2011年5月7日土曜日

地球日記より その1

2011年5月6日
地球

どんとこい


2011年5月7日
地球

スーと行け


2011年5月8日
地球

蹴り飛ばした


2011年5月9日
地球

瓶を集めます

2011年5月6日金曜日

いつのまにか

いつのまにか『命のバトン』を渡されていた

いつのまにか自分の命を守るプログラムを手に入れた

いつのまにか日が傾いてきょうも夕暮れがやったきた

いつのまにか知り合った人がどこかにいってしまった

いつのまにか大きな雲が形を変えて彼方へ消え去った

いつのまにか電話がかかってこない日々がつづいていた

いつのまにか体が古くなって皮膚が乾燥した

いつのまにか側で蛙の声が聴こえなくなっていた

いつのまにか愛する人のことを忘れようとしていた

いつのまにか遠くから小さな何かの音が鳴り続けるのが聴こえていた

いつのまにか寂しい気持ちが心に満ちていた

いつのまにか生きていることが自分のことであると気がついた

いつのまにかあの頃のコロッケが食べたくなった

いつのまにか「今」が立ち止まってこちらの様子を窺っていた

いつのまにか外出の時間が近づいてきた

いつのまにかカーテンの向こうの窓の外で星が瞬きはじめた

そして

いつのまにか私はいなくなった

2011年5月5日木曜日

ひやす

ひやして
見る

湯気が立たない状態で
見てみる

それが大事

ついでに
大事も冷やす

すると
ただの 事 になる

しみじみして

しみじみしてね

しみじみしてね

しみじみと
しみじみしてね

しみじみして
しみじみしてね


しみじみ
しみじみ
しみじみしてね

しみじみと
しみじみ
しみじみしてね

しみいる
しじま
しみじみ
すすいでね

恨みを持って

恨んでいるね

恨んでいるんだね


恨みを持っているんだね

恨みを持って恨んでいるんだね


恨んでね

恨みを持って恨んでね

恨んで恨みを持って恨んでね

恨んで恨んで

売られた喧嘩は
買わんでね

もういいか

静かな時が流れる
もういいか
って思うのは
あなたのくせ

ちやほやされていると
本当の自分が
分からなくなる

思いついたプランは
どれも実現し難く
高度な技とセンスが必要

もういいか
そう言って
諦めるのが常

だれも気にしない
あなたの本心
あなたの真の長所

あなたは
一人ではできない
一人でできることは
とうにやってしまった

それで
いつものように
誰かを誘うのだが
誘う前に
諦めている自分に気づかない

用意されている
もういいか
が 
ほら 出番をまってるよ

2011年5月4日水曜日

きまぐれごめん

いつでもついで
なにかのおまけ
わざわざこない
へんじはおくれ

すすんでもどる
とまってやめる
なくなくとらい
きもちはどらい

こっそりにげる
いるすをつかう
けんかはさける
はなしはしない

おいたてられる
たいろがたたれ
よくよくみれば
だいすきなひと

2011年5月3日火曜日

貝殻の瞳

あなたのいいところは
眼が光るところだ
タイミングよく
光るところだ

相手は背筋をゾゾッと震わせ
もう逃げることはできない

月の光の中で
あなたの眼だけが光り
波音が遠ざかる

時間の縄に縛られた二人は
窮屈に互いの体を行き来する

柑橘系の木の実の香り

どこで弾けたのか
そこここに
散らばり
もう
貝殻と区別がつかない

2011年5月2日月曜日

恋をしよう

春だ、恋をしよう!
とTが言った。

恋をした、春がきた
とYが言った。

春が来たし
恋もしたから
結婚しようと言おう
とRは思った。

春が来たし
恋もしたし
結婚しよう、とも言ったし
赤ちゃんもできたので
このままずっと一緒にいよう
とKは思った。

どれも
みんな
私が知っている話。

別々の誰かの
よくある話。

2011年5月1日日曜日

あなたの影

あなたの影があなたを見上げている

あなたはその影を
見下ろしたことしかない


わたしはあなたを
自分の目のある高さから見ている

忙しそうなあなた
ゆったりしているときも
自分のことを忘れている


影は
あなたを見ている
あなたのことを
よく知っているのに
何も語らない


わたしは
あなたのことを
あなたに語る

あなたは
何を考えているのだろう
その答えは
あなたの中にはないのだ