2013年12月25日水曜日

見知らぬだれかが

心がつかれたら
重荷をいったん脇に置いて
ひと息つきましょう

ぎすぎすした衣を脱いで
日向ぼっこでも
してみましょう

好きな人と過ごした
きらめく日々を
思い出してみましょう

無垢な魂の
わがまま勝手な力を
体の芯に感じてみましょう

そして
あなたのように
心がつかれたひとのことを
見知らぬだれかが
どこかで
心配して祈りを捧げているのだと
信じてみましょう

それは全く
本当のことなのだから

2013年12月24日火曜日

気取らない幸せ

幸せをそっちのけにしておいて
それに気づかない人が多い

そしてそれに気づいたときには
もうその幸せはそこにない

メーテルリンクさんが教えてくれたのは
まだ学校に行く前のこと

ルビー色の気取ったカクテルが   いま
気取らない幸せを教えてくれた

もう学校も出て街をふらついている私に
君の居場所はそこではない   と

2013年12月23日月曜日

ケーキの入った箱を

ケーキの入った箱を
落としてしまいました
やっと手に入れた
大事なケーキ

ケーキは箱の中で
大けがしてしまったでしょう

私の顔からは
笑みがきえました
そのかわりに
涙がとまりません

あなたを守れなくて
ごめんね

強くなりたいと
願った夜

2013年12月22日日曜日

私の中に

泥水の中に落ちた
大事なもの
私の手を引いてくれたから
私
我に返った

太陽の光を跳ね返して
眩しかった

私の
大事なもの
泥水の中で
輝いていた

泥水の中から
私は
拾い上げた
泥でよごれてしまったけれど
それは
もっと大事なことを
話してくれた
私の中に
残った
その 輝き

2013年12月21日土曜日

記憶

あなたの顔は
なつかしい村

私はそこで
暮らしてた

泉の水で喉を潤し
水鏡でいい顔を作った

防風林をかき分け
砂浜に転がり遊んだ

小高い山に登り
しっとりした驟雨を浴びた

洞窟を覗き込み
コウモリのねぐらを見つけた


あなたの声は
到来(アリバダ)の知らせ

波打ち際に
一万の亀たちが上陸した

月は姿を隠し
影は命を満たした

私はあなたを縛り
あなたは一切の夜の記憶をほどいた

2013年12月20日金曜日

少年

*
みんなのまえでうたった暗い歌
聴かせたくない人がいた
*
強いものの陰に隠れ
弱い者をみていた弱い自分
*
寂しさのうえに横たわり
夢の中で遠くまで出かけた
*
自分の中の宇宙が自分を介して
外の宇宙と相談している
*
木の机に刻まれていた知らない人の名前
人差し指が覚えているそのなつかしい人

2013年12月19日木曜日

少し背伸びを

白い椅子に
空気が座っている
ほおづえをついて
私の話を聴いている

もうだいぶ長い時間が過ぎた
私は
さっきとまた同じ話をしている

空気が
あくびした
私は席を立って
改札口へ向かった

カードをかざすと
そこから数字が抜かれて
小さくなった

肩をすぼめていた私は
すこし
背伸びをしてみた

2013年12月18日水曜日

きいろいくまさん

きいろいくまさん
わらっているよ
ひとりぼっちで
ソファーにすわって

きいろいくまさん
なかないでね
わたしもひとり
ゆうごはんはパン

きいろいくまさん
どこかにいこう
だれもこれない
かなたのさとへ

きいろいくまさん
つかれてねむる
わたしもねむる
ほしぞらがいっしょ

2013年12月17日火曜日

ほしいもの

いま食べるための
ひときれのパン
いま喉を潤すための水
いま伝えなければならないことを知らせるコトバ
それをささえる勇気

私はほしい
パンでなくてもいい
水でなくても
コトバでなくても
勇気さえなくてもいい

いま
私がここに生きていくために
必要なもの

それがあれば
宇宙からの問いを
問いのまま受け入れることの大事さを
忘れることはない

流れる水さえ
止めることができる
一枚の写真に収まってしまったように
宗教画の一部となってしまったように
私は風景の一部に
積極的に加担する

黄金比のポーズさえキメて

2013年12月16日月曜日

きょうのぼく

いきているかちがない
しんだほうがましなぼく
しぬかちもない
いきているほうが
なみかぜがたたないぼく

いのちをつながない
かくんやいえもつがない
たちきるぼく

わるいせけんには
だまされてばかり
いいひとをまもれない
むりょくなぼく

ごみのかちもない
にさんかたんそをはいしゅつするぼく

はやくつちとまじって
しょくぶつになりたい
あわれでみにくいぼく

しょくぱんをたべるとき
おいしいとかんじる
そのことをだれかに
プレゼントしたい
きょうのぼく