2011年6月24日金曜日

つれづれ草紙

雪が、ふりだした。
消しゴムのカスを
極彩色の鳥が
啄んでいる
錆びた水が
海を目指して流れてゆく

トンネルで立ち往生している
フォークソング
いつかまた会えるねと約束するだろう未来

チャーシュー麺が
冷めながら呼んでいる

いい加減な速度で
生きるのはやめようよ

2011年6月23日木曜日

あなたはなにもとわないのに

すきなひとは
きらいなひとより
しまつがわるい

きになってしようがないから
ほおっておけないし
くっつきすぎて
きらわれるのがこわいから

あなたのことをかんがえると
ねむれないよるが
わたしをあせらせる

あなたのことをかんがえていないとき
わたしはへいおんに
くらしている

あなたは
わたしの
いちばんおおきな
むずかしいもんだい

あなたはなにもとわないのに
わたしはこたえばかりかんがえている

2011年6月22日水曜日

本心

君の言うことは正しいけど厳しすぎると
文句を言ったね
厳しすぎるけど正しいと思いながら

ちょうどいい

帯に短かし たすきにながし と
思っているね
ちょうどいいと思っているんだね

いい馬

人の恋を邪魔すると
馬に蹴られて死ぬそうだ
いい馬だといいね

ずるい

ずるいね
ずるくないようにみせて
そのことまで忘れてしまうなんて

悪い癖

いい気になるのは悪い癖(くせ)
陰気になるのはもっと悪い癖
癖だと思っているのはさらに悪い癖

2011年6月21日火曜日

天空のラプソディ

夕飯。空豆の天ぷら。あと、おそばでござる。

夕飯。空豆の天ぷら。あと、おそばでござる。
夕飯。空豆の天ぷら。あと、おそばでござる。

夕飯。空豆の天ぷら。あと、おそばでござる。


夕飯。天ぷらの空。ござるあとで豆、おそば。

夕飯。天ぷらの空。ござるあとで豆、おそば。

おそば、飯のあと夕空。豆。ござる天ぷらで。

おそば、飯のあと夕空。豆。ござる天ぷらで。

天、夕空の豆。おそばで、らぷるとあござ飯。

あござ、天空の豆。おそばでぷらる飯。と夕。

ばお、空で夕。天ざる。おとご豆あの飯らぷ。

ぷら飯。天でお豆。空ござと、ある。夕そばで

らぷそで天空。豆とる夕、あの飯。おばござ。

2011年6月20日月曜日

投稿列車

投稿列車に乗って
まだ見たこともない街へ行ってみたい
嗅いだことのない香りを手に入れ
感じたことのない陶酔に浸りたい

大きなリスクは覚悟の上だ
夢を差し出して
わらしべ長者を真似て
もっと大きなものを手に入れるのだ

誰もが無理だというもの
手に入れた瞬間に自分をも見失ってしまうだろう

投稿列車がやってくる
駅にではない
今夜
ここに

きみは飛び込めるかな
なにも持たず
誰にも告げずに

明日はもうない
記憶さえ残らない
知ってるだろうか
今夜限りだということ

2011年6月19日日曜日

木枠の外へ

木枠にはめられた硝子向こうに
うるさいほどの緑が息づいているが
静かなこの地に聞こえているのは
鳥や葉擦れの音ばかり

木枠にはめられた生き方など
もう嫌だと心はか細く叫ぶが
雑事にかき消されて鎮まってしまう

木枠のむこうには
破天荒な娘が
新しい人生を始めようと躍起になっているのだが
足を鎖で繋がれていて飛び出すことができず
それで自分を傷つけてしまう

一瞬
木枠が外れ
鎖がほどけたすきに
手を繋いで逃げ出そうとしたが
静けさがそれを遮った

その饒舌を
誰も気づかなかった
ただ私だけが
木枠にはめてそれをみていた