なまけもので
おっちょこちょい
ねぼすけで
くいしんぼう
こわがりで
ずるがしこい
おひとよしで
うたぐりぶかい
くわずぎらいの
ひゃっかんでぶ
なきむしけむし
ひとまねばかり
よくばりのごうじょっぱり
がんこでのんき
どこかにくめない
あいつは
きのう
しんじゃった
なにぬねの
さいきん ちょっと
なにぬねの
めっきり 元気が なくなった
なにぬねの
夜空の月は 変わらない
それは気のせい
わからない
なにぬねの
どうでもいいこと
なにぬねの
なまけもので
おっちょこちょい
ねぼすけで
くいしんぼう
こわがりで
ずるがしこい
おひとよしで
うたぐりぶかい
くわずぎらいの
ひゃっかんでぶ
なきむしけむし
ひとまねばかり
よくばりのごうじょっぱり
がんこでのんき
どこかにくめない
あいつは
きのう
しんじゃった
なにもかもうまいくなんていうことはないのに、
なにもかもうまくいけばいいなとおもう。
なにもかもうまくいかないとおもっているひとは
なにもかもうまくいくことより
ほんとうはなにもかもうまくいかないことをのぞんでいるから
なにもかもうまくいかないことにまんぞくしている
というのは
わたしのしゅかんだが
わざわざそういうのは
ほんとうはきゃっかんてきじじつだとおもっているからであり
ちせいあるわたくしのそんざいをこうていしたいためで
なにもかもうまくいかないことにまんぞくしているひとと
たいさない
そのひとはわたしであり
わたしはそのひとである
なにもかもうまくいくひとと
なにもかもうまくいかないひとは
そうじけいでありいっしょである
なにもかもうまくいったときに
なにもかもをうしない
なにもかもうまくいかなかったときに
なにもかもをてにする
なにもかもはすべてであり
すべてであるものは
無である
風が吹くと
身を縮こめなければ
寒さを追いやれない
愛しているといえない自分は
つぼみを閉じているようだと思う
音楽を聞かせても映画を見せても
わずかに視線を動かすだけだ
愛する人は
目の前にはいない
愛する人は
気軽にメールしてくるけれど
ちっともうれしくなんかない
私は
愛していると いつか
言いたいんだ
愛しくれないあの人に
言いたいんだ
教科書に載っていた
金魚が
逃げ出してしまったらしい
でも
大丈夫
僕は余裕で笑って見せた
金魚はかばんのなかから逃げられない
部屋に戻ったら
乾かして
また
本の一ページに
貼り付けよう
なかったことのように
せっかく逃げた
金魚には悪いけど
どこに行くのかはっきりしないけれど
もう 思うままに
走り出していた
そんなに速く走っている訳ではないが
心は滑るように先走った
人が大勢
反対側から歩いてきたので
流れに逆らいながら
走っていった
どこまでも走っていった
息を切らしても
止まることはなかった
やがて
月がぼんやりと僕を見下ろし
黄色い葉っぱは
ますます黄色くなっていった
頭に
葉っぱが二枚落ちてきて
僕ははっとした
葉っぱに頭を触られたのは
いつ以来だろう
思い出すことができない
僕があのひとの頭の上に
落ちて
触ったときの感触も
おとなになっても
よいことをして
よくないことをして
どちらかわからないことをして
ろうじんになった
じんせいは
むずかしい
じんせいは
おもしろくて
つまらない
あくびをしたら
しかられる
しかったひとも
あくびをしてる
寒い季節がやってくると
落ち葉に隠した
木の葉のお金が
白い煙を出しながら
小さな炎を灯して燃えてしまう
寒い季節がやってくると
散歩に行くのがいやになり
ついでに
愛する人を
迎えに行くのもいやになる
寒い季節がやってくると
寒がりのあなたが
暖をもとめてあいつに寄りそい
いつまでまっても
帰ってこない
あなたは私の様子を窺って
質問の玉を打ち込んでくる
わたしは
しどろもどろになるが
必死にこらえて体勢をつくり
その玉を打ち返す
うまく打ち返せることもあれば
そうでないときもある
フェンスを越えて
通りがかりの人に拾ってもらうことも
しばしばだ
それでもあなたは
不意をついて
質問を打ち込んでくる
剛速球の質問は
打ち返すことができずに
地面にバウンドして
快音を立て後ろに流れていく
あなたはびくともしない
笑っているのか泣いているのか
なんともないのかさえ分からない
星屑が暗くなった空から
降ってくる
月がやさしく灯っている
あなたは
私を近づけない
あなは
私が近づくのを恐れながら
誰かを待っている