何もしゃべらなくても
愛想をふりむかなくても
ただいるだけで美しい人
出会ったいきさつの運命を確認しあわなくても
一緒に見た風景の演技の見事さを共有しなくても
歩いた街の笑顔の出来事を思い出さなくても
ただいるだけで美しい人
お互いの夢を見せ合わなくても
過去を並べて鑑賞しなくても
楽しいエピソードを語らなくても
ただいるだけで美しい人
だだいるだけで美しい人は
ただいるだけで美しい
だだいるだけで美しい人は
私の前にいるとき
一番美しいのか
私の前にいないときに
もっと美しいのか
ただいるだけで美しい人は
美しく朽ちている
朽ちている美しさが
語られない魅力を携え
あなたの香りを放っている
2011年7月25日月曜日
2011年7月24日日曜日
花火を創る
遠くで花火が上がっているのだろう
電話越しに
花火の音が聞こえ
あなたは大はしゃぎ
おいてけぼりの私は
頭の中で自分の花火を創造する
あなたの向こうの
崖の向こうに
頼りなく糸を引いて登っていった白い玉が
はじけて
大きな光の輪を拡げる
反射したあなたの笑顔の横顔に
色が踊る
明暗を繰り返しながら色を変え
降りていく光に
あなたはなんの不安を感じることもなく
次の花火が打ち上がるのをまっている
私は
次の花火を創って
打ち上げる
汗のような涙をこらえながら
秋の虫のなく声が聴こえるまで
電話越しに
花火の音が聞こえ
あなたは大はしゃぎ
おいてけぼりの私は
頭の中で自分の花火を創造する
あなたの向こうの
崖の向こうに
頼りなく糸を引いて登っていった白い玉が
はじけて
大きな光の輪を拡げる
反射したあなたの笑顔の横顔に
色が踊る
明暗を繰り返しながら色を変え
降りていく光に
あなたはなんの不安を感じることもなく
次の花火が打ち上がるのをまっている
私は
次の花火を創って
打ち上げる
汗のような涙をこらえながら
秋の虫のなく声が聴こえるまで
2011年7月23日土曜日
ウィンクされた
古い木の机で
新しいあなたに
手紙を書いている
気づくと
木の机が
勝手に手紙に関与してきている
書きたいことが
知らない思い出の上を
歩いて行く
通ったことのない森の中の道を
明るく輝く雲に平行に歩いて行く
草の積もった足元の地面が
心地よい
私は
木の机が何を思っているのか
先回りして
私の手紙に関与するのを
食い止めようと試みてみた
だがそれはできないことだった
木の机のことを考えると
自分の計画のことをすっかり忘れてしまうのだ
そわそわしながら
そうしているうちに
ずいぶんと時間が過ぎ
手紙は終わりの行を迎えようとしていた
もう手紙用のストラスモアライティングレイドのペーパーも
最後の一枚だ
それを意識した時
囁くように
あなたの名前を呼ぶ気配がした
見ると
紙のうえの 。 がウインクしていた
新しいあなたに
手紙を書いている
気づくと
木の机が
勝手に手紙に関与してきている
書きたいことが
知らない思い出の上を
歩いて行く
通ったことのない森の中の道を
明るく輝く雲に平行に歩いて行く
草の積もった足元の地面が
心地よい
私は
木の机が何を思っているのか
先回りして
私の手紙に関与するのを
食い止めようと試みてみた
だがそれはできないことだった
木の机のことを考えると
自分の計画のことをすっかり忘れてしまうのだ
そわそわしながら
そうしているうちに
ずいぶんと時間が過ぎ
手紙は終わりの行を迎えようとしていた
もう手紙用のストラスモアライティングレイドのペーパーも
最後の一枚だ
それを意識した時
囁くように
あなたの名前を呼ぶ気配がした
見ると
紙のうえの 。 がウインクしていた
2011年7月22日金曜日
夜の香り
夜の間に激しい雨が降って
夜が流されてしまったので
朝
あなたはベッドの上で
裸のまま
救助を待っていた
隣にいた人も
どこかに行ったまま
帰ってこない
もうだいぶ遠くへ行ってしまったに違いない
あなたは
かかとを片手でつかんで
時間というものが
どんな姿をしているのか
また善なのか悪なのか考えていたが
直ぐにつまらなくなって
考えるのをやめた
相変わらず
かかとを片手でつかんでいた
しばらくすると
朝が回りだし
通りに人の動き出す気配がした
あなたは
すこし体が冷えてきたのを感じ
服を着た
服の中に
夜が残した
海の香りがあった
夜が流されてしまったので
朝
あなたはベッドの上で
裸のまま
救助を待っていた
隣にいた人も
どこかに行ったまま
帰ってこない
もうだいぶ遠くへ行ってしまったに違いない
あなたは
かかとを片手でつかんで
時間というものが
どんな姿をしているのか
また善なのか悪なのか考えていたが
直ぐにつまらなくなって
考えるのをやめた
相変わらず
かかとを片手でつかんでいた
しばらくすると
朝が回りだし
通りに人の動き出す気配がした
あなたは
すこし体が冷えてきたのを感じ
服を着た
服の中に
夜が残した
海の香りがあった
2011年7月21日木曜日
ボロボロ鳥がナイテイル
牛乳を飲んでいるんだ
gkgk
あなたの眼差しと一緒に
フルーツがもられたカゴを
リッツカールトンのソファから
眺めて放心しているんだ
fmfm
遠い日のシャワーの音にまとわりつかれて
結局は南極なんだ
あなたは
いや難局に挑むことが楽しいんだ
罪ほろぼし気分で
boroboro
gkgk
あなたの眼差しと一緒に
フルーツがもられたカゴを
リッツカールトンのソファから
眺めて放心しているんだ
fmfm
遠い日のシャワーの音にまとわりつかれて
結局は南極なんだ
あなたは
いや難局に挑むことが楽しいんだ
罪ほろぼし気分で
boroboro
2011年7月20日水曜日
2011年7月19日火曜日
あともどりできないジュース
ジュース飲んでるよ。
絞りたてのもの。
香り立つジュースは
宝石のよう。
逆光に輝き
透明なガラスを霧で覆う。
ジュース
口の中。
舌で転がして
クチュクチュする。
行儀悪いが
たまにはやりたい。
そういうもの。
ジュース
飲んじゃった。
次のジュースは
スッパイかも。
甘すぎるかも。
いっぱい目がおいしいのが
ジュース。
あともどりできないのが
ジュース。
消えてなくなった
ジュースもすきです。
絞りたてのもの。
香り立つジュースは
宝石のよう。
逆光に輝き
透明なガラスを霧で覆う。
ジュース
口の中。
舌で転がして
クチュクチュする。
行儀悪いが
たまにはやりたい。
そういうもの。
ジュース
飲んじゃった。
次のジュースは
スッパイかも。
甘すぎるかも。
いっぱい目がおいしいのが
ジュース。
あともどりできないのが
ジュース。
消えてなくなった
ジュースもすきです。
2011年7月18日月曜日
世界はあなたを
きょう
海は静かにあなたのベッドを揺らし
どこからか
いい香りの夢を運んできては
あなたに注ぎ込む
夜は月を隠して
宙(そら)に無数の星を現し
空全体で優しくあなたの姿を照らす
影も作らずに
夜通し
やさしい唄が
彼方で唄われている
その唄声を聞くことはできない
だがあなたは信じることができる
信じることの尊さが
埋めこまれていたから
時があなたの時間を細切れに刻み続けても
世界はあなたを
裏切ることがない
注意深く足を踏み出したときに
踏みつぶしてしまった
柘榴の実が
あなたの柔らかいかかとに刻んだ
傷のせいで
世界はあなたを
裏切ることができないでいるのだ
海は静かにあなたのベッドを揺らし
どこからか
いい香りの夢を運んできては
あなたに注ぎ込む
夜は月を隠して
宙(そら)に無数の星を現し
空全体で優しくあなたの姿を照らす
影も作らずに
夜通し
やさしい唄が
彼方で唄われている
その唄声を聞くことはできない
だがあなたは信じることができる
信じることの尊さが
埋めこまれていたから
時があなたの時間を細切れに刻み続けても
世界はあなたを
裏切ることがない
注意深く足を踏み出したときに
踏みつぶしてしまった
柘榴の実が
あなたの柔らかいかかとに刻んだ
傷のせいで
世界はあなたを
裏切ることができないでいるのだ
2011年7月17日日曜日
月が嗤っていた
サンダルの音がしたので
木戸のところに出てみた
木戸の上に
赤く大きな月が
腰をおろしていた
私は
言葉を失い話かけることができなかった
月はどこかに出かけて
帰ってくるまでの間に
お酒を飲んで
赤くなってしまったのか
よくある現象のようにも思えたが
きょうの月は
余りにも存在感がありすぎて
怖いくらいだ
月の後ろからあなたが現れた
恋人と腕を組んで
三日月のように口を開けて嗤うと
赤い喉を見せて
消えた
やがて
夜の闇が
慌ててやって来た
木戸のところに出てみた
木戸の上に
赤く大きな月が
腰をおろしていた
私は
言葉を失い話かけることができなかった
月はどこかに出かけて
帰ってくるまでの間に
お酒を飲んで
赤くなってしまったのか
よくある現象のようにも思えたが
きょうの月は
余りにも存在感がありすぎて
怖いくらいだ
月の後ろからあなたが現れた
恋人と腕を組んで
三日月のように口を開けて嗤うと
赤い喉を見せて
消えた
やがて
夜の闇が
慌ててやって来た
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