2013年2月26日火曜日

造っているようで

造っているようで
壊している
壊しているようで
造っている
でもやはり
壊している
いややはり
造っている

神様が挟み込む栞のところ
どうなっていましたか?

神様が寝ているあいだに
造りあげたい
いや
壊してしまいたいものがある

子どもの未来の夢に
きいてみよう

2013年2月25日月曜日

どろんどろん


どろんどろん
どろんこだ
ごろんごろん
ねころんだ

しゅわっしゅわっ
かけてゆく
ぴゅあぴゃりん
かぜのおと

りるるりる
うたってる
るらりりく
きもちいい

2013年2月24日日曜日

誰のもの?


ふと思った
恋は私たちのものではないと

私たちが躯をよせ合って
過ごしたあのときの気持ちも
捧げものだ

お互い
見つめ合って
確かめ合った未来さえ
私たちのものではない

あなたは
丸いテーブルの上の果物を
器用に剥いて
はだかの私の口に
放り込む

私に与えられた
あなたの愛は
誰のもの?
私は果実でのどを潤しながら
考えるのが面倒になる

2013年2月23日土曜日

詠み人知らず


僕は傾いている
そして悪い方向に向かっている
そのぶん
周りの人がいい方向に向かえばいいと
思っている

僕は詩形を作っている
そしてそこに世界を閉じ込める
けれど
それは自分用のオモチャでしかないと
知っている

僕は謀っている
楽しく生きて行きたいと願いつつ
しかし
模型の電車が回り続けるように
目を回しながら

2013年2月22日金曜日

反省の色はない


あまりに語尾に「ね」を連発して共感を求めるから
そのうえ「ちょっと」を多用して語感をやわらげようとするから
さらに一緒にいるひとを批判せず褒めてばかりいるから
彼のことは嫌い と
彼女は思う

彼は
「ちょっとかわいそうだよね
僕にもいいところあるしね
ちょっと言い過ぎだとおもうよね」
反省の色はみえない

2013年2月21日木曜日

2013年2月20日水曜日

しあわせ


さびしすぎても
しあわせ
さびしさは
きずなだから

ないていても
かなしくない
わびしくて
ないているから

わらわなくても
それでいい
なみだがあったかいって
いってくれたから

2013年2月19日火曜日

詩はなにも


常識というものが
一番の権威だと

常識というものが
一番人を傷つけるのだと

でも人は傷ついても悪くない
善し悪しを言うのは悪い癖だと
教えてくれた詩人さんは
詩はなにも教えたくないんだよ と
きょうもすたすた
歩いてどこかに
行ってしまった

2013年2月18日月曜日

甘くて苦いジュース


あの日
前触れもなく
あなたから
恋が舞い降りて
唇から侵入し
私ののどは熱くなってしまった

私は唇を閉じていたのに
どうやって
入ってきたの?

恋は
果実の
あの甘くて苦いジュースに
まぜてあったの?

訊いてみたかったけど
もうあなたが
唇を
塞いでしまっていて
わたしたち
会話することができない

詩の電車Vol.2