みにくいアヒルの子は
白鳥になれて よかったね
私はみにくいまま
おとなになってしまった
とりえのない人間
飛ぶこともできず
仲間からも疎まれ
一人で部屋にいる
空の彼方に群れて消えていく美しい鳥を見上げては
きょうも大きく溜息を吐く
お寺の鐘が人生を弔おうとしている
自分の下にあるものだけが
自分の友だち
地面の草とか
影とか
零した涙
瓶の蓋
タバコの包装紙
でも
こんな私にだって
愛をくれた人がいた
優しいことばをかけ
握手してくれた人がいた
愛の代償を返す力はないかもしれないが
どうにかしてなにかを返そうと思う
働きの悪い脳みそを励まし
チャンスをうかがいながら
計画を考える
いま
生きている
2011年6月9日木曜日
ページビュー合計 8,190 詩☆未来創作
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2011年6月8日水曜日
2011年6月7日火曜日
よろめく
私はまたまたよろめくよ
あなたが私を狙ったから
優しい言葉だけじゃなくって
鋭い目で見つめてきたから
手を握ると思ったタイミングで
別の人の話を始めたから
まだまだいきなり倒れこむよ
あなたを目がけて
笑顔同士のにらめっこ
自然な感じで出来たから
もう考えるのはよそうと思っていたことを
あなたがしゃべり始めたから
空では雲が流れていた
眩しそうにあなたは見上げ
私はあなたの形の良い鼻と
眉毛のラインとをじっくりと見ていた
スキなところを憶えておくよ
別れたあとで理由がつかめるように
嫌いになれるように
あなたが私を狙ったから
優しい言葉だけじゃなくって
鋭い目で見つめてきたから
手を握ると思ったタイミングで
別の人の話を始めたから
まだまだいきなり倒れこむよ
あなたを目がけて
笑顔同士のにらめっこ
自然な感じで出来たから
もう考えるのはよそうと思っていたことを
あなたがしゃべり始めたから
空では雲が流れていた
眩しそうにあなたは見上げ
私はあなたの形の良い鼻と
眉毛のラインとをじっくりと見ていた
スキなところを憶えておくよ
別れたあとで理由がつかめるように
嫌いになれるように
2011年6月6日月曜日
2011年6月5日日曜日
2011年6月4日土曜日
あなたは私を見つめて
どんな目にあっても
体は汚れない
洗えばきれいになっていく
いつか映画で見た
美しい水車小屋の
朽ちかかった板と柱の
ホコリを払い
あなたの心は住んでいる
風が木々を揺する音
水が岸にぶつかり渦巻く音
鳥がさえずりに来る
永遠の会話を
遠くの耳で聴いている
すべてを
緑色のものが覆ってしまいそう
雲は時々やってきて
それを心配そうに見守る
嵐の日も
月が眩しすぎる夜も
季節替わりが訪れる時も
緑は着々と
この星のこの地を覆おうとしていた
あなたは
いま
動こうとしない
そんなことが何回あっただろう
あなたは
音叉をトンとたたいて
過去と
これからくるだろう未来の
チューニングをしようと試みる
その
試み自体が
私には
美しい絵のように見えている
誰も言葉を発するものが
いないかのようだ
わたしが
何かの拍子で振り向いた時も
あなたはただ私を見つめて
立っていただけだった
体は汚れない
洗えばきれいになっていく
いつか映画で見た
美しい水車小屋の
朽ちかかった板と柱の
ホコリを払い
あなたの心は住んでいる
風が木々を揺する音
水が岸にぶつかり渦巻く音
鳥がさえずりに来る
永遠の会話を
遠くの耳で聴いている
すべてを
緑色のものが覆ってしまいそう
雲は時々やってきて
それを心配そうに見守る
嵐の日も
月が眩しすぎる夜も
季節替わりが訪れる時も
緑は着々と
この星のこの地を覆おうとしていた
あなたは
いま
動こうとしない
そんなことが何回あっただろう
あなたは
音叉をトンとたたいて
過去と
これからくるだろう未来の
チューニングをしようと試みる
その
試み自体が
私には
美しい絵のように見えている
誰も言葉を発するものが
いないかのようだ
わたしが
何かの拍子で振り向いた時も
あなたはただ私を見つめて
立っていただけだった
2011年6月3日金曜日
白い肌
トンチンカンなことばかり
当の本人大真面目
いつもあたふたしてるけど
ある蓋どれも開けたまま
恋もするけど嫌われて
いることさえも気がつかず
トボトボ帰る狭い道
シャワーの匂い色っぽい
傘のある日は雨降らず
貸したものみな返らない
陰口悪口おだてられ
いい気になって落ち込む日
お金を払い店を出て
割り勘のはず切り出せず
綿のある場所スカスカで
上でベッドの軋む音
煙がいつも寄ってくる
閉めても閉めても開けられて
ある蓋どれも閉まらない
温め足らず食べられず
賞味期限は五年前
仏の顔も霞む目で
見るもの君の白い肌
当の本人大真面目
いつもあたふたしてるけど
ある蓋どれも開けたまま
恋もするけど嫌われて
いることさえも気がつかず
トボトボ帰る狭い道
シャワーの匂い色っぽい
傘のある日は雨降らず
貸したものみな返らない
陰口悪口おだてられ
いい気になって落ち込む日
お金を払い店を出て
割り勘のはず切り出せず
綿のある場所スカスカで
上でベッドの軋む音
煙がいつも寄ってくる
閉めても閉めても開けられて
ある蓋どれも閉まらない
温め足らず食べられず
賞味期限は五年前
仏の顔も霞む目で
見るもの君の白い肌
2011年6月2日木曜日
私は夢見て…
私は古い家
建物なので
あなたのところへゆくことはかなわい
ただ思いをこめて念じるだけだ
私の隣には古い寺があり
今時はツツジの香りが立ち込めている
掃き清められた庭は
どこから見ても美しい
ツツジの香りの良さを
あなたに届けたい
そう願って私は念じる
あなたがやってくるように
ところで
私には
一人の男が住んでいる
私を手入れし磨き上げているうちに
若い一人の娘が
やってくるようになり
すぐに男と結ばれた
娘は海からやって来たのだ
娘は私に触れてうっとりとさまよい
冷たい木の表面で熱を冷ましながら
眠った
私の木肌はツヤを増し月光と愛を交わした
寒い朝には
男と娘は
寝床の中でいつまでも夢見ていた
私も夢を見た
夜
私も
私を包む者たちも
静かに聞き耳を立てていた
男と娘は
無口になって
思いを巡らせた
その行く手に
私は佇み手招きをした
男と娘は
私の中にいた
娘が海へ
帰っているとき以外は
私の中にいた
建物なので
あなたのところへゆくことはかなわい
ただ思いをこめて念じるだけだ
私の隣には古い寺があり
今時はツツジの香りが立ち込めている
掃き清められた庭は
どこから見ても美しい
ツツジの香りの良さを
あなたに届けたい
そう願って私は念じる
あなたがやってくるように
ところで
私には
一人の男が住んでいる
私を手入れし磨き上げているうちに
若い一人の娘が
やってくるようになり
すぐに男と結ばれた
娘は海からやって来たのだ
娘は私に触れてうっとりとさまよい
冷たい木の表面で熱を冷ましながら
眠った
私の木肌はツヤを増し月光と愛を交わした
寒い朝には
男と娘は
寝床の中でいつまでも夢見ていた
私も夢を見た
夜
私も
私を包む者たちも
静かに聞き耳を立てていた
男と娘は
無口になって
思いを巡らせた
その行く手に
私は佇み手招きをした
男と娘は
私の中にいた
娘が海へ
帰っているとき以外は
私の中にいた
2011年6月1日水曜日
躊躇いびとの終幕
そろそろ色んなことが終わる
梅雨雲と一緒に彼方に消えてゆく
あとには 見る限り
何も残っていないようだ
木に咲いた小さな花が
枝を揺すっているだけだ
着せ替え人形のような
あなたの姿は
しばらく漂っていたけれど
いつの間にか手頃な人を見つけて
手を取って歩いて行ってしまった
ここにいるはずの私は
語るのをやめると
ボロボロと崩れ
見る影もない
語り手がいなくなると
物語はなかったことのように
気配さえ見当たらず
オロオロと躊躇いびとが
茶を濁すだけ
梅雨雲と一緒に彼方に消えてゆく
あとには 見る限り
何も残っていないようだ
木に咲いた小さな花が
枝を揺すっているだけだ
着せ替え人形のような
あなたの姿は
しばらく漂っていたけれど
いつの間にか手頃な人を見つけて
手を取って歩いて行ってしまった
ここにいるはずの私は
語るのをやめると
ボロボロと崩れ
見る影もない
語り手がいなくなると
物語はなかったことのように
気配さえ見当たらず
オロオロと躊躇いびとが
茶を濁すだけ
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