2014年5月8日木曜日

ゆめのなか

ねむるとき
むねのなかが
そわそわして
それがいやだから
ずっとおきてあそんでいたいのに

だれかが
わたしを
ひきずりこんで
むねのなかが
そわそわして
わたしが
どこかへ
いってしまう

いきなりみえたのは
みおぼえのあるばしょ
だけど
みんな
いつもとどこか
ちがってる

わたしが
どこかからわたしをみている
これはゆめのなかなのか
たしかめてみたら
どうもゆめではないような
きがしてしまう

おきたあとに
かんがえてみると
やっぱりあれは
ゆめのなか

ゆめのなかのわたしは
わたしのなかで
ねむってしまったんだ

きっとねむるとき
むねのなかが
そわそわしたでしょう


2014年5月7日水曜日

か行の歌

きってをはって
てがみをだした
きっとへんじは
こないでしょう

きっぷをかって
このまちにきた
きみとは
けんかばかりです

きいてほしくて
でんわをかけた
きらわれそうで
すぐきった

きつねのこども
きままにさんぽ
きいろいこすもす
コンコンコン

2014年5月6日火曜日

アミーゴ シルブプレ

アミーゴって
ぼくは いった
いみは わからないけど

ごろにゃーごって
コジイが いった
ぼくには
いみは わからないけど

シルブプレって
ぼくは わらいながら いった
ぴちょぴちょぴーって
ピーニョがいつものように いった

ごはんできたわよって
ママがきて いった
ぼくは
いただきますって
スプーンをもっていった

テレビが
うたをうたってた
おちゃわんが
かちかちっていった

2014年5月5日月曜日

おさるのべんとう

おさるのべんとう
なかみはなあに
のぞいてみよう
おいしそう

しろいごはんに
おかかにうめぼし
こげめのついた
たまごやき

ぼくのべんとう
おやつはなあに
らっぷにつつんだ
ばななはんぶん

おさるとおなじ
だけどおさるは
まるまる1ぽん
ぼくははんぶん

さびしいな
さっちゃんの
うたといっしょだ
おさるはいいな


2014年5月4日日曜日

森の化石

森が白い球を隠し持っている
初夏の日
私はそれに気づいた

森は青い空を背景に
森のような顔をして
佇んでいる
(森は自分が森ではないと
 自ら思おうと努力していた)

森は
人の眼を信じていないので
高をくくって
堂々と なし崩して
白い球を高く掲げている

森は油断し
木々に注意をうながすこともしない
昔はそうではなかったのだが

森は淡い夢を見ている
その白球を
あの恐ろしい強打者めがけて投げ込むことを
投げ込まれた白球は打者が翻弄する隙間もないほど速く
おそらく音速で捕手のミットに収まる

その一部始終を
私は目撃するだろう
森は完全に敗北するだろう
森としての役目は
その時終わる
森の木々は
もうただの木の一本一本となり
化石とともに
地に横たわる道しか残されていない

2014年5月2日金曜日

名もない命として

空気が閉じ込められた
一粒の氷
グラスの中で揺らすと
心地よい音がする

私も
心地よい音で
鳴りたいと思う

遠い雷雲から落下した滴が
地を這って希った果てない夢を
この喉で受け止めて
声にしたい

星空の電波で
この星の人に伝えたい
人としてではなく
名もない命として

2014年5月1日木曜日

ビルのガラス窓に映った雲が
流れていく

あの雲は友だち
雨を降らさない雲は
何のために漂っている?

私たちを見下ろして
気分がいいだろう
きっと自分の小ささを感じて

大志を抱いているだろう

2014年4月30日水曜日

ともだちにしよう

ちからをもてあますより
なにかいいことにつかいたい

いらいらするより
みかたをみつけていっしょにてきにいどもう

うつむいてふさぎこんでも
あしもとのちいさなはなからパワーをもらおう

すぎたひびはにどとこない
これからくるひびをともだちにしよう

2014年4月29日火曜日

はなびらのかげに かくれて

はなびらのかげに
かくれて
めをつむり
こわいことが
おわるのを
まっています

すると
いいかおりが
わたしに
しらせてくれます
もう
こわいことは
おわった と

わたしは
めをひらいて
はなびらのかげから
でていきます
でんでんむしが
うしろから
ながめています

こわいことはもうおわり
そこには
いいかおりのくうきが
あるだけです
わたしは
はなはつよくて
すごい とおもいました

でも
ちいさなはなのたねが
まだ わたしのぽけっとのなかで
めをつむってふるえていました

2014年4月28日月曜日

ミミナガペンギンがとおせんぼしていた

ミミナガペンギンがとおせんぼしていた
ぼくはオナラをしにあっちへいきたいのに
オナラはひっこんでしまった
そしたらミミナガペンギンがしゃっくりしはじめた
ぼくはくまざさのあはっぱで
ミミナガペンギンのみみをこちょこちょした
するとミミナガペンギンはのたうちまわって
わらうのをこらえてた
うえのほうからおならのおとがきこえた
ペリカンきょうだいがそらをとんでいた
ぼくはしゃっくりしたくなったが
がまんした