あした
海を見に行こうと思う
車に乗って
愛する人と
いつか
一人で見に行こうとして
あまりの寂しさに
思わず友達を誘って見に行った海だ
その友達は素敵な人だった
海を見ると
自分が何にこだわっているのか
みえてくる
海はいつもそこひとりであるからだろう
海はその胸にあらゆる思いや夢をうけとめるからだろう
海水浴シーズンの海は
ひとでごった返している
海の家が粗末なシャワールームをかまえ
貧乏臭く水をチョロチョロ浴びさせる
シャワールームでは
人は一人で後悔に呉れ
将来を考える
ある朝
目が覚めると
なにか大事なモノがガラガラと風に飛ばされ
爽やかな空虚がそこに満たされていた
シャワーのお湯が
体を包み
空虚もそっちのけで
未来に溶かしていた
2011年2月18日金曜日
2011年2月17日木曜日
見るだけのわたし
怖がりな人
弱虫の人
お節介なきみ
ひとのいい彼
生き急ぐ人
苦労症の人
やりくり上手なきみ
細やかな彼女
見せたがる人
我儘な人
執念深いきみ
欲深い人
呼べばくる人
出不精な人
困り顔のきみ
笑いすぎる彼
物知りな人
人を騙す人
破天荒なきみ
謹慎中の彼
狂い咲く人
煙たい人
話好きのきみ
お呼びでない彼
嫁入り前の人
愛される人
まぶたを伏せたきみ
ただ見るだけのわたし
弱虫の人
お節介なきみ
ひとのいい彼
生き急ぐ人
苦労症の人
やりくり上手なきみ
細やかな彼女
見せたがる人
我儘な人
執念深いきみ
欲深い人
呼べばくる人
出不精な人
困り顔のきみ
笑いすぎる彼
物知りな人
人を騙す人
破天荒なきみ
謹慎中の彼
狂い咲く人
煙たい人
話好きのきみ
お呼びでない彼
嫁入り前の人
愛される人
まぶたを伏せたきみ
ただ見るだけのわたし
2011年2月16日水曜日
いつもと違う日
林の上の澄んだ空気に
月が明るく光り
降り積もった雪を集めた小山に
苦しみを抱えた人が腰を下ろす
誰の文句も受け付けない場所
息をすると恥ずかしいほど
たっぷりと白い湯気が出る
でも誰も見ていない
静かさが
包む
心配事は
氷に閉じ込める
きょうはいつもと違う日
栞の日
月が明るく光り
降り積もった雪を集めた小山に
苦しみを抱えた人が腰を下ろす
誰の文句も受け付けない場所
息をすると恥ずかしいほど
たっぷりと白い湯気が出る
でも誰も見ていない
静かさが
包む
心配事は
氷に閉じ込める
きょうはいつもと違う日
栞の日
2011年2月15日火曜日
秘書がいない
秘書が
私のからだの半分を連れて
出て行ってしまったので
自分の考えが正しいかどうか判断ができない
その半分には脳も含まれていたようだ
記憶がその分なくなり
思考力ももっていかれただろう
そのため日常の生活もままならず
高度な仕事は穴だらけとなる
チンチンも半分なくなったようだ
以前がどういうものだったのか思い出せない
知人と何があったか
何処に住んでいる人なのか
何か約束をして違えていないかどうかなど
重要と思われることが分からない
そのくせ
思い出さなくていいことが
鮮明に蘇る
秘書がここにいたときには
今日のご予定がよく分かった
物事の手配や段取りはすべてうまくいった
パスされたボールを投げれば
得点が上がった
秘書はいま何処で何をしているのだろう
半分の自分にメールして尋ねてみたいが
アドレス帳の所在が分からないうえ
自分がいるかさえも分からない
あちらからの連絡を待つために
フェイスブックに登録しておこう
私のからだの半分を連れて
出て行ってしまったので
自分の考えが正しいかどうか判断ができない
その半分には脳も含まれていたようだ
記憶がその分なくなり
思考力ももっていかれただろう
そのため日常の生活もままならず
高度な仕事は穴だらけとなる
チンチンも半分なくなったようだ
以前がどういうものだったのか思い出せない
知人と何があったか
何処に住んでいる人なのか
何か約束をして違えていないかどうかなど
重要と思われることが分からない
そのくせ
思い出さなくていいことが
鮮明に蘇る
秘書がここにいたときには
今日のご予定がよく分かった
物事の手配や段取りはすべてうまくいった
パスされたボールを投げれば
得点が上がった
秘書はいま何処で何をしているのだろう
半分の自分にメールして尋ねてみたいが
アドレス帳の所在が分からないうえ
自分がいるかさえも分からない
あちらからの連絡を待つために
フェイスブックに登録しておこう
2011年2月14日月曜日
弱さ
これ以上弱くなれないという弱さ
命の崖っぷちを歩くことができない自分
生きている価値というのはどういうものだろう
顕微鏡の中でうごめく細胞をみながら
思い出の海を捜し回る
いつから道はなくなってしまったのか
それまであったはずだった道は幻想だったのだろうか
答えてくれる者はいない
白い雪が街に降り積もる
いつもと違う街の風景
これは幻想ではなく現実なのだろうか
頼りなく指先を動かす
干からびかけた手が
誰かの意志で動いているようだ
命の崖っぷちを歩くことができない自分
生きている価値というのはどういうものだろう
顕微鏡の中でうごめく細胞をみながら
思い出の海を捜し回る
いつから道はなくなってしまったのか
それまであったはずだった道は幻想だったのだろうか
答えてくれる者はいない
白い雪が街に降り積もる
いつもと違う街の風景
これは幻想ではなく現実なのだろうか
頼りなく指先を動かす
干からびかけた手が
誰かの意志で動いているようだ
2011年2月13日日曜日
センサーが働いちゃうんだよ
感じないようにしていても感じてしまう
感度を下げられないし
スイッチを切ることもできない
センサーは心臓に直結していてそこから脳へと管が伸びている
グロテスクな形だが
いいものは案外こんなものだ
それが世の常
昼ごはんを食べる
松花堂弁当は
胃の中で混ぜ合わされ
もう松花堂弁当と呼ぶことは出来なくなる
言葉を費やし
重ね
こねくり回しても
もはや原型を求めることもできず
そのためか
道や電信柱やスレートの屋根や雲は
切り離されたままこの世にに存在できている
ジョギングのための服や諸々をまとって
そこからスタートする
中身が踊っている
風が意外と冷たく
頬が痺れる
距離をカウントする理性が
野生に思えてくる
センサーは働く
自動計算機の上に汗のつぶが落ちる
なんのために
その問いはご法度
暗黙のルールがあるからだ
感度を下げられないし
スイッチを切ることもできない
センサーは心臓に直結していてそこから脳へと管が伸びている
グロテスクな形だが
いいものは案外こんなものだ
それが世の常
昼ごはんを食べる
松花堂弁当は
胃の中で混ぜ合わされ
もう松花堂弁当と呼ぶことは出来なくなる
言葉を費やし
重ね
こねくり回しても
もはや原型を求めることもできず
そのためか
道や電信柱やスレートの屋根や雲は
切り離されたままこの世にに存在できている
ジョギングのための服や諸々をまとって
そこからスタートする
中身が踊っている
風が意外と冷たく
頬が痺れる
距離をカウントする理性が
野生に思えてくる
センサーは働く
自動計算機の上に汗のつぶが落ちる
なんのために
その問いはご法度
暗黙のルールがあるからだ
2011年2月12日土曜日
うさぎとくま
うさぎ対くまの対決が始まった
どっちもまけるな
ふわっと浮かびあがって
桃色のキック
吐息を漏らして
緑色の靄(もや)
もつれて
ふたりで
空中戦で
ぐるぐるまわる
(目だって回る)
えーい、なんだか思いたぜない
今朝の夢の続きよ攻撃
むかしの恥ずかしいことをまとめた独り言攻撃
帰宅途中の新しいLED街灯を見すぎて目が変
坂道の下に猫の死骸を発見
服が似合わない
好きな服がほつれてる
靴底は減りやすい靴屋の陰謀攻撃
少しでも高くとろうとする人気店
良品ではない無印
いやなうわさ話をする田舎の人の良さそうなおばさん
組んず解れつ
やさしい戦い
くまさんもうさぎさんもどっちもがんばれ
部屋の中で
ふたりの戦いを見ていると
自分も戦いを思い出す
負けてしまったけれど
いつかあいこにしなくては
生きている限り
まだチャンスはある
どっちもまけるな
ふわっと浮かびあがって
桃色のキック
吐息を漏らして
緑色の靄(もや)
もつれて
ふたりで
空中戦で
ぐるぐるまわる
(目だって回る)
えーい、なんだか思いたぜない
今朝の夢の続きよ攻撃
むかしの恥ずかしいことをまとめた独り言攻撃
帰宅途中の新しいLED街灯を見すぎて目が変
坂道の下に猫の死骸を発見
服が似合わない
好きな服がほつれてる
靴底は減りやすい靴屋の陰謀攻撃
少しでも高くとろうとする人気店
良品ではない無印
いやなうわさ話をする田舎の人の良さそうなおばさん
組んず解れつ
やさしい戦い
くまさんもうさぎさんもどっちもがんばれ
部屋の中で
ふたりの戦いを見ていると
自分も戦いを思い出す
負けてしまったけれど
いつかあいこにしなくては
生きている限り
まだチャンスはある
2011年2月11日金曜日
2011年2月10日木曜日
美しい背景
絵が飾られた壁
夜には照明が作り出す影さえ
光源となっている
きみの背景はいつだって美しい
例えばダウンタウンの雑踏でも
きみとの境界線のエッジがくっきりと立ち上がって輝き
背景は柔らかく後ずさりして協和し
雑多なディティールを和ませる
きみのからだは光を弾いて
瞳のグレーを吸収する
脛の直線はシーツの上で燃え残る
白い灰で焔を隠す役割を果たして
朝
白い壁に
窓からの光が反射し
きみの顔をレフ板のように明るくし
新緑の世界が宿る
きみは手のひらの上でオブジェをもてあそんで
僕に見せる
重い扉の外の世界は
きみが出現すると一瞬のうちに
背景と化す
夜には照明が作り出す影さえ
光源となっている
きみの背景はいつだって美しい
例えばダウンタウンの雑踏でも
きみとの境界線のエッジがくっきりと立ち上がって輝き
背景は柔らかく後ずさりして協和し
雑多なディティールを和ませる
きみのからだは光を弾いて
瞳のグレーを吸収する
脛の直線はシーツの上で燃え残る
白い灰で焔を隠す役割を果たして
朝
白い壁に
窓からの光が反射し
きみの顔をレフ板のように明るくし
新緑の世界が宿る
きみは手のひらの上でオブジェをもてあそんで
僕に見せる
重い扉の外の世界は
きみが出現すると一瞬のうちに
背景と化す
2011年2月9日水曜日
真面目に生きてきて
楽しむことの罪悪から逃げて
真面目に苦労してきたよ
本当は怖がりなだけ
楽しいことはたくさんあったから
という
遺書を残した人がいた
という書き出しの物語りを放り出して
ぬるい風が強く吹く街に出ていった
道行く人はみな日常の歩行を楽しんでいるようだった
私は綺麗な写真を撮ろうとデジカメを取り出して
撮影を繰り返した
信号機に目が留まった
シャッターをためらわずに押すと
赤信号と青信号が同時に灯る信号機が
モニターに写し出された
真面目に生きてきた人へ
真面目に生きてきて
どうでしたか
真面目に生きてきて
真面目に苦労してきたよ
本当は怖がりなだけ
楽しいことはたくさんあったから
という
遺書を残した人がいた
という書き出しの物語りを放り出して
ぬるい風が強く吹く街に出ていった
道行く人はみな日常の歩行を楽しんでいるようだった
私は綺麗な写真を撮ろうとデジカメを取り出して
撮影を繰り返した
信号機に目が留まった
シャッターをためらわずに押すと
赤信号と青信号が同時に灯る信号機が
モニターに写し出された
真面目に生きてきた人へ
真面目に生きてきて
どうでしたか
真面目に生きてきて
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