雨が降る前の
黒い雲に空をおおわれて
気持ちが昂ぶってくる
そのことを知っているかのように
空は
雨粒を落としてこない
生暖かい空気をかき混ぜて
晩夏の膚に
じっとりと
汗をにじませるだけだ
空は
意地悪だ
あまのじゃくの私以上に
心を弄ぶのがスキだ
そこが
いいところでもある
私の愛する人と同じ
突き落とされる前の
後のない私を
楽しんでいるのだ
私は
あなたを巻き添えにして
どこまでも
落ちていくんだ
と
狙っている
2011年8月31日水曜日
2011年8月30日火曜日
漂泊者
旅人が増えてきた
住む場所が少なくなったのか
心が漂泊を求めたのか
あるいはその両方か
星の数が増えてきた
誰かが命を燃やしたのか
強い願いが集まったのか
あるいはその両方か
旅人は故郷を探し
星は道しるべとなる
故郷は星に照らされて生まれ
道しるべは旅人が打ち立てる
住む場所が少なくなったのか
心が漂泊を求めたのか
あるいはその両方か
星の数が増えてきた
誰かが命を燃やしたのか
強い願いが集まったのか
あるいはその両方か
旅人は故郷を探し
星は道しるべとなる
故郷は星に照らされて生まれ
道しるべは旅人が打ち立てる
2011年8月29日月曜日
サイコーの二人
メンチカツが
乗っていた
ご飯の上
私の
ご飯の上にも
メンチカツが
乗っていた
おそろいの
ポークカレー
メンチカツのトッピング
並んで食べる
サラダには
三種類のドレッシングをかけて
違う味を楽しむ
私からあなたを見れば
あなたが
スプーンを握って
私と話しながら
カレーを口に運ぶ
あなたから
私を見れば
あなたを見ている私が
スプーンを握って
あなたと話しながら
カレーを口に運ぶ
釣り合った二人は
バランスがいいので
何をしていても
最上だ
だから西城秀樹は
秀樹、感激! というのだろうが
この辺のギャグは
通じるかどうかリスキーだが
雰囲気は伝わるので
大丈夫だ
サイコーの二人には
怖いものなどないのだ
乗っていた
ご飯の上
私の
ご飯の上にも
メンチカツが
乗っていた
おそろいの
ポークカレー
メンチカツのトッピング
並んで食べる
サラダには
三種類のドレッシングをかけて
違う味を楽しむ
私からあなたを見れば
あなたが
スプーンを握って
私と話しながら
カレーを口に運ぶ
あなたから
私を見れば
あなたを見ている私が
スプーンを握って
あなたと話しながら
カレーを口に運ぶ
釣り合った二人は
バランスがいいので
何をしていても
最上だ
だから西城秀樹は
秀樹、感激! というのだろうが
この辺のギャグは
通じるかどうかリスキーだが
雰囲気は伝わるので
大丈夫だ
サイコーの二人には
怖いものなどないのだ
2011年8月28日日曜日
バス停からの道
バス停から
遠回りに
5分ほど歩いて
何も貼っていない
掲示板の横を通り過ぎ
風さえ立ち止まる
小さな交差点を過ぎると
あなたの家がある
冬の日にはやさしく揺れ
春の日には
笑い声が漏れ
夏の夜には
静かに月の光が
高い窓をノックする
その家に
訪れるごとに
あなたは成長し
僕は少年の日を思い出し
ふたりで悲しみを握りしめて
結晶にして遊んだ
その結晶を砕いて
岩塩の代わりに目玉焼きにふりかけ
フォークとナイフで気取って食べる
サラダと一緒に
お日様の味と
ひよこの味と
海の味と
血の味が混じっている
向き合って
座ってたべる
僕たちに
聴こえるはずもない
バスの音が聞こえる
遠回りに
5分ほど歩いて
何も貼っていない
掲示板の横を通り過ぎ
風さえ立ち止まる
小さな交差点を過ぎると
あなたの家がある
冬の日にはやさしく揺れ
春の日には
笑い声が漏れ
夏の夜には
静かに月の光が
高い窓をノックする
その家に
訪れるごとに
あなたは成長し
僕は少年の日を思い出し
ふたりで悲しみを握りしめて
結晶にして遊んだ
その結晶を砕いて
岩塩の代わりに目玉焼きにふりかけ
フォークとナイフで気取って食べる
サラダと一緒に
お日様の味と
ひよこの味と
海の味と
血の味が混じっている
向き合って
座ってたべる
僕たちに
聴こえるはずもない
バスの音が聞こえる
2011年8月27日土曜日
湿った時間の中で
湿った時間が流れている
薄暗い空間に
発酵した花の香り
あなたの服の襟から漏れてくる鼓動
灼けた肌が
境界線を作っているので
私はそこから中に入ることができない
ただ入ることができるのは
許可証を持った者
あなたは笑って
チケットを発行するけれど
それはすでに有効期限がきれている
それは
誰もが知っている
神話のようなメルヘン
あなたの姿を探そうと
発酵した花の香りを追ってきたけれど
そこにいたのは言葉を知らない
異国の少女だった
薄暗い空間に
発酵した花の香り
あなたの服の襟から漏れてくる鼓動
灼けた肌が
境界線を作っているので
私はそこから中に入ることができない
ただ入ることができるのは
許可証を持った者
あなたは笑って
チケットを発行するけれど
それはすでに有効期限がきれている
それは
誰もが知っている
神話のようなメルヘン
あなたの姿を探そうと
発酵した花の香りを追ってきたけれど
そこにいたのは言葉を知らない
異国の少女だった
2011年8月26日金曜日
あなた13景
あなたのしっとりと上気した胸になにを書こう
あなたのよくつかわれた掌になにを持たせよう
あなたの死と暴力を見つめた眼に何を見せよう
あなたの頼りない後ろ姿に何を投げかけよう
あなたの体が向く先の街に何を香らせよう
あなたの眠っている間に何を企てよう
あなたの雨に打たれた思い出に何を加えよう
あなたのあなたである理由にどう降参しよう
あなたの見つめる眼差しの中にどう立とう
あなたのものであるあなたをどう分けあおう
あなたのあなたが気づかない魅力をどう守ろう
あなたの傷むキズをどうやわらげよう
あなたの悲しい時間をどうともに過ごそう
あなたのよくつかわれた掌になにを持たせよう
あなたの死と暴力を見つめた眼に何を見せよう
あなたの頼りない後ろ姿に何を投げかけよう
あなたの体が向く先の街に何を香らせよう
あなたの眠っている間に何を企てよう
あなたの雨に打たれた思い出に何を加えよう
あなたのあなたである理由にどう降参しよう
あなたの見つめる眼差しの中にどう立とう
あなたのものであるあなたをどう分けあおう
あなたのあなたが気づかない魅力をどう守ろう
あなたの傷むキズをどうやわらげよう
あなたの悲しい時間をどうともに過ごそう
2011年8月25日木曜日
そばにいないひとに
そばにいない
ひとの名前を
呼んでみたくなる
そばにいない
ひとの眼差しを
何度も思い出す
そばにいない
理由について
考えてみる
そばにいない
時間のほうが
ずっと多い
そばにいない
ひとがそばにいた
時間はとても短い
そばにいない
ひとに頼みたい
ことがでてくる
そばにいない
ひとはなぜ
そばにいないのか
そばにきて
おしえて欲しい
・・・・・・・・・・・
そばを食べる彼女に
そばをたべる彼女(ひと)に
眼が釘付けになった
長い髪をゴムひもで束ね
一目散に
そばを吸い上げる
休むまもなく
食べ続ける
ブラウスのボタン二つ外し
体じゅうで
脇目もふらず食べ続ける
口の中はそばで溢れ
頬にはそばつゆが飛び散る
話しかけても
何を言っているのか
分からないだろう
ほおばったそばに
阻まれて
しゃべることはできない
そうしていつも
彼女はそばを食べるのか
そう思うと
背筋が凍るような勢いだ
彼女はなぜ
そばを食べるのか
短距離ランナーのように
必死で逃亡するように
そばにいって
きいてみたい
ひとの名前を
呼んでみたくなる
そばにいない
ひとの眼差しを
何度も思い出す
そばにいない
理由について
考えてみる
そばにいない
時間のほうが
ずっと多い
そばにいない
ひとがそばにいた
時間はとても短い
そばにいない
ひとに頼みたい
ことがでてくる
そばにいない
ひとはなぜ
そばにいないのか
そばにきて
おしえて欲しい
・・・・・・・・・・・
そばを食べる彼女に
そばをたべる彼女(ひと)に
眼が釘付けになった
長い髪をゴムひもで束ね
一目散に
そばを吸い上げる
休むまもなく
食べ続ける
ブラウスのボタン二つ外し
体じゅうで
脇目もふらず食べ続ける
口の中はそばで溢れ
頬にはそばつゆが飛び散る
話しかけても
何を言っているのか
分からないだろう
ほおばったそばに
阻まれて
しゃべることはできない
そうしていつも
彼女はそばを食べるのか
そう思うと
背筋が凍るような勢いだ
彼女はなぜ
そばを食べるのか
短距離ランナーのように
必死で逃亡するように
そばにいって
きいてみたい
2011年8月24日水曜日
ピスタチオの殻
ピスタチオの殻を
爪で弾き割って
皺々の実を
口に放り込み
歯の間で
砕く
噛むたびに
一つ
また一つと
忘れていたシーンを思い出す
もしかしたら
空想のシーンも
混ざっている
ピスタチオが好きになってから
10年の月日が流れた
ピスタチオが好きな間に
出会って愛した人
嫌いになった人
忘れてしまった人もいる
ピスタチオの実は
外国の農園の空を背負っている
その皮の下から覗く明るく鮮やかな緑は
草原に憧れている証拠
(いつか通りかかったのだろうか)
それは誰の思いなのか?
決まっているでしょ
こうして
ピスタチオを
口に放り込んでいる
私の思い
?
私と似た
あなたの思い
爪で弾き割って
皺々の実を
口に放り込み
歯の間で
砕く
噛むたびに
一つ
また一つと
忘れていたシーンを思い出す
もしかしたら
空想のシーンも
混ざっている
ピスタチオが好きになってから
10年の月日が流れた
ピスタチオが好きな間に
出会って愛した人
嫌いになった人
忘れてしまった人もいる
ピスタチオの実は
外国の農園の空を背負っている
その皮の下から覗く明るく鮮やかな緑は
草原に憧れている証拠
(いつか通りかかったのだろうか)
それは誰の思いなのか?
決まっているでしょ
こうして
ピスタチオを
口に放り込んでいる
私の思い
?
私と似た
あなたの思い
2011年8月23日火曜日
偶然ばかりがかさなって
偶然ばかりがかさなって
約束したこと破られて
あなたの面影かさなって
連敗記録破られて
あなたと私かさなって
夜の静寂破られて
行きたい場所がかさなって
古い写真は破られて
第二章が待ってます
約束したこと破られて
あなたの面影かさなって
連敗記録破られて
あなたと私かさなって
夜の静寂破られて
行きたい場所がかさなって
古い写真は破られて
第二章が待ってます
2011年8月22日月曜日
クリスマスとこれします
クリスマスとこれしますはどこが違うの?
陸続きと理屈好きはおんなじ?
栗とリスとスリとストリートとリュートは
仲良しなの?
スリットと小鳥とトリックとリュックは?
びっくりとどんぐりとどんくさいとうどんくださいは?
さいの目とメリーさんとさんまととんまとママは?
暁(あかつき)と啄木鳥(きつつき)とキス好きと好き好きは?
空(す)き空きと好き好きは?
こたえ:みんな同じ
陸続きと理屈好きはおんなじ?
栗とリスとスリとストリートとリュートは
仲良しなの?
スリットと小鳥とトリックとリュックは?
びっくりとどんぐりとどんくさいとうどんくださいは?
さいの目とメリーさんとさんまととんまとママは?
暁(あかつき)と啄木鳥(きつつき)とキス好きと好き好きは?
空(す)き空きと好き好きは?
こたえ:みんな同じ
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