2011年5月27日金曜日

あなたは いま

あなたは
いま
泣いているの
笑っているの
悲しんでいるの
喜んでいるの

????

とにかく
よろしくお願い
いたします

2011年5月26日木曜日

ベッドから落ちながら

ベッドから落ちながら
考えた
あの人は私にとって
私はあの人にとって
何なんだろう

男と女の関係であるべきなのか
親友のようなものでいるべきなのか
足りないものを補う補完関係なのだろうか
それとも名付けることのできない
ややこしい関係なのだろうか
どうあるべきか
ベッドから落ちながら
フローリングの床に近づきつつ
私は突然悟った

そして
床に強く額がたたきつけられた
目が覚めると同時に
目覚まし時計が鳴り
誰かが玄関をノックした

じんせいにさようなら

あなたとさよならするより
じんせいにさようなら

じんせいは
つまらない

つまらないから
いきづまる

あなたと
さよならしたくないから
じんせいに
さようなら

なんどもくりかえす
りんねなんかいらない

2011年5月25日水曜日

罠を張る

あちこちで
綺麗な独楽が回っている

わたしは
目を回して
泡を吐く

あなたは
気を回して
罠を張る

2011年5月24日火曜日

今はまだ言えないけど

くるぶしまでのソックス
始めてのキス
串焼きのタオルケット
煙たい朝の涙

四方山話の文集
やかんに容れたハチミツ
消毒済みのウエイトレス
消し忘れた欲望

座りっ放しのドアマン
見えそうで見えない未来
ときめくだけの柱時計
やられっ放しのだし巻き卵

コンクールに出す予定の指サック
澄まし顔のトンボ
ヤクルトをのむイリオモテヤマネコ
砕け散った夢のかけら

口を開けたままのポスト
すり鉢状の乳房
草色の手鏡
緩みきった緊張

額縁が溢れかえるの画廊
ずんだもちの差し入れ
やさしくない性格
クリームを盛ったデザート皿差し出す手

2011年5月23日月曜日

月の夜から漕ぎ出す舟

きょうは
あなたの心が激しく揺れているので
海は凪となっている

笑顔を照らす太陽が沈み
闇夜が世界を覆ってしまったので
海は彼方まで月の光を映して輝いている

遠い日の海の暖かな風
鮮やかな色のシャワーが
すぐそこにあり
あなたは一人でそれを浴びている

目に涙を溜めて
海はつながっていることを
何度も確かめようとするが
心の中でそれはつながらない

途方にくれる
どうしていいのかわからない

そうしているあいだに
月は傾き
闇が白み
世界と自分が照らし出される
眩しい太陽が闇を破壊にかかる

どこに逃げ帰ることもできずに
取り残された
あなたは
この世を渡るために両親からに与えられた
その名前の船に乗って
漕ぎ出している


注*
おとといのものを書き直しました

2011年5月22日日曜日

きみの苦しみは

きみは
自分の苦しみは
誰にも分からないと思っているね

そうだよ
きみ自身も
分かっていないんだからね

2011年5月21日土曜日

月のネックレス

月が一つ
闇空のてっぺんで明るく光っているだけなのに
海はその下に
煌めく光の路をつくり
プラチナで編み上げられた
ネックレスみたいに
海の胸元をゴージャスに飾っている

砂浜にいるのはきょうもあなた一人だから
その美しい光景も
ネックレスも
あなただけのもの
きっと誰かがくれたプレゼント

海の中に入っていくあなたは
自称  人魚
ぼくはそうは思わないけれど

泣き尽くして涙を枯らして
夜が白み始めると
あなたはここから去っていく

誰もいなくなった海は
波を手持ち無沙汰に打ちながら
一人で何かを語り続ける
答えなのか問いなのかは
分からない
もうどれだけの時間が流れたのかも分からない

あなたは
昼間
仕事場で汗をかきながら働く
何かをおし殺し
自分に言い聞かせて

そして
海に行ったことは
波の中に入って行ったことは
友人には話さない

海と約束をしたからなのか
それとも
自分が消えてしまったあとに
なにも残さないという
決意の表れなのか

2011年5月20日金曜日

15分後 と 私

5分おきに気持ちが変わる
10分おきに違うことをやる
30分経つと悩みが何かを忘れている
1時間後にかかってくるはずの電話
3時間後にはベッドに入りたい
10時間後には灰色の机の上でパソコンに向かい
24時間後 私はこの世にたぶんいるだろう
3日後 気ままな旅に出たいけど
7日後 気ままといっても宿は予約してしまったから
1か月後 いつものように会社に通勤
3か月後 いつものように片想いだった相手のことは忘れ
半年後 アパートの更新日が過ぎ
1年後 季節はやはり初夏に違いなく
5年後 私の三回忌に
10年後 枯れた草花はそのままにしておいてください

50年後 誰も私のことを知らず

15分後 ブログに一つの詩がアップされている

2011年5月19日木曜日

古い扉

朝の電車の中で
人いきれに耐えながら
なにを思っているの?

電車が揺れるので
輪っかに掴まっている
革の軋む音は
馴れてしまったせいか
聴こえてこない

つなぎとめられている
人の群れ

休日にはなにしよう
自分と相談
明日は晴れそう

生まれてから
色んなものを見て来た
危なくないものと
危ないもの

いつの間にか
自分が一番危なくなってる

会社に着いて
無意味な仕事をする
お金をもらうため

色んなことを学んだ
生きていく上で大切なこと

自分を優しい心にすることは
答えがわからないまま
忘れていた

古民家の古い扉
開ければ
教えてくれるかな