未来創作
みちるのブログ
2014年3月3日月曜日
ことばでうまくいおうとすると
ことばでうまくいおうとすると
こころがひろがってゆく
こころでうまくうけとめようとすると
やさしいまなざしになる
やさしいまなざしでといかけようとすると
あいがふかまってゆく
あいをふかめようとすると
ことばをかけたくなる
きみのくちびるが
ちいさくうごきだして
こえがおくれて
こまくをたたきにいく
つきのきれいなしずかなよるに
なみおとのように
くるかえす
きみのといきが
ことばをはこんで
よるがそこだけ
しんとしずまりかえった
*みちるです。ことばってやっぱり、魔力が備わってしまうことがありますよね。詩はその魔力を使った芸術です。
2014年3月2日日曜日
おかねのことばかり きにしているおとこ
おかねのことばかり
きにしているおとこがいた
おとこはちいさなおかねを
あつめるのがすきだった
ちいさなおかねを
ながいじかんかけてあつめると
むらのひとびとをしょうたいして
えんかいをやった
だがむらのひとびとは
おとこのきげんがわるいことをしっていた
そこでおとこのきげんをとって
もてはやした
おとこはふくざつなきもちだったが
やがて
またおかねをあつめはじめると
きもちはおちついた
おとこはおかねをあつめるために
おおくのものをぎせいにした
それがおとこのじんせいだった
おとこがしんだあと
のこされたおかねは
にょうぼうがうけついだ
にょうぼうは
かなしみもかんじたが
よろこびのほうがおおきかった
おかねのことばかり
きにするのは
にょうぼうのほうが
いちまいうわてだったようだ
2014年3月1日土曜日
ろうそくのほのお
ろうそくの
ほのおのかたちは
つぼみのかたち
これからはながさくのかな
わたしが
ふーっといきをかけたら
へんなゆがんだかたちになって
どこかにとんでいっちゃった
とうめいなマントをきて
しろいけむりのせんをのこして
2014年2月28日金曜日
かみさまのともだち
あたらしいものを
うまなくなると
ひとは
しんでしまう
きっと
かみさまは
あたらしいものが
すきなんだ
それに
おもしろいものがすきなんだ
ぼくも
あたらしいものや
おもしろいものがすきだ
かみさまは
いばっていそうだけど
ほんとは
さびしがりやなのかもしれない
だからたまに
そらいっぱいに
うつくしいゆうやけをえがいたり
する
そうぞうもつかない
こわいゆめをみさせたりする
ねえ
ぼくは いいともだちでしょ
かみさまのきもちがわかるから
2014年2月27日木曜日
ぎょうれつのかんがえ
ぎょうれつになびました
なんのぎょうれつかは
わからなかったけれど
みんながそうしているように
わたしもそうしました
そして
まえのひとがすすめば
わたしもすすみ
まえのひとがとまれば
わたしもとまりました
ぎょうれつはのびてゆきました
いちばんまえも
いちばんうしろも
どうなっているのか
わかりません
ひこうきが
あたまのうえをとんでゆき
そらのかなたで
ぎんいろのほしとまじわりました
ぎょうれつのまえでは
だれがまっているのでしょう
あるいはだれもまっていないでしょうか
わたしはぎょうれつを
あいしはじめました
そしてしんじはじめました
きっといいぎょうれつにちがいないと
しかしぎょうれつは
うらぎることをかんがえていました
どうやって
てきをまいて
じぶんだけいいおもいをしようかと
かんがえていたのです
2014年2月26日水曜日
絶望の先生
ゆうさん
お元気ですか
わたしは不元気て不幸な毎日を送っています
以前
時間というものはライバルでしたが
いまはわたしをこの世界に漂わせておいてくれる
波やそよ風と一緒です
ゆうさん
あなたは軽く笑うでしょう
私の目をみながら
なぜ不幸なんだと
何が不幸なんだと
たしなめるでしょう
わたしはあなたを困らせるつもりは
ないのです
あなたには分かっていますね
わたしがわたしの中にわいた
一つのアイディアに
捕らわれていると
たしかにそうです
でも
だから
わたしはここから踏み出すには
大きな犠牲が必要になってしまうのです
その犠牲はわたしの命を奪ってしまうでしょう
わたしは蛇足と知りながら
結論のあとに
わざと付け加えます
あきらめを味方につけるために
見放された愛の後ろ髪を
繋ぎとめている
明け方に見るユメのために
2014年2月25日火曜日
たべられちゃった
ぼく
たべられちゃった
かみくだれて
のどのおくにおちていった
ぬるぬのとんねるを
まっさかさまにおちていった
きのうのおやつ
かくさずに
たべておけばよかった
なおとがほしがってたしーる
あげちゃえばよかった
ぼく
もまれて
とかされてゆく
もう あしのゆびも みえない
めも みみも とけて
なくなっていく
きっと
えいようになって
からだのなかをながれていくうちに
のみこんだやつに
なってしまうのだろう
まあ
それもわるくないか
だが
このことばをしゃべっているぼくが
いったいどうなってしまうのか
それがもんだいだ
ああ
ぼくはいなくなったのに
にほんごのことばが
のこっている
だれか
たすけてくれ
2014年2月24日月曜日
包まれ上手な人が
包まれ上手な人が包まれました
包まれ上手な人がなにかに包まれました
包まれ上手な人が包まれました
包まれ上手な人がふわふわの毛布に包まれました
包まれ上手な人が包まれました
包まれ上手な人が春巻きの皮に包まれました
包まれ上手な人が包まれました
包まれ上手な人が餃子の皮にも包まれました
包まれ上手な人が包まれました
包まれ上手な人がしっとりした愛に包まれました
包まれ上手な人が包まれました
包まれ上手な人がきわどい愛にも包まれました
包まれ上手な人が包まれました
包まれ上手な人が竹の皮に包まれました
包まれ上手な人が包まれました
包まれ上手な人が和柄の包装紙に包まれました
包まれ上手な人が包まれました
包まれ上手な人が朝日新聞に包まれました
包まれ上手な人が包まれました
包まれ上手な人が毎日新聞にも包まれました
包まれ上手な人が包まれました
包まれ上手な人が金色の折り紙に包まれました
包まれ上手な人が包まれました
包まれ上手な人が冷たい空気包まれました
包まれ上手な人が包まれました
包まれ上手な人が淀んだ空気にも包まれました
包まれ上手な人が包まれました
包まれ上手な人が相変わらずまったりと包まれました
包まれ上手な人が包まれました
そして淋しく包まれたまま
箱に入れられ
去ってゆきました
*長いものには巻かれ、郷に入っては郷に従う。なんのギモンも感じずに、そうして行きてゆく人に、包まれないように、しましょうね! みちる
2014年2月23日日曜日
いじわるなきりん
いじわるなきりんは
とおせんぼ
ことりがとおる
そらのみち
いじわるなきりんは
のぞいてる
こいびとたちの
ひめごとを
いじわるなきりんは
みはってる
しゃっきんとりの
みかたして
いじわるなきりんは
ぬがせたい
チーターがきてる
にてるふく
2014年2月22日土曜日
ひとでなしのふうふ
あるむらに
ひとでなしのふうふがすんでいました
だけど
いつもにこにこわらっていたので
じぶんたちがひとでなしだとは
きづきませんでした
ひとでなしのふうふは
どんなものでもおかねでかえると
しんじていました
だけど
おかねでくろうしたことがあったので
じぶんたちがそうしんじているとは
きづきませんでした
ひとでなしのふうふは
ひとをうらぎってばかりいました
だけど
いっしょうけんめいしごとをしていたので
じぶんたちが
へいきでひとをうらぎっているとは
きづきませんでした
ひとでなしのふうふは
しあわせにくらしていました
そして
さいごにしんでおおきなおはかにはいりました
おはかのまえには
きらびやかなはなが
おひがんのたびに
かざられていました
*みちるです。人の因果応報は一代限りのものではないんじゃないかな。立派な親の子どもがバカ息子だったり。世代を超えて、つじつまが合っていく。怖いような、救われたような・・・
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