あなたは
幸せになれない
なっても
すぐに
不幸になるよ
それに
幸せになっても
気づかないよ きっと
あなたは
幸せの顔を
知らないし
欲深いから
不満をたくさん持っていると
幸せの手を握れない
あなたは
欲望をかかえて
何処までいくの?
心配している人も
そのままにして
息を切らして
なぜそんなに急いで
その山を登るの?
あなたは
幸せになれない
なっても
すぐに
不幸になるよ
それに
幸せになっても
気づかないよ きっと
あなたは
幸せの顔を
知らないし
欲深いから
不満をたくさん持っていると
幸せの手を握れない
あなたは
欲望をかかえて
何処までいくの?
心配している人も
そのままにして
息を切らして
なぜそんなに急いで
その山を登るの?
いきなり目の前に現れた
といっても似ているだけのひと
おまけに二人連れで
とても仲よさそう
私はよく見える席に座っていて
二人に見入っている
あっ ビールの泡が
唇の周りに着いているのに
気にせずに見つめ合っている
二人は静かに
会話をしている
何を話しているか悟られないようにして
二人の世界を守っているのだろう
私はチキンにソースを絡ませて
ココナッツライスと一緒に頬張る
彼女は
煮込んだチキンを箸で割いて
ひとかけらを口に入れる
私は大きなベッドの上に横たわった
彼女の足の方から彼女の中心めがけてダイブする
彼女は前を見つめて
相手の言葉に相槌を打つが
男は小さな椀に入った麺をすする
私は彼女の視線に絡め取られて
言葉を失う
勘定を済ませて
歩き始める
わたしは
答えられずに
もう一度笑顔をつくりなおした
だから
二度目の笑顔はにせ物
あなたはもう
わかっているね
あなたは
自分の夢のために熱心で
そのせいで優しい人になっている
わたしはあなたに
「優しい人ね」
といわれたとき
わたしが優しいのは
ほかに何もできないからなのだと
告白できなかった
タイミンクを
逸してね
でも
きょうは
月食の日
おもてには
たくさんの人が集まって
わいわい月食を観たり
写真に撮ったりしながら
この時間を楽しんでいる
月は
優しさがあるのかな
だから
たまには
地球の影に隠れて
太陽に見えないところで
嘘をついてみたいのかな
でも
私たちが観ているのにね
箱の中に
箱が入っていた
その中にも
箱が入っていた
いくら開けてみても
中から箱が出てきた
18個目を開けたとき
彼は
やっと気づいた
箱の中には何も入っていない
箱の外に
彼女からの
贈り物が入っていたのだ
お腹の辺りも
たるんだ感じ
目立たない服着て
当たり障りなく
過ごしたい
食べものに注意して
バランスよく少なめに
そして早く帰宅して
考えごとをしよう
勝負は
別の日にしよう
きょうは
調整日
大事な人から
優しい電話が
来ませんように
ちょうどいい容れ物が見つからなかったのか
そのせいか
私はいつまでたっても居心地がわるい
首のあたりがフワフワし
節々が痛い
脳裏をヤドカリの中身が横切って行く
あなたのことを
きょうは
マリンと呼ぼう
あなたのうなじから
海の香りはしてこないけれど
あなたの瞳に
海の底の星空は映っていないけれど
きょうは
あなたのことを
マリンと呼ぼう
あなたは自分のことを
不器用だと言うけれど
私は あなたから
その器用な身のこなしを学んでいる
と
いつか
告げたことがあった
あなたはまた
人間関係が苦手だと言ったけれど
あなたの周りには
いつもあなたを求めて素敵な人が
集まっていた
マリン
と呼んでも
マリリンモンローを連想しないでくれ
いっそプリンや風鈴の方がまだ近いのだから
きょうは
煩わしいことが片付いて
いま
何が煩わしかったのかさえ
リアルには思い出せないくらいに
脱力し
重力となって地面に落ちている
マリン
あなたは
あなたであって
あなたではない別の誰か
マリンは
私を
何と呼んでくれるのだろう
朝のベッドのシーツの中で