君は私に君と呼ばれて何を考えるのか
柔らかい日差しの差し込む過去のある日のベッドの上で
君は答えなど持っているはずもなく
手のひらで囲った小さな町には
雨が降るとフナの稚魚が泳ぐ
ベッドの上でカメラのレンズを見つめる瞳は濡れて
華奢な体がワンピにつつまれている
大胆な胸のカットからつややかな肌を現し
その肩がなめらかに見るものの視線を
滝つぼに誘い落とす
君はだれにとっての君なのか
君は私に君と呼ばれて何を考えるのか
柔らかい日差しの差し込む過去のある日のベッドの上で
君は答えなど持っているはずもなく
2012年7月11日水曜日
詩を書いていた
昔 毎週3編 詩を書いていたんだけど
一つは ラジオで朗読する用
一つは ブログに載せる用
一つは 雑誌に載せる用
ターゲットが決まっていたので
幸せな気分で書いていた
書く際の留意点を自分で決めて
それに添って書いていた
その時書いた詩は
残っているものもあるが
なくなってしまったものもある
会社がつぶれた時に
人に迷惑をかけてしまうんだからと
処分される机やパソコンと一緒に運びだされるのを
気配だけ感じながら見送った
詩は埴輪のように
黙って笑い土に埋まっただろう
僕の中には
幸せだった感覚がまだ残っている
凍えそうになったときは
その残り火に手をかざして
体が冷えきってしまうのを防いでいる
やることがある
人のためにやることがある
もしやらなければ
また自分の書いた詩を見捨てる
一つは ラジオで朗読する用
一つは ブログに載せる用
一つは 雑誌に載せる用
ターゲットが決まっていたので
幸せな気分で書いていた
書く際の留意点を自分で決めて
それに添って書いていた
その時書いた詩は
残っているものもあるが
なくなってしまったものもある
会社がつぶれた時に
人に迷惑をかけてしまうんだからと
処分される机やパソコンと一緒に運びだされるのを
気配だけ感じながら見送った
詩は埴輪のように
黙って笑い土に埋まっただろう
僕の中には
幸せだった感覚がまだ残っている
凍えそうになったときは
その残り火に手をかざして
体が冷えきってしまうのを防いでいる
やることがある
人のためにやることがある
もしやらなければ
また自分の書いた詩を見捨てる
2012年7月10日火曜日
あなたと出会ったたとき
石造りの街であなたに出会ったとき
私は別の人と一緒でした
あなたはひとりで
何をしに来ていたのでしょう
オープンカフェで昼下がりに
穏やかな季節の風景を眺めながら
蜂蜜を絡めてこんがりローストしたフォアグラの
サンドウィッチを片手に
私は遠い街で出逢った別の人のことを考えていました
私の連れは舞踏会に行く準備がしたいと
そそくさと食事を終えて
ホテルに帰ってしまったのです
あなたは再び現れて
私の目の前をとぼとぼと通りすぎて行きました
とぼとぼと
その牧歌的な雰囲気に
私はいいしれぬ可笑しみを覚えて
思わず顔の筋肉を
映画スターのようにキュートに締めたのです
それからあなたのことを
しばらく考えていました
なんとなく
いろんなところで出会い
挨拶を交わし
すれ違ったあなたと私
いつのまにか夜になって
私は石の外壁の周りを回りこんで
舞踏会の会場に連れと行きました
シャンパングラスとワイングラスは
こうも様々な種類の優雅な線と輝きを
描いているものなんだと感心していると
そこに銀の皿でカナッペをサーブして回る
あなたが現れました
階段の上の壁には
ライオンの彫像が貼り付けられています
私は笑顔を作って
舞踏会をこなし
部屋に帰りシャワーを浴びると
ベッドに倒れ込みました
そこにはあなたが居たのです
なんということか
連れはあなただったのです
私は別の人と一緒でした
あなたはひとりで
何をしに来ていたのでしょう
オープンカフェで昼下がりに
穏やかな季節の風景を眺めながら
蜂蜜を絡めてこんがりローストしたフォアグラの
サンドウィッチを片手に
私は遠い街で出逢った別の人のことを考えていました
私の連れは舞踏会に行く準備がしたいと
そそくさと食事を終えて
ホテルに帰ってしまったのです
あなたは再び現れて
私の目の前をとぼとぼと通りすぎて行きました
とぼとぼと
その牧歌的な雰囲気に
私はいいしれぬ可笑しみを覚えて
思わず顔の筋肉を
映画スターのようにキュートに締めたのです
それからあなたのことを
しばらく考えていました
なんとなく
いろんなところで出会い
挨拶を交わし
すれ違ったあなたと私
いつのまにか夜になって
私は石の外壁の周りを回りこんで
舞踏会の会場に連れと行きました
シャンパングラスとワイングラスは
こうも様々な種類の優雅な線と輝きを
描いているものなんだと感心していると
そこに銀の皿でカナッペをサーブして回る
あなたが現れました
階段の上の壁には
ライオンの彫像が貼り付けられています
私は笑顔を作って
舞踏会をこなし
部屋に帰りシャワーを浴びると
ベッドに倒れ込みました
そこにはあなたが居たのです
なんということか
連れはあなただったのです
2012年7月9日月曜日
権利がない私
私には香りのいいおいしいお茶を飲む権利がない
私は水道の水を冷やして飲むから平気
私にはJRとメトロを乗り換えて目的地に行く権利がない
どちらか一つに絞っても行けるので平気
私には医者で健康診断を受ける権利がない
暴飲暴食をせず睡眠をとっていればたぶん平気
私には道の真ん中を堂々と歩く権利がない
道はたいてい端っこをおどおど歩くと安全なので平気
私には焼肉屋に誘われても一緒に行く権利がない
もう誰も誘わないので肉は牛丼屋で食べるし 平気
私にはカビたパンを捨てる権利がない
カビを削ってしまえばほぼ元通りのパンなので全く平気
私は穴あき靴下を捨てる権利はない
穴あき靴下は空いた方だけ靴磨きに使えばいいので平気
私には期日通りに電話料金を支払う権利がない
電話が止まる前にハガキが来てコンビニで支払えるので平気
私には結婚して子どもを作る権利がない
たとえ権利があっても結婚して子どもを生む相手がいないので平気
私には他人にはある様々な権利がない
でも何とかやっていっているので今のところたぶん平気
私は水道の水を冷やして飲むから平気
私にはJRとメトロを乗り換えて目的地に行く権利がない
どちらか一つに絞っても行けるので平気
私には医者で健康診断を受ける権利がない
暴飲暴食をせず睡眠をとっていればたぶん平気
私には道の真ん中を堂々と歩く権利がない
道はたいてい端っこをおどおど歩くと安全なので平気
私には焼肉屋に誘われても一緒に行く権利がない
もう誰も誘わないので肉は牛丼屋で食べるし 平気
私にはカビたパンを捨てる権利がない
カビを削ってしまえばほぼ元通りのパンなので全く平気
私は穴あき靴下を捨てる権利はない
穴あき靴下は空いた方だけ靴磨きに使えばいいので平気
私には期日通りに電話料金を支払う権利がない
電話が止まる前にハガキが来てコンビニで支払えるので平気
私には結婚して子どもを作る権利がない
たとえ権利があっても結婚して子どもを生む相手がいないので平気
私には他人にはある様々な権利がない
でも何とかやっていっているので今のところたぶん平気
2012年7月8日日曜日
スターバックスという
スターバックス
コー ヒー
コー コー コー
ヒー ヒー ヒー
スターバックスと
コーヒーは別れ
コーヒーの 葉とコーヒーの 実は
さよなら し 慣らし
鳩と 富とは
コーヒー飲みと はとこ とは
一緒にいない
コー と ヒーは 離し合う
手と手 権利と管理を
スター と バック ス
コーヒーも別れ
その名がなくとも
珈琲店と判れば
後ろから 前から トモダチは
やってきて確信をつく
うそをつく
木をつつく のは きつつき
傷つのは グラスとコップと
炒られたナッツ
入れられた夏
無理矢理に入れられた膣
入れられたナッツ
夏に入れられたnuts
濡れられたnutsペンギンマークのnuts
nutsマークのペンギン
銀色のペン
ペンの形のnuts
nutsの形のペン
ペンの 先っちょのスター
ペンの先のmoon
moonのとなりのスター
後ろのトトロ
とろろ飯のトトロ
ロートルのトロロ
トロッコのスター
とろとろのスター
Tバックのスターバックスのスタジャン
ペニンシュラの
サマーの通り雨
イースターのスター トースター
の の の
ヒー ヒー ヒー
ノーヒー ノーヒー
コー コー コー
ノーヒー トーヒー
離された
コー ヒー
スターバックス
なにはなくとも 友もなくとも
珈琲店には
コー ヒー なくとも
泣くとも 無くとも
コー ヒー
コー コー コー
ヒー ヒー ヒー
スターバックスと
コーヒーは別れ
コーヒーの 葉とコーヒーの 実は
さよなら し 慣らし
鳩と 富とは
コーヒー飲みと はとこ とは
一緒にいない
コー と ヒーは 離し合う
手と手 権利と管理を
スター と バック ス
コーヒーも別れ
その名がなくとも
珈琲店と判れば
後ろから 前から トモダチは
やってきて確信をつく
うそをつく
木をつつく のは きつつき
傷つのは グラスとコップと
炒られたナッツ
入れられた夏
無理矢理に入れられた膣
入れられたナッツ
夏に入れられたnuts
濡れられたnutsペンギンマークのnuts
nutsマークのペンギン
銀色のペン
ペンの形のnuts
nutsの形のペン
ペンの 先っちょのスター
ペンの先のmoon
moonのとなりのスター
後ろのトトロ
とろろ飯のトトロ
ロートルのトロロ
トロッコのスター
とろとろのスター
Tバックのスターバックスのスタジャン
ペニンシュラの
サマーの通り雨
イースターのスター トースター
の の の
ヒー ヒー ヒー
ノーヒー ノーヒー
コー コー コー
ノーヒー トーヒー
離された
コー ヒー
スターバックス
なにはなくとも 友もなくとも
珈琲店には
コー ヒー なくとも
泣くとも 無くとも
2012年7月7日土曜日
必死に生きているのに
必死に生きているのに
なぜ自分は生きているのかと
問いかけている人は
いませんか
雨が石段の苔を潤して
上空でカラスが
けたたましく啼いている
カラスは答えてくれない
無風のせいで
蒸し蒸しする
この世は巨大な盆地
山の向こうに幸せの塊があり
それが溶け出して
人に注ぎ込むと信じている
必ず死ぬというのが必死の意味?
空気は風になることなく立ち止まっているが
答えてはくれない
心が盆地のくぼみにはまって
もがいている
居心地が悪いのだろう
くぼみを揺すりながら
息をする
手足だけでも外に出せれば
心地よく動けるだろうか
上空でカラスが
けたたましく啼いている
なぜ自分は生きているのかと
問いかけている人は
いませんか
雨が石段の苔を潤して
上空でカラスが
けたたましく啼いている
カラスは答えてくれない
無風のせいで
蒸し蒸しする
この世は巨大な盆地
山の向こうに幸せの塊があり
それが溶け出して
人に注ぎ込むと信じている
必ず死ぬというのが必死の意味?
空気は風になることなく立ち止まっているが
答えてはくれない
心が盆地のくぼみにはまって
もがいている
居心地が悪いのだろう
くぼみを揺すりながら
息をする
手足だけでも外に出せれば
心地よく動けるだろうか
上空でカラスが
けたたましく啼いている
2012年7月6日金曜日
ピーナッツが好き
懐かしいヒッピーの香り
さっきまでそこでマリファナ吸っていたのかな?
腰に入れたtattooは気にいってる?
川と道が交わるところに
一体誰が橋なんぞ作ったのだろう
森の上にある月を眺めて
聴き古した曲をかけて
踊るんだね
踊っているかどうかも
もう分からない
途中からは相手と舌を絡ませていたし
しっとりと
時間は湿って流れている
風よりも時間のほうが
軟かい
あなたの背骨は
くねっている?
チグリス・ユーフラテス川の岸辺
乾いた靴音で歩いて行く学者
澤登博士は
ピーナッツが好き
さっきまでそこでマリファナ吸っていたのかな?
腰に入れたtattooは気にいってる?
川と道が交わるところに
一体誰が橋なんぞ作ったのだろう
森の上にある月を眺めて
聴き古した曲をかけて
踊るんだね
踊っているかどうかも
もう分からない
途中からは相手と舌を絡ませていたし
しっとりと
時間は湿って流れている
風よりも時間のほうが
軟かい
あなたの背骨は
くねっている?
チグリス・ユーフラテス川の岸辺
乾いた靴音で歩いて行く学者
澤登博士は
ピーナッツが好き
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