2011年3月10日木曜日

こわいものしらずのきみが

こわいものしらずのきみが
なにか必死にかんがえている
その顔はとても迫力がある
見ているほうも力が入る

こわいものしらずのきみが
かんがえるのをやめて笑う
笑顔の造形が美しい
角度を変えてもまた美しい

こわいものしらずのきみが
暗く沈んでだまっている
言葉が閉じ込められている
醗酵してお酒になりそう

こわいものしらずのきみが
ぼくのまえにいる
こわいものしらずの性格が
吊り橋をスタスタわたって
ぼくのなかに入ってくる


★要約
こわいものしらずのきみが
ぼくのなかに入ってくる

2011年3月9日水曜日

キミとの顛末 その一部

キミと
こんもりした山の
坂道を登っていっく
息が切れるけど気にしない
(でも気になる)
ちょうどいい歩幅の段々がつづく

ずんずん先を行くキミ
あとからついて行くぼく

てっぺんまではあとどのくらい?
てっぺんはどうなっているの?

キミは無言でてっぺんを通りすぎて
下り坂に入る
ぼくは「ここがてっぺん?」
と聞く
キミは別の話に夢中ななりながら
どんどん先を行き
いきなり民家に入っていく

知っている人の家らしい
ぼくもおそるおそる民家に入る
するとそこには香りのいい花が乾かされて刻まれて袋に詰められ棚に並べてある
さらにアロマオイルやシャンプーやバスソルトなども並んでいる

キミはその一つを手にとって出てきた男に目配せした
犬が跳びかかってぼくたちをナメる
股間に鼻を押し当ててくる

キミはその家を出ると
無言で歩き出す

古い門の上に月が出ている
ぼくはそれを写真に撮る

キミは前方に洒落た店を発見し
ぼくに合図をする
ぼくは
「入ろうか」という
キミとぼくは店に入り
メニューを一緒に見て注文を決める

外では月が笑っているだろう
きょうは三日月よりも少し細い月

ニヤけた笑いだ
おあいにくさま

2011年3月8日火曜日

未来旅

ペットボトルから山の水を流し込んで
からだの中に川を作る
次にその辺に転がっている雑多なものを積み上げて
岸を作る

太陽の光を浴びて草花と木を生やし
あなたを呼びにゆく

あなたは渦巻く風となって
水を波立たせ
草花と木を揺する

その風景の中で
わたしはあなたと手をつないでかけてゆく
そこには夕焼けがあるが
それにはお構いなく
二人はずっと未来の朝の陽ざしの中のいる

2011年3月7日月曜日

ホットケーキ気分

フライパンの上で
泡立っている

どれだけの時が流れたのだろう
あなたは
料理を作るのが好きだ

ホットケーキを作るのは
ものの五分

その五分間に
あなたは人生のすべてを詰め込もうとしている

あなたがいだいてきた思いの数々

知っているはずだ
振り向けばあの日のお母さんが
あなたのためにおやつをつくっている
その意味を

ホットケーキの裏面は
こんがりと日焼けした背中のよう

ちょっとだけ塩を加えようか

潮風が手伝ってくれる

お礼を言っても構わない
風が涙を飛ばしてくれる

2011年3月6日日曜日

yokokuーhen

夕べの流星群はすごかった
町をすっかり掃き清めてしまった

あなたが見る夢の背景を
星の群れg,kが照らし
hはあなたの過去を照らした

あなたの胸の前で結ばれた手に中には
いつのまにか
itunomanikaが入っていた

震えて光っているものだ

先ほどから降り出したアメノナカニデテミルト
それは優しい雨で
町のよごれをきれいに流してしまった

そしてそれとは別に
窪地に集まった水は
命をhagukumu機会を
待ち始めた

2011年3月5日土曜日

おとなになって

すいかキャンディ
がらくたの大きな箱
イソギンチャクのワッペン

こどものころに
すきだったもの

貝殻のついた鉛筆
リトマス試験紙とスポイト
エキゾチックなピンナップ

こどものころに
自慢していた

でも
いまは
どこにあるのか
わからない

さがそうとしたら
あなたにであった

おとなになって
すきになった

こどものころには
知らなかった
あなた

2011年3月4日金曜日

首を伸ばしてきみを

ろくろっ首だよろくろっ首
首吊りして伸びたんだよ
古い家の太い梁にぶら下がったんだよ
ぞっとしたよ
さめざめしたなあ

ろくろっ首だよろくろっ首
見せ物じゃないよ
やりたかっただけだよ純粋なんだよ
はっきりしたよ
後悔はしないさ

ろくろっ首だよろくろっ首
ぶらさがったよあいつらのうえに
もうしたくないよ首伸びちゃったよ
引っ込まないよ
引っ込みもつかないよ

ろくろっ首だよろくろっ首
伸びちゃったろくろっ首だよ
引っ込みつかないろくろっ首だよ
きみが好きだよ
きみに首ったけだよ

2011年3月3日木曜日

あなたのためにある

あなたの美しい瞳は
砂埃の中でも濁ることがない
指は擦れてもまた艶をとりもどす
つらいことがあっても
あなたの笑い声が消えることはない

寒さが包みこむ厳しい冬に
あなたを守っているバリアは
あなた自身が作ったものだ
寂しい時間が奏でた音色が
あなたの耳の奥で鳴り続けても
心臓の鼓動が高まったとき
あなたは楽し気な音楽を聴いている

あなたの家の屋根に
月の光が降り注ぎ
光のカーテンが揺れながら覆う
あなたは知らないかも知れない
わたしはそれを見ている

あなたの部屋の中で
優しい夢が寄り添って
あなたは子どものような寝顔で
甘えている

この世界は
あなたのためにある

2011年3月2日水曜日

七つの戯言

1

人を愛することより自分を守ることを優先するようになってしまった人
本当は守るものなどないのに

部屋に飾ってある金色に光るオブジェにしがみついて
自分が影になっていることに気付こうとしない

いまや
漬物石のほうが世の役に立っている
※注1

※注1 この人の皮肉には誰も共感しない。ユーモアのセンスも感じられない。慰めてもらいたくてもそれは無理な相談だ。


2

雨にぬれて光る道を歩きながら
何事も考えることができない


3

月のようだと思った瞬間に
その人は月の話をし始めた

陰りのない月に照らされて
わたしは
自分が何者か分からなくなる
※注2

※注2 かっこつけているようで気持ちがわるい。


4

オーロラって何に見える?


5

小さな宇宙同士が出会うと
まず爆発を起こして眩しい光が放たれる
秩序と混沌、生と死、善と悪、原因と結果など
陳腐なものも含め、対立する概念が
激しく争いあう
その激しさの度合いや規模が
相性や愛の分量、スピード感を決める
※注3

※注3 宇宙を擬人化してどうするつもりなのか。

6

ひとは振り返りながら生きるべきだ

ひとは振り返らずに生きるべきた
ということの
TPOを間違うと
うまくいかない
※注4

弱い人ほど振り返れずに
失敗する

※注4 当然のことを詩の行を割いて言ってくれるな。


7


詩人は詩的でない詩を書くべきだ
無害なロマンチシズムをおっかけてどうなる
詩なんか書かなくていい
頼まれたものを適当にちょちよっとやって
魂は別のものに捧げるべきだ
逃げ足が早くても
追いかけてくれる人はいない

2011年3月1日火曜日

今日、しよう

とっ手がついていて
とっても持ちやすいのよ

リサが言っている言葉が
理解できない

さわらないで
いれて見せてみて
脚は遊ばせあそばせ
飯は召し上がらずに

わざと災いがくるように
市内で竹刀でしないで

ふざけているのか

携帯がおならしたの
そう聞こえたわ 着信が

着ているものをだんだんに脱ぎながら
話すのをやめない

病める会話は止めない?
いいことについてだけ話そ

明日はあたし
はしたないことはしたくない

きょうしよう