2011年6月22日水曜日

いい馬

人の恋を邪魔すると
馬に蹴られて死ぬそうだ
いい馬だといいね

ずるい

ずるいね
ずるくないようにみせて
そのことまで忘れてしまうなんて

悪い癖

いい気になるのは悪い癖(くせ)
陰気になるのはもっと悪い癖
癖だと思っているのはさらに悪い癖

2011年6月21日火曜日

天空のラプソディ

夕飯。空豆の天ぷら。あと、おそばでござる。

夕飯。空豆の天ぷら。あと、おそばでござる。
夕飯。空豆の天ぷら。あと、おそばでござる。

夕飯。空豆の天ぷら。あと、おそばでござる。


夕飯。天ぷらの空。ござるあとで豆、おそば。

夕飯。天ぷらの空。ござるあとで豆、おそば。

おそば、飯のあと夕空。豆。ござる天ぷらで。

おそば、飯のあと夕空。豆。ござる天ぷらで。

天、夕空の豆。おそばで、らぷるとあござ飯。

あござ、天空の豆。おそばでぷらる飯。と夕。

ばお、空で夕。天ざる。おとご豆あの飯らぷ。

ぷら飯。天でお豆。空ござと、ある。夕そばで

らぷそで天空。豆とる夕、あの飯。おばござ。

2011年6月20日月曜日

投稿列車

投稿列車に乗って
まだ見たこともない街へ行ってみたい
嗅いだことのない香りを手に入れ
感じたことのない陶酔に浸りたい

大きなリスクは覚悟の上だ
夢を差し出して
わらしべ長者を真似て
もっと大きなものを手に入れるのだ

誰もが無理だというもの
手に入れた瞬間に自分をも見失ってしまうだろう

投稿列車がやってくる
駅にではない
今夜
ここに

きみは飛び込めるかな
なにも持たず
誰にも告げずに

明日はもうない
記憶さえ残らない
知ってるだろうか
今夜限りだということ

2011年6月19日日曜日

木枠の外へ

木枠にはめられた硝子向こうに
うるさいほどの緑が息づいているが
静かなこの地に聞こえているのは
鳥や葉擦れの音ばかり

木枠にはめられた生き方など
もう嫌だと心はか細く叫ぶが
雑事にかき消されて鎮まってしまう

木枠のむこうには
破天荒な娘が
新しい人生を始めようと躍起になっているのだが
足を鎖で繋がれていて飛び出すことができず
それで自分を傷つけてしまう

一瞬
木枠が外れ
鎖がほどけたすきに
手を繋いで逃げ出そうとしたが
静けさがそれを遮った

その饒舌を
誰も気づかなかった
ただ私だけが
木枠にはめてそれをみていた

2011年6月18日土曜日

モコモコの根っこ

モコモコの木の元へ
電車に乗って

雲が
モコモコ
とどまっているな

気持ちは昂ぶっているようなのに
お腹はモコモコ
ベーコンが乗った粗悪なパンを
食べたから

カノジョは
きょうも
ほっぺに笑顔を
モコモコくっつけて
客を迎えているんだろう

車窓に緑が流れて
ひそひそ声が
長靴の話をしてた

雨の日に長靴の話か

モコモコ
首がこって痛いんだ
取り替えがきかない
ものばかり

2011年6月17日金曜日

ベイビートーク

コンビニでも売っている小さな幸せを買って
部屋に帰るベイビー

きょうもヤナこと我慢して
よく働いたぜベイビー

週末は誕生日記念の旅行に
あの人と行くんだじゅらんで予約したベイビー

お肌のケアが最近ちょっと気になるんだ
ハダラボとDFSで買ったランコム使っているんだベイビー

誰かの幸せの木馬にうまく飛び乗ってもいいかな
それじゃ虚しいだろうな悩むベイビー

自分のやりたいことやれるようにしたい
けどなにしたらいいのかずっと悩むだけベイビー

サラリーマンがツマミとビールをのんでるけど
サラリーマントークやめてほしいよベイビー

緩やかに話す素敵な人が笑顔を振りまいて
近づいてきたよ大丈夫かベイビー

苦しい思いを結晶にしていつまでも持っていたいんだ
涙なんかどうでもいいんだベイビー

2011年6月16日木曜日

レコードに寄り添う

そうさ
そうさ
そうさ

いいのさ
いいのさ
いいのさ

前向きにいきることに
疲れても
なにも感じずにいたほうが楽だと
思えてきても

誰かに嘘をつかれて
傷ついても

うまくいかず
またゼロからやり直しになっても

いいのさ
いいのさ
いいのさ

大事なものを失っても
笑顔の作り方忘れても

いいのさ
いいのさ

私はあの人を
嫌いにならないだろう

はっきりと目醒めたこころが
旅立って行こうとしているのか

欠けてゆく月を追い

そうさ
いいのさ

スクラッチノイズが懐かしい
レコードに寄り添う

2011年6月15日水曜日

生きている価値

生きている価値がないと
思っているんだね

たぶん
そんなことないよ