次々と建物が建つ
そこに
次々と透明な塔が建つ
そこに
時が経つ
そこに
居なくなった人々が立つ
そこに
友達たちの裸体が立つ
私は後悔を隠さない
懐かしい思い出を
そこに遊ばせる
ラジオやら電話やらの電波が
そこに
留まることはなく
鳥の影さえ
通りすぎてゆく
階段を逆から昇る人
足音を吸着するフィルムを
回収するゴミ収集車
そこは
そこにいるひとにとって
あそこ
あそこは
彼らの中心
誰が発しているのかわからない声が
くちびるの奥で
君の名を呼んだ
2012年7月24日火曜日
2012年7月23日月曜日
宇宙人
さっきから猫を撫でてかわいがっている人は
半分 猫に成りかかっている
本人は気づいていないらしい
猫も 四分の一ほど
ヒトに成りかかっている
二つの生き物が
歩み寄り
混ざり合い
お互いの中に入っていくことは
よくあることだ
猫とヒトとの境界線に
夕日が沈み
星が輝きはじめる
私はその星を見て
六割ほど
宇宙人に成りかけている
半分 猫に成りかかっている
本人は気づいていないらしい
猫も 四分の一ほど
ヒトに成りかかっている
二つの生き物が
歩み寄り
混ざり合い
お互いの中に入っていくことは
よくあることだ
猫とヒトとの境界線に
夕日が沈み
星が輝きはじめる
私はその星を見て
六割ほど
宇宙人に成りかけている
2012年7月22日日曜日
友達と私は
野菜を作っている友達は
やや黒い
詩を書いている私は
やや白い
友達はやや痩せていて
私はやや太っている
太陽は友達を毎日長い時間照らし
エアコンの風は私に毎日長い時間吹く
友達と私はだいぶ違う
私は友達とだいぶ違う
私が考えている時
友達は夢を見ている
2012年7月21日土曜日
もうすぐ目薬を
目薬をさしてあげよう
愛する人よ
水晶を抱えたコーヒー色の瞳が好きだ
綺麗な円を描き
外側に広がっていき
やがてぼんやり白昼のもとに消えていく瞳
境界線からは陽炎が立ち上っている
瞼を閉じた瞳も好きだ
睫毛とともに動きやがて震えながら静止する
瞼
瞳を包んだ瞼は
こんもりと丘を作り
光沢のある黒曜石やガラスの粉が
表面で光っている
嬰児を孕み
予感の胎動を
扱いきれずに
放出している
睫毛は筆とは違う
瞼と瞳の間に
決まりごとを作っている
私は
そのあたりを含め
すべてが好きだ
大好きだ
愛する人よ
水晶を抱えたコーヒー色の瞳が好きだ
綺麗な円を描き
外側に広がっていき
やがてぼんやり白昼のもとに消えていく瞳
境界線からは陽炎が立ち上っている
瞼を閉じた瞳も好きだ
睫毛とともに動きやがて震えながら静止する
瞼
瞳を包んだ瞼は
こんもりと丘を作り
光沢のある黒曜石やガラスの粉が
表面で光っている
嬰児を孕み
予感の胎動を
扱いきれずに
放出している
睫毛は筆とは違う
瞼と瞳の間に
決まりごとを作っている
私は
そのあたりを含め
すべてが好きだ
大好きだ
2012年7月20日金曜日
目撃者
たとえば
すべり台の途中で
世界がわたしの前から突然溶けて
なくなって
独りだけすべり台の途中の位置に
取り残されてしまったら
一緒にいたあなたは消え去った世界で
何を頼りに生きていけばいいのだろう
あなたのことがいつも心配だ
私のことを忘れてしまう
あなたは私のことを
忘れているのではないか
とある午後
私はあなたに鍵をかけて
その鍵を飲み込んだ
あなたの中に誰も出入りできず
あなたがさらわれても
誰も気づかぬように
ただ私だけが
それを目撃していた
すべり台の途中で
世界がわたしの前から突然溶けて
なくなって
独りだけすべり台の途中の位置に
取り残されてしまったら
一緒にいたあなたは消え去った世界で
何を頼りに生きていけばいいのだろう
あなたのことがいつも心配だ
私のことを忘れてしまう
あなたは私のことを
忘れているのではないか
とある午後
私はあなたに鍵をかけて
その鍵を飲み込んだ
あなたの中に誰も出入りできず
あなたがさらわれても
誰も気づかぬように
ただ私だけが
それを目撃していた
2012年7月19日木曜日
木の子ども
木の子どもは
父母(ちちはは)に抱(いだ)かれて空に顔を出す
笑顔の表面は
つややか
風も
やってきた小さな虫も
滑ってしまう
木の子どもは
父母に抱かれてオトナになる
清々しく薫る
花を咲かせる
誰も
その花に
見惚(みと)れないものはいない
木の子どもは
もう子どもではなくなった
だが笑顔は
あの日のまま
(李先生に)
父母(ちちはは)に抱(いだ)かれて空に顔を出す
笑顔の表面は
つややか
風も
やってきた小さな虫も
滑ってしまう
木の子どもは
父母に抱かれてオトナになる
清々しく薫る
花を咲かせる
誰も
その花に
見惚(みと)れないものはいない
木の子どもは
もう子どもではなくなった
だが笑顔は
あの日のまま
(李先生に)
2012年7月18日水曜日
あなたは私を無視しないの
信じてよ 私を
信じないでよ 私を
私に言われて変えないでよ あなた
私に言われて変えてよ あなた
あなたに抱かれたいの 私
あなたに抱かれたくないの 私
立ち入ってこないでよ あなた
立ち入ってよ あなた
しらけた顔で見物しないでよ 私たち
しらけた顔で見物してよ 私たち
雨が激しく降ってきたじゃないか 心の中
雨が激しく降ってきてないじゃないか 心の中
すべては私を飲み込まないの 死ぬまで
すべては私を飲み込むの 死ぬまで
あなたは私を無視するの 昨日から
あなたは私を無視しないの 昨日から
信じないでよ 私を
私に言われて変えないでよ あなた
私に言われて変えてよ あなた
あなたに抱かれたいの 私
あなたに抱かれたくないの 私
立ち入ってこないでよ あなた
立ち入ってよ あなた
しらけた顔で見物しないでよ 私たち
しらけた顔で見物してよ 私たち
雨が激しく降ってきたじゃないか 心の中
雨が激しく降ってきてないじゃないか 心の中
すべては私を飲み込まないの 死ぬまで
すべては私を飲み込むの 死ぬまで
あなたは私を無視するの 昨日から
あなたは私を無視しないの 昨日から
2012年7月17日火曜日
うえからものを
うえから ものをいうひと
したを みている
うえから ものをいわれるひと
うえを みている
うえから ものをいうひと
したしか みない
うえから ものをいわれるひと
ひろいうちゅうが ひろがっている
したを みている
うえから ものをいわれるひと
うえを みている
うえから ものをいうひと
したしか みない
うえから ものをいわれるひと
ひろいうちゅうが ひろがっている
2012年7月16日月曜日
ぶんかいま
やきなす
やきな
や
きなこ
きな
こまったな
こまつな
こま
つた
な
まわり
ひまわり
まり
ひま
ま
まり
なつのよ
つのよ
な
よの
よ
りくつづき
りくつずき
くつ
つづき
くすりづけ
すりつけ
つけ
け
けつろん
けつろ
ろん
んろ
ん
やきな
や
きなこ
きな
こまったな
こまつな
こま
つた
な
まわり
ひまわり
まり
ひま
ま
まり
なつのよ
つのよ
な
よの
よ
りくつづき
りくつずき
くつ
つづき
くすりづけ
すりつけ
つけ
け
けつろん
けつろ
ろん
んろ
ん
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