2012年8月19日日曜日

初めての匂い

この空気の匂いは
あの時と同じ
初めてここにきた時に胸に吸い込んだ
いい匂い

それは未来の希望そのもの
太陽が照りつけても
雨が降り続けても
なくなることなく
胸に芳っていた

だが
何時の間にか忘れてしまっていた
その匂い

いま
突如その匂いと再会し
目の前に
希望の後姿が現れた
希望の顔が見たかったら
追い越して
振り返らなくてはならない

一からやり直しだが
初めてやるのと変わらない

その匂いに誘われて
そわそわ
何もかもを
始めようとする

知らない土地を訪れた
歳若い旅人のように

これからあなたを

やることがなくて
人の集まる場所に行って
道に立って
行き交う人を見ていた
暑かったので
ノースリーブで
背中は裸にあやとりみたいな紐
Tバックにして足も出した
悲しかった
その上寂しかったので
誰かと出会い
バクチに出たかった

分かってくれない人は
そのままでいい
鈍いやつはキライ
私はニブくないから
キレないし
綺麗ではないけど
綺麗だと言ってくれる人は
嘘で言っているのではないと
わかる時がある

香林坊から片町へ
私は夜の仕事をしている女たちみたいに
なりたくないが
よく考えたことはない
どこが違うのか
どこが一緒なのか

私の脚は細くて長い
光を反射して
たまに見とれてしまい
自分のものと思えなくなる

あなたのものでもないけれど
これから
あなたを探すのよ

2012年8月18日土曜日

いやらしいひとは

いやらしいひとは
私が泣く時 かえって勢い良く笑っている
いやらしいひとは
私の知らないところで私を馬鹿にして楽しんでいる
いやらしいひとは
いやらしくありませんという顔をする
いやらしいひとは
いやらしいひとだと薄々ばれている
いやらしいひとは
むかしはいやらしくなかった
いやらしいひとは
途中からいやらしいひとになったのだ
その原因は
私にあるかもしれない

2012年8月17日金曜日

何故口車に

何故雨が振っているのだろう
誰も傘を差していないのに
何故口車に乗るのだろう
タクシーさえ嫌いな人なのに
何故優しくしてくれるんだろう
会ったこともない知らない人なのに

2012年8月16日木曜日

威張っている人

威張っいている人は
人々を見下している
物事を馬鹿にしている

下ばかり見ているので
前を見ることができない
物事を馬鹿にしているので
自己陶酔して孤立している

威張っている人に会った
威張っている人は元気だった
だが
悲しそうに見えた

威張っいる人は
威張りながら言った
「君を助けてあげようか」

「助けて欲しい」
とこたえると
「助けたら何をしてくれる?」
と言った

威張っている人は
かわいそう
威張っている人は
威張ることが人生
威張っている人を
助けてあげたい

威張っている人を
どうやって助ける?

2012年8月15日水曜日

うらみのかんじょうは

うらみのかんじょうは
どうやってもっていたらいいですか
すてようとしても
すてられないやっかいな きもち
にくしみにかわらぬよう
かんししていたほうがいいですか
あいじょうをくわえると
なにかべつのものに かわりますか
おしえてください
だれでもいいから
おしえてください
あなたにはかんしゃするから

うらみのかんじょうは
ながいじかんがけいかすると
つるつるのひょうめんをもつ
きずあとにかわったりしないのでしょうか

2012年8月14日火曜日

私を生かす

来年も今日の日はやってくる
カレンダーには
来年の今日の日付も印刷されている
来年だけでなく
この先ずっと 
毎年今日の日はやってくる

そこに誰が居るかは
その時にならないと分からない

今日の日が
また来年も
再来年もやってくることは楽しいこと

やってくるかどうかわからないものを待っているのも
悪くはないが
必ずやってくるものがあることは
私を生かし続ける

2012年8月13日月曜日

護美

あなたの周りにゴミはありませんか
明日はゴミの日です
燃えるゴミの日です
燃えやすい燃えにくいに関係なく
「燃えるとゴミ」と分別されたものを
出すことができます

私は燃えるゴミの日が好きですが
同時に恐怖を感じます
「生ゴミは燃えるゴミとして出してください」と
書いてあります
生ゴミを出すのは気持ちがいい
部屋の中からゴミが消えるのは気持ちがいいものですが
自分が消えて燃やされてしまうことを
考えずにはいられません

あなたはゴミの日が好きですか
あなたのゴミはどんなものが多いですか
人によってゴミの種類も基準も違います
まだゴミだと思えないものであっても
他人から見れば「最初からゴミであった」ということも
しばしばあります

さてみなさん
明日はどんなゴミを出しますか
燃えるゴミのなかに
「燃えない」と分別されるゴミを混ぜると
心が傷んでゆきます
ゴミ萌ぇ~

私はゴミよりも
ゴミの日のさわやかな空気が好きです
何もかもなかったことにするような
白けた空気が


2012年8月12日日曜日

あなたのことを

楽しいことはいくつもあった
ごはんがおいしいと感じたことも
朝の光が眩しくてやる気が満ちてきたことも
愛する人がいることに涙したことだってあった

そんな瞬間は
日々の中に散りばめられていたから
気づかぬふりをしていても
それらは絶え間なくやってきたので
私を満たしてくれた

あなたは私の傍らにいて
私の方を見ながら
たまに笑った
取り留めもないことを話題にして
げらげら笑うこともあった

楽しいことは
いつも私の不安を先送りにして
おかげで私は不安に捕まってしまうことがなかった

だが
不安に捕まってしまった人は
絶望色に染められて
中身まで絶望に侵食されるのが
時間の問題だった

私には何かできるのだろうか
ひょっとして私の中の不安も引き出されて
私たちは飲み込まれてしまうのではないか
そんな不安が
私を不安に捕まってしまった人から遠ざけた

ごめんなさい
心は叫んでいたけれど
私は忘れようとしていた
大好きな
あなたのことを

2012年8月11日土曜日

くすぐったいものは要らなかったのかもしれない

あの人が死んだ時に生まれた光が
いまあなたの上に降り注いで
何かを伝えようとしているが
あなたは気づかないでいる

あなたは
わたしは
向きあって
静かな話をしているから
遠くで鳴いた鳥の声も
意識の上では像を結ばない

あの人が生まれた時に消えた光が
また灯る
そして
さっき届いた光と波長を交感して
私たちの眼にH2Oの滴を浮かび上がらせた

風邪がそれを乾かそうとしたが
それより前に二人はそれを拭ってしまった

理由を物事から排除するように
ただ生きていることを感じたかったから
くすぐったいものは
要らなかったのかもしれない