ゆっくりしよう
もう時間に邪魔されることはない
人目を気にすることもないから
コインを入れるように
君に愛情を注ぎ込もう
眼をつぶっていても
つぶることに飽きてしまって
また見開いても
まだ終わらない
港を離れた船が
沢山の出会いと別れを乗せてもどってきても
僕たちは
まだ始まったばかりだ
ゆっくり
空白だった時間を埋めるように
確かなものを確かめ
不確かなものさえ
確かにしよう
列の最後に並んでいた現実は
昨日みた夢のように消え
友達たちの輪の中から弾かれて
衝突した君
2010年12月17日金曜日
2010年12月16日木曜日
玄関にくる人
寒さが手を引いて忘れていた人を連れてくる
ぼくは黙り込んで西日の部屋で文庫本を読んでいる
玄関の前で誰かが立ち止まるが
音一つ立てずに
何か迷っているのか
いつの間にか陽は暮れてきて
ぼくは本を置き
外へ出ることにした
鉢合わせは勘弁願いたい
煮えきらぬものはもうたくさんだ
ドアを開ける風で吹き飛ばすよ
そうして
ぼくもバス停へと飛んで行く
ぼくは黙り込んで西日の部屋で文庫本を読んでいる
玄関の前で誰かが立ち止まるが
音一つ立てずに
何か迷っているのか
いつの間にか陽は暮れてきて
ぼくは本を置き
外へ出ることにした
鉢合わせは勘弁願いたい
煮えきらぬものはもうたくさんだ
ドアを開ける風で吹き飛ばすよ
そうして
ぼくもバス停へと飛んで行く
2010年12月15日水曜日
月の光に
ボローニャの石畳の道
路地を抜けていく風
聖堂の鐘の音
映画館の前の人溜まり
みんなは何処へ行ってしまったのか
思い当たる人に手紙を書いてみても
返事は来ない
待ち合わせは塔の下
宝飾店のウインドウを回り見ながら
再会し
夜の賑やかさの中に消えていった
もしかなうなら
月の光に乗せて
あの日の自分に手紙を出したい
あのひとを離してはだめですよと
路地を抜けていく風
聖堂の鐘の音
映画館の前の人溜まり
みんなは何処へ行ってしまったのか
思い当たる人に手紙を書いてみても
返事は来ない
待ち合わせは塔の下
宝飾店のウインドウを回り見ながら
再会し
夜の賑やかさの中に消えていった
もしかなうなら
月の光に乗せて
あの日の自分に手紙を出したい
あのひとを離してはだめですよと
2010年12月14日火曜日
虹色の隠しごと
隠しごとが入ったリュックを背負って
坂を上がってやってくる
その部屋で
隠しごとは暖炉の前に置いて
二人は求めあった
隠しごとはいつも
放置され
だんだんと熟成された
二人もお互いをよく知るようになり
いつも夢中で話したので
季節の使者がドアの外にやってきては
呼び鈴を何度押しても
気づくことはなかった
水銀灯がLEDランプに取り替えられ
道は冷たく光り
行きかう人の心は
メルヘンを探してさまよった
夜の新たな影法師が生まれると
過去形で語られていた物語を
読み手が追い越し
現在進行形になってしまい
二人は越えなければならない峠に差し掛かったことに気づかされ
目配せをしあった
それが最後で最初の会話となって行った
次の話が未来形で語られ始めたとき
隠しごとは
虹色に燃えながら炎の中にあった
坂を上がってやってくる
その部屋で
隠しごとは暖炉の前に置いて
二人は求めあった
隠しごとはいつも
放置され
だんだんと熟成された
二人もお互いをよく知るようになり
いつも夢中で話したので
季節の使者がドアの外にやってきては
呼び鈴を何度押しても
気づくことはなかった
水銀灯がLEDランプに取り替えられ
道は冷たく光り
行きかう人の心は
メルヘンを探してさまよった
夜の新たな影法師が生まれると
過去形で語られていた物語を
読み手が追い越し
現在進行形になってしまい
二人は越えなければならない峠に差し掛かったことに気づかされ
目配せをしあった
それが最後で最初の会話となって行った
次の話が未来形で語られ始めたとき
隠しごとは
虹色に燃えながら炎の中にあった
2010年12月13日月曜日
端っこの星
細長い部屋の端っこで
詩をかいている
ずっと端っこにいるのは
僕の好み
だからなのか
端っこが好きな人が好き
端っこを分かち合い
端っこでおしゃべりするのが
いい
真ん中で輝く星は
憧れの一等星
ぼくは端っこのやっと見えている星が好き
名前さえわからない
小さな星がなければ
きっと宇宙はもっと寂しい
大きな星が幾つ寄り集まっても
闇に消えゆく小さな星の
その沈黙に
敵わない
詩をかいている
ずっと端っこにいるのは
僕の好み
だからなのか
端っこが好きな人が好き
端っこを分かち合い
端っこでおしゃべりするのが
いい
真ん中で輝く星は
憧れの一等星
ぼくは端っこのやっと見えている星が好き
名前さえわからない
小さな星がなければ
きっと宇宙はもっと寂しい
大きな星が幾つ寄り集まっても
闇に消えゆく小さな星の
その沈黙に
敵わない
2010年12月12日日曜日
お金を配ってます
お金 余りましたので配ってます
どうぞお持ちください
詩を書いた方に差し上げます
今日書いた詩を見せてください
どんな詩でも結構です
詩をみせてください
一万円札ばかり
どうぞお持ちください
詩集を出した方
いつも詩を書いている方
詩人の方
詩集を見せてください
余ったお金を配っています
かわいそうな方のために
お金がなくて困っている方
詩が好きな方
どんな詩が好きか教えてください
お金を配ってます
残り僅かです
好きな詩を教えてください
未来創作を読んだことのある方
詩人の仲間と集まるのが好きな方
お金を配ってます
お金を差し上げます
どうぞお持ちください
詩を書いた方に差し上げます
今日書いた詩を見せてください
どんな詩でも結構です
詩をみせてください
一万円札ばかり
どうぞお持ちください
詩集を出した方
いつも詩を書いている方
詩人の方
詩集を見せてください
余ったお金を配っています
かわいそうな方のために
お金がなくて困っている方
詩が好きな方
どんな詩が好きか教えてください
お金を配ってます
残り僅かです
好きな詩を教えてください
未来創作を読んだことのある方
詩人の仲間と集まるのが好きな方
お金を配ってます
お金を差し上げます
2010年12月11日土曜日
2010年12月10日金曜日
網 あみ
マスコミに網かけられているが
彼女は気づいていないのかな
網の向こうから見つめている
何か喋っている
誰に向けてなのか
その誰かは網かけられてないのかな
網かけられると
不自由になるけど
ギュッと抱き締められ
安心感に浸れる
でも人に網かけて
いいものか
網かけられている様子があまりに哀れなので
神様に訊いてみたら
従順なひとが
なにも考えないで幸せを手に入れるには必要なんだと諭された
マスコミもつかいようということか
神の国も不景気で
リストラが進み
人の幸せの実現に
手がかけられないそうだ
神様の世界でも
民主主義が導入され
嘆かわしい状態が続いていて
選挙のためにも随分時間が取られるという
海に網かけて
お魚をとり
どこからか出直す必要ありそう
ですね
彼女は気づいていないのかな
網の向こうから見つめている
何か喋っている
誰に向けてなのか
その誰かは網かけられてないのかな
網かけられると
不自由になるけど
ギュッと抱き締められ
安心感に浸れる
でも人に網かけて
いいものか
網かけられている様子があまりに哀れなので
神様に訊いてみたら
従順なひとが
なにも考えないで幸せを手に入れるには必要なんだと諭された
マスコミもつかいようということか
神の国も不景気で
リストラが進み
人の幸せの実現に
手がかけられないそうだ
神様の世界でも
民主主義が導入され
嘆かわしい状態が続いていて
選挙のためにも随分時間が取られるという
海に網かけて
お魚をとり
どこからか出直す必要ありそう
ですね
2010年12月9日木曜日
メモのメ
メモしてる?
何をメモしてる?
えっ
メモしてない?
何をメモしたい?
メモしたくない?
メモしてみたら!
メモしたらどうする?
メモあった?
メモ見つかった?
メモあったら
またメモする?
メモされる?
言ったことや買うものや
アドレスやパスワードや
メモ隠す?
メモ隠した場所メモする?
メモ 洒落てみる?
メモ 謎かけする?
メモ いたずらする?
目も当てられないメモもある?
もったいないメモもある?
モアレの目立つメモも
桃色のメモもある?
見つめてみる? メモ
見つめてみない メモ
見つめていない
見つめられている
メモに
貸しがある?
借りがある?
メモに
見つめられている
メモの目が
鈍く光った
何をメモしてる?
えっ
メモしてない?
何をメモしたい?
メモしたくない?
メモしてみたら!
メモしたらどうする?
メモあった?
メモ見つかった?
メモあったら
またメモする?
メモされる?
言ったことや買うものや
アドレスやパスワードや
メモ隠す?
メモ隠した場所メモする?
メモ 洒落てみる?
メモ 謎かけする?
メモ いたずらする?
目も当てられないメモもある?
もったいないメモもある?
モアレの目立つメモも
桃色のメモもある?
見つめてみる? メモ
見つめてみない メモ
見つめていない
見つめられている
メモに
貸しがある?
借りがある?
メモに
見つめられている
メモの目が
鈍く光った
2010年12月8日水曜日
幾つもの いつも
何度同じ言葉を繰り返してきただろう
それなのに彼等は何度でも
初めましてというようなな顔をして現れてくる
いったいカレンダーを何枚破いてきたことか
同じ歌を何度口ずさんだか
同じひとに何度おはようを言ったか
それなのに
いつも
どこからか新しい気持ちが湧いてきて
繰り返してきたことなど
まるでなかったことのようにされてしまう
優しいきみは
繰り返し打ち寄せる波打ち際で
来るものを待っているしかないことを
知らされ
黙って微笑んでいる
海の向こうに陽がしずむと
やがて
波音だけが聴こえてきて
きみの心は
ざわめきと凪とをくり返している
きみの微笑みだけが残る
明日きみに挨拶しよう
おはようと
左手を軽く降って
いつものように
それなのに彼等は何度でも
初めましてというようなな顔をして現れてくる
いったいカレンダーを何枚破いてきたことか
同じ歌を何度口ずさんだか
同じひとに何度おはようを言ったか
それなのに
いつも
どこからか新しい気持ちが湧いてきて
繰り返してきたことなど
まるでなかったことのようにされてしまう
優しいきみは
繰り返し打ち寄せる波打ち際で
来るものを待っているしかないことを
知らされ
黙って微笑んでいる
海の向こうに陽がしずむと
やがて
波音だけが聴こえてきて
きみの心は
ざわめきと凪とをくり返している
きみの微笑みだけが残る
明日きみに挨拶しよう
おはようと
左手を軽く降って
いつものように
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