2011年6月15日水曜日

暗い

暗い人が
暗さの良さを考えているね

本当に暗いんだね

前置き

良くも悪くも
って前置きしたね

話すのが面倒なんだろうね

変なところで

暗い人がラジオを聴いているね

あっ 笑った

変なところで
笑ったね

暗い人

暗い人が暗い道を歩いていくよ

でも
暗すぎて
本当に暗い人かどうか
わからないね

2011年6月14日火曜日

カラ電車

電車ごっこして
あのこ と あいつ
ひっつけた

ぼくは運転手
後ろは見ない

気づいたら
一人

お客も居ない
カラ電車

君まつカフェで

君まつカフェで
日がな一日中
シャンソン聴こえてくる
別世界のお話

工務店が吊り下げたランプ均等に
インテリア設計通り

君まつカフェに
待ち人来るはずもなく
約束していないから
わびしくすするカプチーノ

我一人カフェ
我は何もの

唄に詠われた
海の子でも赤鬼でもなく
ニヒルな渡り鳥

であるはずもないだろう
笑えないジョークつくる
ケーキ屋の息子であれば

2011年6月13日月曜日

中途半端な影法師

中途半端なサイズの私たち
中途半端に生きなければならない
原子核から宇宙の果てに伸びる
中途半端な幅の道を
中途半端な気分で進むだけ

中途半端な帽子を被った男と女は
相手のことを正反対だと思っているが二人とも同じ人間
優しさと残酷さの間を揺れてみても
中途半端に収まるだけ

中途半端な情熱を抱えて
中途半端な坂を上る
中途半端な坂を下る
中途半端な目的地
中途半端な時期に知り合った
異性の友だち

いつも中途半端に
開けっぱなしのドアを
ゆるりと通り抜けて
中途半端な欲望を
陰干ししにいこう

曇り空に
太陽が隠れている
中途半端な影法師が
一帯に
うようよあふれかえっている

2011年6月12日日曜日

猫のしっぽにつかまって

猫のしっぽにつかまって
いちもくさんに
さあ逃げろ
追っ手がくるぞ
けむに巻け

鳥のクチバシ鼻に付け
おっとり刀で
駆けつけろ
片道切符だ
お気の毒

小僧のフンドシ旗にして
居留守をつかい
やりすごせ
月のない夜に
攻めてゆけ

携帯電話を二台もち
アンドロイドを
助っ人に
無料通話で
けしかけろ

なにかありそう夏の宵
ユーストDJ
かなりマメ
クレームダンジュ
デモ行進

2011年6月11日土曜日

百日紅(さるすべり)

今夜はお化けが出ます
間違いありません
妖怪ともいいます
幽霊の仲間です~あまり仲良くないけど

知らないうちに現れるのが通例
よく知っている誰かと話をしていると
その人がいつの間にかお化けだったりするのです
そんな感じ

だから注意しないと
結構長い時間、お化けと話してしまったということに
なるのです

お化けはいい奴でも悪い奴でもありません
相手の心のありように染まりやすい
だから自然に馴染むのかもしれません

私はお化けのカノジョと付き合っています
最初はお化けだと気がつきませんでした
あるとき〜ある合コンで
何人かで話をしているとその中に混じっていました
その夜
カノジョを送って行くことになったのですが
やっと辿り着くとそこは私の部屋でした
その時はそれが自然におもえたのです
そのことが変だとどこかに引っかかっていたのですが
その謎が溶けたのは
三日前の三日月の夜でした

カノジョが三日月を見ている姿が
お化けだったのです
それできょうも
街にお化けが出るという情報を聞いたのです

お化けと付き合うと
色んなことがどうでもよくなります
私はどうでもいいというのが魅力で
カノジョと付き合っています

私の周りから
友だちがドンドン消えて行きます

いつか
私もお化けになって
未知の感覚を手に入れたい
日常のしがらみからとき放たれたとき
無類の喜びが手に入ると思うのです
それで幸せになれると思うのです

きょう
カノジョは百日紅の木になっています
すべやかな肌に
私は頬を擦りつけるのです

2011年6月10日金曜日

愛するカレ

愛しているわ
少しだけ

とっても好きよ
その帽子

いつも一緒にいて欲しい
お金を払う時だけは

クルマで海に連れてって
愛するカレがまってるの