未来創作
みちるのブログ
2013年5月24日金曜日
5月24日
やさしい夜の風
この夜を清める月の光
鳴ることなく黙っている電話
部屋の中で時を行き来する思い
群衆にまぎれこみしかし交わることのない人びと
四角くそびえるビル
鉄路を行く汽車
ちらちらと瞬く波
誰も載せていないベッド
丸くなった鉛筆の先
街角で待っている人
5月24日
二度と訪れない今日の日
80,001、これからも
ページビューの合計が80000を超えました。
日記のような一筆書きの詩を
こんなに沢山、長きにわたり見てくださってありがとうございます。
思いがけなく、すばらしいパブリッシャーとの出会いがあり、ここから電子書籍も生まれました。
これからも、いや、これからは、もっと楽しんでいただけるよう意識してやっていきたいと思います。
どうぞこれからもよろしくおねがいいたします。
2013年5月23日木曜日
おとなの罠
吹きすさぶ風
揺れているものは何?
いつからああして
揺れているのだろう
人知れず
夕闇に飲み込まれてゆく
ゆれているもの
降り始めた
冷たい雨
湿っているものは何?
きょうも湿り
明日には乾いて
笑っていられるのだろうか
夜に湿るもの
じっとりと
言い訳をいわないのが
おとなの約束?
それとも
おとなの罠?
鍵穴
したいことがない訳ではない
したいことを無視している訳でもない
したくないことばかりが山を成して行く手を塞ぎ
しなければならないことが張り巡らされ
したいけれどできないことが礫となって飛んで来る
歩くこともままならない
止まれば砂塵に襲われ
逃げればスコールが付いて回り
叫べば雷鳴に打ち消され
黙れば静寂に呑み込まれる
したいことがない訳ではない
ここから抜け出て
したいことをしなければ
しなければと思わずにしなければ
したいことは
向こうに行っても
死体とならずに
生きているだろうか
不安が影を伸ばし
くっきりした輪郭を作る
そのなかの光る一点に
鍵穴がある
2013年5月22日水曜日
心の隙間
心の隙間に何もない
心の隙間を埋めるもの
売っていたなら買ってこい
心の隙間を埋めたいが
そうは問屋がおろさない
心の隙間が軋んでる
心の隙間を癒すもの
どこかで奪って盗ってこい
心が泣くのをとめたいが
ますます侘しさつのってく
心の隙間がつんざける
心の裂け目を縫うミシン
知らん顔して手に入れろ
心を取り繕いたいが
心は空に消えていく
2013年5月21日火曜日
ルビールビー
ルビールビー
白い日々
ルビールビー
君の夢
ルビールビー
無限へと
ルビールビー
回ってる
ルビールビー
夢の中
もう何度もやっているのに
もう何度もやっているのに
いつも新しいことだと感じられるのは
毎回新規のファイルが生成されるからだろうか
長く生きていると
部屋中ファイルだらけになり
足の踏み場もなくなるから
時々ごっそり処分しなければならない
だか
処分の時を見極めるのは
難しい
気づいた時にはすでに考えすぎているから
さらに考えすぎればすぎるほど難しくなっていく
愛は執着し
片道切符は帰ることを邪魔して
捨て身で挑んでくる
大事なものたち
生まれ変わり新しい衣装を纏い
私の感じやすい部分を慰めて欲しい
見えない星の光ほどのかすかな眼差しで
見返して視線を結ぶから
2013年5月20日月曜日
欲ばりチキンちゃんへ
欲ばりチキンちゃん
自分が得することばかり考えていると
損をすることが分かったから
他人のことも考えることにしたけど
ちょっと待って
やっぱりそれは自分が得するためじゃない?
怖がりチキンちゃん
広い世界に出ていきたいのに
広い世界がとても怖くて
他人のせいにして気を紛らわしているけど
ちょっと待って
広い世界はキミの頭の中には収まらないよ
見ない振りのチキンちゃん
窓ガラスに付いた雨の滴も
狭い道を歩いている見知らぬ人も
母乳を吸わせる母親の顔も
いまここにあるもの
キミと同じかけがえのなさで存在しているよ
2013年5月19日日曜日
私はここに
何を訊いてみたいのか分からない
ただ私はここにいて
感じるままに過ごしている
風を見て飛び立つ鳥のように
何をすればいいのか
訊かれると
分からなくなる
本当にしたいことは
もう
とうにやっていたから
だから私はここにやって来たのだ
よく分からないけど
たぶん
余計なことは
考えないでいい
余計なことを考えないでもいいことも
考えないでいい
そう思い
着慣れた服を着て
出かけてゆく
いつもの道を歩いて
気がつくと
いつも来るこの場所に
立っていた
何もも持たずに
当り前のような顔をして
立っていた
2013年5月18日土曜日
ありえないことは
ありえないことは
ありえないはずだとしんじていたが
ありえないことは
あっというまに
ありえることにかわる
かわってしまったありえないことは
もうありえないことではなくなり
ありえることになってしまっているので
ひとびとはあたふたしたり
あきらめたり
うらみごとをいう
ありえないことは
もうこのよにはいないので
あのよから
こどもをみまもっている
ありえないことのこどももまた
ありえることに
りっぱにそだつだろう
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