サンダルの音がしたので
木戸のところに出てみた
木戸の上に
赤く大きな月が
腰をおろしていた
私は
言葉を失い話かけることができなかった
月はどこかに出かけて
帰ってくるまでの間に
お酒を飲んで
赤くなってしまったのか
よくある現象のようにも思えたが
きょうの月は
余りにも存在感がありすぎて
怖いくらいだ
月の後ろからあなたが現れた
恋人と腕を組んで
三日月のように口を開けて嗤うと
赤い喉を見せて
消えた
やがて
夜の闇が
慌ててやって来た
2011年7月17日日曜日
2011年7月16日土曜日
後ろを向いて
二人はどうやってであったの?
真夏のビーチで
背中と背中
ぶつかったの?
友だちの友だち同士で
意気投合したの?
合コンで
斜め前から目配せをしたの?
彼が一方的にしつこく
迫ってメアドGETしたの?
二人はどうやって過ごしたの?
海を見に行った帰りに
インターで降りてエッチしたの?
やりたいことが決まらなくて
合うたびに喧嘩したの?
夜景を見下ろしているところを
後ろから羽交い締めにしたの?
散歩しながら
お互いの経験を話したの?
二人はどうしてわかれたの?
気まずいことが
しょっちゅうあったの?
未来の中に
お互いを発見できなくなったの?
相手を傷つけるたび
自分の古傷が増えていったの?
そうして
ふたりはもうであわないの?
お互いを見つけても
くるりと後ろを向いて歩いて行くの?
真夏のビーチで
背中と背中
ぶつかったの?
友だちの友だち同士で
意気投合したの?
合コンで
斜め前から目配せをしたの?
彼が一方的にしつこく
迫ってメアドGETしたの?
二人はどうやって過ごしたの?
海を見に行った帰りに
インターで降りてエッチしたの?
やりたいことが決まらなくて
合うたびに喧嘩したの?
夜景を見下ろしているところを
後ろから羽交い締めにしたの?
散歩しながら
お互いの経験を話したの?
二人はどうしてわかれたの?
気まずいことが
しょっちゅうあったの?
未来の中に
お互いを発見できなくなったの?
相手を傷つけるたび
自分の古傷が増えていったの?
そうして
ふたりはもうであわないの?
お互いを見つけても
くるりと後ろを向いて歩いて行くの?
2011年7月15日金曜日
おとなになろうと決めた日
おとなになろうと決めた日
それはとても恥ずかしいことに思えた
大人はなんでも知っているふりをしたから
なんでも知ってるふりをしながら
なにも思い通りに出来なかったから
大人になろうと決めた日
それはとてもむずかしいことに思えた
大人は子どもに教えなければならなかったら
世界中の歴史と真実を教えて
そのとおりに世界を作らなければならなかったから
大人になろうと決めた日
それはとても興奮することに思えた
好きな人のカラダを独占することが許されたから
吐息で言葉を語りながら
言葉のいらない愛の秘密に触れられるから
大人になろうと決めた日
それは子どもの自分と無理やり別れることだと思った
それしか方法がわからなかったから
本当の自分が残るのが怖いから
大人の自分が本当の自分なんだと自分に認めさせたかったから
おとな
詩 ☆ 未 来 創 作: おとなになって
それはとても恥ずかしいことに思えた
大人はなんでも知っているふりをしたから
なんでも知ってるふりをしながら
なにも思い通りに出来なかったから
大人になろうと決めた日
それはとてもむずかしいことに思えた
大人は子どもに教えなければならなかったら
世界中の歴史と真実を教えて
そのとおりに世界を作らなければならなかったから
大人になろうと決めた日
それはとても興奮することに思えた
好きな人のカラダを独占することが許されたから
吐息で言葉を語りながら
言葉のいらない愛の秘密に触れられるから
大人になろうと決めた日
それは子どもの自分と無理やり別れることだと思った
それしか方法がわからなかったから
本当の自分が残るのが怖いから
大人の自分が本当の自分なんだと自分に認めさせたかったから
おとな
詩 ☆ 未 来 創 作: おとなになって
2011年7月14日木曜日
愛してると7万回いう予定だった
1日平均5回で40年間
愛してるとあなたにいう予定だった
少ない日もあるが
多い日もある
平均5回だ
あえない日には
手のひらにあなたの映像をのせて言う
あなたはただきいていればいい
砂浜の波を見ていると
一生のうちにあなたに言える愛の言葉は
なんと少ないことかと
焦る
それを知ってか
上空を飛ぶ鳥は
わざとらしく旋回した
1日平均5回
あなたに愛してると言い続けて
先に死のうと思っていた
あなたの新しい相手を見つけて
愛の言葉を引き継いで
しかしそれはかなわなかった
愛の言葉は
行き場を失って
消え去ろうとしている
この愛は
必要なかったのだ
言葉以上に
この愛は
愛してるとあなたにいう予定だった
少ない日もあるが
多い日もある
平均5回だ
あえない日には
手のひらにあなたの映像をのせて言う
あなたはただきいていればいい
砂浜の波を見ていると
一生のうちにあなたに言える愛の言葉は
なんと少ないことかと
焦る
それを知ってか
上空を飛ぶ鳥は
わざとらしく旋回した
1日平均5回
あなたに愛してると言い続けて
先に死のうと思っていた
あなたの新しい相手を見つけて
愛の言葉を引き継いで
しかしそれはかなわなかった
愛の言葉は
行き場を失って
消え去ろうとしている
この愛は
必要なかったのだ
言葉以上に
この愛は
不適切な私
君との会話は失言ばかり
不適切な私です
気づいた時には
どんくさく
地面の気持ちがよくわかる
下を向いてた私です
はじめて撮った写真には
車の轍が写ってた
はじめて出来た友だちは
嫌われ者の女の子
*
君との愛はギクシャクしてる
優しいだけの私です
怒らないのが
とりえかな
怒れないこと隠してる
パワー不足の私です
無理強いしないのとりえかな
嫌われたくないだけなんだ
話を聞くのがうまいって
かむから話ししないだけ
*
あぁあぁなんであの人は
あんなにかっこいいんだろう
愛する彼女は首ったけ
私はきょうも不適切
不適切な私です
気づいた時には
どんくさく
地面の気持ちがよくわかる
下を向いてた私です
はじめて撮った写真には
車の轍が写ってた
はじめて出来た友だちは
嫌われ者の女の子
*
君との愛はギクシャクしてる
優しいだけの私です
怒らないのが
とりえかな
怒れないこと隠してる
パワー不足の私です
無理強いしないのとりえかな
嫌われたくないだけなんだ
話を聞くのがうまいって
かむから話ししないだけ
*
あぁあぁなんであの人は
あんなにかっこいいんだろう
愛する彼女は首ったけ
私はきょうも不適切
2011年7月13日水曜日
愛する人とは別れたわけだし 1
おいしい料理が出来たと思ったんだけど
夢のなかに置いてきてしまった
すぐに食べちゃえばよかった
愛する人とは別れたわけだし
ここに戻ってきても
寂しさが山積みで向こうが見えない
食欲もわかないので
飲み物ばかり飲んでいるんだ
それにしても
寂しさの山は
人身事故で混雑した電車に乗っても
会社の受付の前を通っても
ついて来る
嵩張るのによくついてくるもんだ
月や星じゃあるまいに
あっ
月や星のようなものなのかな
寂しさって奴は
悲しみに似ているが
それとはちょっとちがう
そういえば
悲しい感じもしている
悲しみの裏に
なんでもできそうな
自由な感じもある
夢のなかに置いてきてしまった
すぐに食べちゃえばよかった
愛する人とは別れたわけだし
ここに戻ってきても
寂しさが山積みで向こうが見えない
食欲もわかないので
飲み物ばかり飲んでいるんだ
それにしても
寂しさの山は
人身事故で混雑した電車に乗っても
会社の受付の前を通っても
ついて来る
嵩張るのによくついてくるもんだ
月や星じゃあるまいに
あっ
月や星のようなものなのかな
寂しさって奴は
悲しみに似ているが
それとはちょっとちがう
そういえば
悲しい感じもしている
悲しみの裏に
なんでもできそうな
自由な感じもある
2011年7月12日火曜日
夕方のことを考えると
夕方のことを考えると
夕方になってしまう
そのことが怖い
と考えると
怖いことになってしまう
考えるとなってしまう
いやなことだけ
神様がいて
区別して
やっているのだろうか
罰として
いやな罰だ
そう
考えると
いやな罰になってしまう
考えないようにしたい
そう考える
でも
そこからは逃げられない
逃げられなくなってしまう
夕方になってしまう
そのことが怖い
と考えると
怖いことになってしまう
考えるとなってしまう
いやなことだけ
神様がいて
区別して
やっているのだろうか
罰として
いやな罰だ
そう
考えると
いやな罰になってしまう
考えないようにしたい
そう考える
でも
そこからは逃げられない
逃げられなくなってしまう
2011年7月11日月曜日
星への願いごと
緋色の星に願いごと
すべてが燃えてなくなりますように
水色の星に願いごと
あの人が湖の底に沈みますように
黄色い星に願いごと
何も分からなくなり笑って暮らせますように
紺色の星に願いごと
他人の思い出が渦巻いて醜く混じり合いませんように
白い星に願いごと
きれいなものがみな見えなくなりますように
土色の星に願いごと
愛する人に首を閉められた人が蘇りませんように
金色の星に願いごと
傷口が開いて早く干からびますように
黒い星に願いごと
風や月光が彼女の味方につきませんように
すべての星に願いごと
あの人が二度とこの空に戻って来ませんように
すべてが燃えてなくなりますように
水色の星に願いごと
あの人が湖の底に沈みますように
黄色い星に願いごと
何も分からなくなり笑って暮らせますように
紺色の星に願いごと
他人の思い出が渦巻いて醜く混じり合いませんように
白い星に願いごと
きれいなものがみな見えなくなりますように
土色の星に願いごと
愛する人に首を閉められた人が蘇りませんように
金色の星に願いごと
傷口が開いて早く干からびますように
黒い星に願いごと
風や月光が彼女の味方につきませんように
すべての星に願いごと
あの人が二度とこの空に戻って来ませんように
2011年7月10日日曜日
思いがけない家出
すきま風のところに行って
冷たい風を吸い込むと
ガラスが曇って
景色が見えにくくなった
ほつれた毛糸の先を引っ張ると
スルスルと
虫が行進するように
ほどけていって
どこでやめていいのか
わからなくなる
冷凍庫では
シャーベットができたはずだ
作るのは好きだが
食べておいしかったことがないので
もう関心がなくなっている
あなたは
むずかしい計算をしようと
指を折って数えているが
問題の意味が解らないので
ちっとも解決に結びつかない
扇風機がカタカタいいだして
壊れそうなので
コードを引っ張って抜いた
見る間に
首に汗が吹き出してくる
いらだって
持っているものを
床に投げると
もうその場にはいたくなくなって
ドアを開けて出て行く
いつものカバンだけ手にして
鍵もかけずに
鍵を持たずに
冷たい風を吸い込むと
ガラスが曇って
景色が見えにくくなった
ほつれた毛糸の先を引っ張ると
スルスルと
虫が行進するように
ほどけていって
どこでやめていいのか
わからなくなる
冷凍庫では
シャーベットができたはずだ
作るのは好きだが
食べておいしかったことがないので
もう関心がなくなっている
あなたは
むずかしい計算をしようと
指を折って数えているが
問題の意味が解らないので
ちっとも解決に結びつかない
扇風機がカタカタいいだして
壊れそうなので
コードを引っ張って抜いた
見る間に
首に汗が吹き出してくる
いらだって
持っているものを
床に投げると
もうその場にはいたくなくなって
ドアを開けて出て行く
いつものカバンだけ手にして
鍵もかけずに
鍵を持たずに
2011年7月9日土曜日
バイバイ
きょうはあなたと過ごした最後の日
朝焼けのような夕焼けが
ビルの向こうに見える
昼
あなたはバイバイといって
バスにに乗って帰って行った
裸足に新しいスニーカー履いて
いつもの喫茶店で
私は考え事をしようとしているが
なにも考えることができない
あなたはいつもの
笑顔で
私との話の続きを
自然に話していた
そして
大戸屋にいきたいといって
そこでおいしそうにチキンとトロロご飯を食べた
私はあなたとは
付き合っていなかったのではないかと
今更思えてきて
必死に打ち消そうとしたができなかった
あなたは家を出て
夜通しDJの紡ぐ音楽に身を投げて
踊った
そこにはあなたの愛する男がいた
あなたは体を弾ませると
自分がこの場から飛び出していっているのを感じた
もはや私は私の姿をどこにも見出すことができなかった
丸まったミミズが陸亀に喰われている映像を
思い出した
魅力のない人生が落ちていたら
それは届けずに放っておいてあげたら
私は生まれ変わり
かっこよく颯爽と生きて行きたい
朝焼けのような夕焼けが
ビルの向こうに見える
昼
あなたはバイバイといって
バスにに乗って帰って行った
裸足に新しいスニーカー履いて
いつもの喫茶店で
私は考え事をしようとしているが
なにも考えることができない
あなたはいつもの
笑顔で
私との話の続きを
自然に話していた
そして
大戸屋にいきたいといって
そこでおいしそうにチキンとトロロご飯を食べた
私はあなたとは
付き合っていなかったのではないかと
今更思えてきて
必死に打ち消そうとしたができなかった
あなたは家を出て
夜通しDJの紡ぐ音楽に身を投げて
踊った
そこにはあなたの愛する男がいた
あなたは体を弾ませると
自分がこの場から飛び出していっているのを感じた
もはや私は私の姿をどこにも見出すことができなかった
丸まったミミズが陸亀に喰われている映像を
思い出した
魅力のない人生が落ちていたら
それは届けずに放っておいてあげたら
私は生まれ変わり
かっこよく颯爽と生きて行きたい
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