私はいまから命を奪われるところだ
いつものように道を歩いているが
まもなく(どんな方法かは知る由もないが)私の命は奪われる
なぜ奪われるかもはっきりしないが
ただ
ぼんやり生きてきたことへの報いなのだろうと合点がいっている
答えを出さないで生きていくと
この世間では上手く生きて行くことはできない
世間はいつでも答えを求めてくるから
世間と懇ろにやった風がなければ
抹殺されることも覚悟しなければならない
ゆえに
世間は私たちの先生であり
生きて行く場所だ
さて
多くの人の心に
詩はどこからもやって来ない
待ち構えている人の心を通過して
打ちひしがれた人の足元にポトンと落ちる
あるいはうらぶれた部屋の隅に一輪の花として差さてれいる
ため息が起こす風でも
言葉の葉は湿り
微かな揺れを伝える