あなたは遠くにいて
表面張力でとどまっている
悲しみを
アイレベルに捉えて
そこに
過去の海の水平線を重ねるようとするが
一つにしつこいカモメに邪魔され
二つに地球の丸さに阻まれて
うまくできずにいる
そのせいで
悲しみは
とどまったまま
おとなしくあなたのまえに
いつまでもある
あなたは私にメールしてきて
悲しみの扱い方を
質問した
私は
フリーザにいれて
固めてしまうことをすすめようとして
思いとどまった
固めるまえに
一度
見てみたくなったからだ
2011年7月31日日曜日
2011年7月30日土曜日
あなたに教えるのは
あなたに本当のことを教える人がいないから
あなたは嘘の土台で造られた世間の中で生きている
私もあなたに本当のことを教えないので
世間の人間と大差がない
人はみなそうしているのだ
ただ
本当のことは
自分で知ることができる
そのことを
あなたに教えよう
それは
ある朝目覚めると
寄り添うように
隣に横たわっていたりする
息の音も立てずに
自然にあなたのことを見ている
他の出会い方もあるがだいたいこんな感じだ
その時
あなたは気づく
本当のことは
自分で知ることができると
自分で問いかければいいのだと
起きて
活動を始めるとそれは
どこかに隠れてしまうが
気配だけがときどき現われる
そんなゆるい
宙ぶらりんな私のアドバイスだが
じっさいそんなものだ
強く堂々とした
自信に満ちたものなど
無理してでっち上げられたものばかりなのだ
だから
あなたに教えるのは
あやふやな話
私のあなたに対する感情と同じ
あなたは嘘の土台で造られた世間の中で生きている
私もあなたに本当のことを教えないので
世間の人間と大差がない
人はみなそうしているのだ
ただ
本当のことは
自分で知ることができる
そのことを
あなたに教えよう
それは
ある朝目覚めると
寄り添うように
隣に横たわっていたりする
息の音も立てずに
自然にあなたのことを見ている
他の出会い方もあるがだいたいこんな感じだ
その時
あなたは気づく
本当のことは
自分で知ることができると
自分で問いかければいいのだと
起きて
活動を始めるとそれは
どこかに隠れてしまうが
気配だけがときどき現われる
そんなゆるい
宙ぶらりんな私のアドバイスだが
じっさいそんなものだ
強く堂々とした
自信に満ちたものなど
無理してでっち上げられたものばかりなのだ
だから
あなたに教えるのは
あやふやな話
私のあなたに対する感情と同じ
2011年7月29日金曜日
黒い雲
黒い雲が頭上にあるが
四方の空は晴れている
薄暗い夕暮れの景色だが
鮮やかな輝きが周囲を
彩っている
沈黙している人々は
自分の世界に閉じこもって
見物を決め込み
気持ちなどという邪魔なものは胸の奥に押し込んでいる
こんな日は
大人しくしていた方がいいに違いないが
やむを得ぬ事情により
出かけなくてはならない
どんな運命が待っているのだろうか
きょうの夕空のようなぼくに
四方の空は晴れている
薄暗い夕暮れの景色だが
鮮やかな輝きが周囲を
彩っている
沈黙している人々は
自分の世界に閉じこもって
見物を決め込み
気持ちなどという邪魔なものは胸の奥に押し込んでいる
こんな日は
大人しくしていた方がいいに違いないが
やむを得ぬ事情により
出かけなくてはならない
どんな運命が待っているのだろうか
きょうの夕空のようなぼくに
2011年7月28日木曜日
欲望のダンス
欲望のダンスがつづいているね
月夜の庭で
いつまで続くか
分からないでやっているんだね
海辺でやっていたパーティーも
合流して
盛り上がっている
倒れそうな人もいるよ
誰が誰だか分からない
おまけに
何かをする訳と
その持ち主たちも
混沌と混じりあってしまったね
理由や理屈は
必要ないと叫んでいた人が
泡を吹いて倒れたよ
シャンパンの栓を抜きながら
きらめく星をちりばめた
美少女が
ひたひたと
裸足で歩いているから
みんなも浮足立っているね
この世からすこし浮いて
欲望を軽くしているんだね
月夜の庭で
いつまで続くか
分からないでやっているんだね
海辺でやっていたパーティーも
合流して
盛り上がっている
倒れそうな人もいるよ
誰が誰だか分からない
おまけに
何かをする訳と
その持ち主たちも
混沌と混じりあってしまったね
理由や理屈は
必要ないと叫んでいた人が
泡を吹いて倒れたよ
シャンパンの栓を抜きながら
きらめく星をちりばめた
美少女が
ひたひたと
裸足で歩いているから
みんなも浮足立っているね
この世からすこし浮いて
欲望を軽くしているんだね
2011年7月27日水曜日
彼方へとやり過ごすもの
右から左に夜景を受け流す
光る銃弾が無数に流れている
それは資本主義によって
美化されている
銃弾をかいくぐって人々は
営みを続けている
時に身を低くかがめて
聞き耳を立てている
ある家では
香りのいい葉が焚かれ
男の太く黒い枝が
女のか細く白い枝に
しなだれかかり
キュウキュウと音を立てながら
交わろうとしているが
もともと無理な行為であることを無視しているので
弾けて別の割れ目と裂け目が
樹液で一瞬固定されるのが
せいぜいいいところであり
だが
その刹那の音色にほだされ
毎夜交わろうとする
男と女は
そのことに関しては
疲れ知らずだ
やはり
夜景を受け流しながら
予定表にない行為を
始めるのだ
右から左へと
やり過ごされた風景は
いまはもう
上から下へと
受け流されている
それは民主主義によって
堕落へと
向かわされているかのようだ
光る銃弾が無数に流れている
それは資本主義によって
美化されている
銃弾をかいくぐって人々は
営みを続けている
時に身を低くかがめて
聞き耳を立てている
ある家では
香りのいい葉が焚かれ
男の太く黒い枝が
女のか細く白い枝に
しなだれかかり
キュウキュウと音を立てながら
交わろうとしているが
もともと無理な行為であることを無視しているので
弾けて別の割れ目と裂け目が
樹液で一瞬固定されるのが
せいぜいいいところであり
だが
その刹那の音色にほだされ
毎夜交わろうとする
男と女は
そのことに関しては
疲れ知らずだ
やはり
夜景を受け流しながら
予定表にない行為を
始めるのだ
右から左へと
やり過ごされた風景は
いまはもう
上から下へと
受け流されている
それは民主主義によって
堕落へと
向かわされているかのようだ
2011年7月26日火曜日
今ごろあなたは
今ごろあなたは
裸になって
誰かに抱かれているだろう
私は洋服を着て
アクセサリーを身につけて
会議に出ている
あなたは呼吸の乱れに
苦しさと同時に快楽を感じる
風の通り抜けない部屋で
汗にまみれて目をつむっているのか
あいているのかさえ分からないでいる
私は冷たいお茶を喉に流し込み
ペンを走らせ
大きく頷くことを繰り返す
首のもげた花を見つけ
目が離せない
夜の電車で
帰る家がない
裸になって
誰かに抱かれているだろう
私は洋服を着て
アクセサリーを身につけて
会議に出ている
あなたは呼吸の乱れに
苦しさと同時に快楽を感じる
風の通り抜けない部屋で
汗にまみれて目をつむっているのか
あいているのかさえ分からないでいる
私は冷たいお茶を喉に流し込み
ペンを走らせ
大きく頷くことを繰り返す
首のもげた花を見つけ
目が離せない
夜の電車で
帰る家がない
告知…きょう、朗読セッションに参加します
荻窪、6次元で開催するセッションに参加します(主催者でもあるので)。当日飛び入り歓迎、1ドリンク付き。途中入場退出OK。19時から21時。2000円。
7/26(火)19時〜《荻窪ポエトリーセッション》ポエペンシルを発売する文月悠光さんと、もう一人のゲストは谷郁雄さん。谷さんはホンマタカシさん、佐内正史さん、長島有里枝さん、リリーフランキーさん、石川直樹さん、浅田政志さんなど著名な写真家とコラボした詩集を数多く出版されています。
2011年7月25日月曜日
ただいるだけで
何もしゃべらなくても
愛想をふりむかなくても
ただいるだけで美しい人
出会ったいきさつの運命を確認しあわなくても
一緒に見た風景の演技の見事さを共有しなくても
歩いた街の笑顔の出来事を思い出さなくても
ただいるだけで美しい人
お互いの夢を見せ合わなくても
過去を並べて鑑賞しなくても
楽しいエピソードを語らなくても
ただいるだけで美しい人
だだいるだけで美しい人は
ただいるだけで美しい
だだいるだけで美しい人は
私の前にいるとき
一番美しいのか
私の前にいないときに
もっと美しいのか
ただいるだけで美しい人は
美しく朽ちている
朽ちている美しさが
語られない魅力を携え
あなたの香りを放っている
愛想をふりむかなくても
ただいるだけで美しい人
出会ったいきさつの運命を確認しあわなくても
一緒に見た風景の演技の見事さを共有しなくても
歩いた街の笑顔の出来事を思い出さなくても
ただいるだけで美しい人
お互いの夢を見せ合わなくても
過去を並べて鑑賞しなくても
楽しいエピソードを語らなくても
ただいるだけで美しい人
だだいるだけで美しい人は
ただいるだけで美しい
だだいるだけで美しい人は
私の前にいるとき
一番美しいのか
私の前にいないときに
もっと美しいのか
ただいるだけで美しい人は
美しく朽ちている
朽ちている美しさが
語られない魅力を携え
あなたの香りを放っている
2011年7月24日日曜日
花火を創る
遠くで花火が上がっているのだろう
電話越しに
花火の音が聞こえ
あなたは大はしゃぎ
おいてけぼりの私は
頭の中で自分の花火を創造する
あなたの向こうの
崖の向こうに
頼りなく糸を引いて登っていった白い玉が
はじけて
大きな光の輪を拡げる
反射したあなたの笑顔の横顔に
色が踊る
明暗を繰り返しながら色を変え
降りていく光に
あなたはなんの不安を感じることもなく
次の花火が打ち上がるのをまっている
私は
次の花火を創って
打ち上げる
汗のような涙をこらえながら
秋の虫のなく声が聴こえるまで
電話越しに
花火の音が聞こえ
あなたは大はしゃぎ
おいてけぼりの私は
頭の中で自分の花火を創造する
あなたの向こうの
崖の向こうに
頼りなく糸を引いて登っていった白い玉が
はじけて
大きな光の輪を拡げる
反射したあなたの笑顔の横顔に
色が踊る
明暗を繰り返しながら色を変え
降りていく光に
あなたはなんの不安を感じることもなく
次の花火が打ち上がるのをまっている
私は
次の花火を創って
打ち上げる
汗のような涙をこらえながら
秋の虫のなく声が聴こえるまで
2011年7月23日土曜日
ウィンクされた
古い木の机で
新しいあなたに
手紙を書いている
気づくと
木の机が
勝手に手紙に関与してきている
書きたいことが
知らない思い出の上を
歩いて行く
通ったことのない森の中の道を
明るく輝く雲に平行に歩いて行く
草の積もった足元の地面が
心地よい
私は
木の机が何を思っているのか
先回りして
私の手紙に関与するのを
食い止めようと試みてみた
だがそれはできないことだった
木の机のことを考えると
自分の計画のことをすっかり忘れてしまうのだ
そわそわしながら
そうしているうちに
ずいぶんと時間が過ぎ
手紙は終わりの行を迎えようとしていた
もう手紙用のストラスモアライティングレイドのペーパーも
最後の一枚だ
それを意識した時
囁くように
あなたの名前を呼ぶ気配がした
見ると
紙のうえの 。 がウインクしていた
新しいあなたに
手紙を書いている
気づくと
木の机が
勝手に手紙に関与してきている
書きたいことが
知らない思い出の上を
歩いて行く
通ったことのない森の中の道を
明るく輝く雲に平行に歩いて行く
草の積もった足元の地面が
心地よい
私は
木の机が何を思っているのか
先回りして
私の手紙に関与するのを
食い止めようと試みてみた
だがそれはできないことだった
木の机のことを考えると
自分の計画のことをすっかり忘れてしまうのだ
そわそわしながら
そうしているうちに
ずいぶんと時間が過ぎ
手紙は終わりの行を迎えようとしていた
もう手紙用のストラスモアライティングレイドのペーパーも
最後の一枚だ
それを意識した時
囁くように
あなたの名前を呼ぶ気配がした
見ると
紙のうえの 。 がウインクしていた
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