夕焼けの日差しと一緒に
部屋の中に
悪魔が入ってきた
小さい鬼のような悪魔だ
私は彼と遊ぶことにしたが
いつ噛み付かれるか分からないので
注意しなければならないが
注意が追いつかない
頭の演算スピードは
ほとんど固まってしまっている
悪魔はそれを見透かして
仕掛けてくる
私にこの部屋を明け渡せと
遊びながら
無言で仕向けてくる
頭を働かせないことで
分かることがあるもんだなと
いま
これを書きながら思う
行間に悪魔を見つけるが
読んだ人の心に
もう
紛れ込んでしまった
2013年3月15日金曜日
2013年3月14日木曜日
2013年3月13日水曜日
きっといつまでも
指紋の溝は
いくつあるの
僕の指先
花びらに似ていると
ママは言ってった
やわらかさを知りたくて
唇にあてて
確かめた
しっとりと暖かくて
愛おしくなった
*
一まいの花びらは
季節からの
やさしい手紙
私のことを
応援してくる
生まれたばかりの私が
胸いっぱいに
すいこんだ
あの花の香り
きっといつまでも
わすれない
2013年3月12日火曜日
もし私がいなくなったら
もし
携帯が繋がったら
救えた命もあっただろう
もし
一人でいたら
生きながらえた命もあっただろう
もし
おかしいことをおかしいといっていれば
多くの命を見殺しにしなくてもよかったこともあっただろう
もし
心ある人が指図していれば
未来の命まで奪って仕舞うことはなかっただろう
もし
私がきちんとしていたら
そのことを伝えられただろう
もし
あなたが私をしかってくれたら
わたしはあなたもしかっただろう
もし
時間を戻せたら
私は繰り返さないだろう
もし
私がいなくなっても
あなたがやっていただろう
携帯が繋がったら
救えた命もあっただろう
もし
一人でいたら
生きながらえた命もあっただろう
もし
おかしいことをおかしいといっていれば
多くの命を見殺しにしなくてもよかったこともあっただろう
もし
心ある人が指図していれば
未来の命まで奪って仕舞うことはなかっただろう
もし
私がきちんとしていたら
そのことを伝えられただろう
もし
あなたが私をしかってくれたら
わたしはあなたもしかっただろう
もし
時間を戻せたら
私は繰り返さないだろう
もし
私がいなくなっても
あなたがやっていただろう
2013年3月11日月曜日
墓碑銘
辛い思いをした
誰かさん
その辛さを
どうやって耐えたの
大きな声で笑い
丁寧にお礼を言う
おばあさん
どうして
あなたは優しい人なの
すべてを失ったと言われている人
いちばんいいものが
残っているよね
私もすべてを失ったと言われるが
いちばんいいものは
残っている
ただ
それを認めたくない
困難に立ち向かう
自信がないから
勇気が湧いてこないから
誰かさん
その辛さを
どうやって耐えたの
大きな声で笑い
丁寧にお礼を言う
おばあさん
どうして
あなたは優しい人なの
すべてを失ったと言われている人
いちばんいいものが
残っているよね
私もすべてを失ったと言われるが
いちばんいいものは
残っている
ただ
それを認めたくない
困難に立ち向かう
自信がないから
勇気が湧いてこないから
飛行機に乗っていました
飛行機に乗っていました
乗務員が私のことを気遣って
助けに来ましたが
命綱をつけているので
万が一風に飛ばされても大丈夫です
翼に乗るのは初めてでしたが
怖いことはありません
しかし離陸のことを思い出せないので
ひょっとしたら恐怖のために気を失っていたのかもしれません
乗客は私を客室に戻せと騒いでいます
翼にはパイロットも乗っていましたが
私は客なので
客室にいるべきだと
私以外の全員が考えたのでしょう
私は小さな窓から押し入れられて
客室の自分の席に行きました
そこには日大芸術学部放送学科の1年後輩の女性が座っていました
窓側が空いていたのでそこに座ると
周り中が日大芸術学部放送学科の出身者でした
アナウンスは「左手前方に富士山がごらんいただけます」と告げるが
それどころではない
私は後輩や同窓生と話さねばならない
この理不尽な世の中について
みな
浮き足立っている
昼下がりの飛行機
旅は始まったばかり
関西方面は
黄砂の影響があるという
2013年3月10日日曜日
2013年3月8日金曜日
たい焼きを焼いています
たい焼きを焼きます
一日900個のたい焼きを焼くのが私の仕事です
900個のたい焼きは
買っていった人を
よろこばせていることでしょう
私はおいしいたい焼きができるよう
いつも考えています
たい焼きを焼くとき
私は生地と餡のバランスと
焼き加減を考えています
繰り返し考えています
鉄板に向き合っていると
顔が熱くなり
休みなく立って焼いていると
夕方には腰や脚が痛くなります
それでも
一日焼き終わり
バスで帰宅するとき
つり革につかまりながら
私はたい焼きを食べる人のことを思うと
疲れさえ心地よく感じるのです
私は休み無く
たい焼きを焼いています
休むことがいやだからです
休みの日があれば
休みの日に何をすべきか
考えなくてはいけなくなります
それはたい焼きを焼くことを
穢(けが)すことになります
私はたい焼きを焼くことが大好きで
天職だとおもっています
それで週5日はデパートで焼き
後の二日はスーパーで焼いているのです
私はたい焼きを食べることも好きですが
一日1枚しか食べません
贅沢に思われるからです
たい焼きを食べるとき
私は神聖な気持ちになり
理想的な家族像を思い浮かべます
私がたい焼きを焼き始めて
長い年月が経ちました
これからも
いいたい焼きが焼けるよう
一生懸命やっていきたいと思います
たい焼き焼きの境地に達し
さらにその道を極めつつ
焼いていきたいと思います
私の焼くたい焼きは
デパートで90円
スーパーでは120円で売られています
これは黒あんの値段です
2013年3月7日木曜日
理解者
ぼくのそばに立って
石を投げてくる人がいる
ボッチャン
ぼくを呼んでいるのはだれ?
わたしのところへ来て
椅子に座って泣き出した子
泣き終えると鼻をかんで
自分を励まして去っていった
あんたはだれ?
池のほとりに佇んで
にんまり笑っている詩人さんは
だだ一人の理解者
登録:
投稿 (Atom)