2013年8月6日火曜日

先生

私が好きなひとはあなた
あなだか好きなひとは私
お互い好き同士の私たち
さあ英語で言ってみよう

2013年8月5日月曜日

たのしいせかいは


たのしいせかいは どこにある
ここが たのしい せかいです

つらいできごと どこにある
ここに やまと つんである

すきなあのひと だれといる
きらいなひとと あそんでる

たのしいせかいは だれがいる
じぶんはいない しりません

2013年8月4日日曜日


いてはいけないりゆうなんかない
いなくてはいけないりゆうなんかみつけられない
ただしぜんにいるだけ
ただいなくてはいけないとおもえないだけ

始まりのない きょう


マチに出れば友人もいるさ
寂しい魂かかえておどけている
なぐさめの言葉も全部きき飽きて
いつものパターンも分かっちゃった

崖っぷちを歩いているのは
自分だけじゃなく
だれもが見て見ぬ振りをして
知らんぷりをしているだけ

夜も明るい太陽が出て
夜明けの気配を消そうとしている
おまけに夜が来たことも
ただ時計の数字で知るだけだよね

長いものにまかれる人を
他人事のように眺めあって
ぬるい空気にならされていく
合成された植物の匂いと
スピーカーの鳥の声に励まされ

どこまでいっても
このままじゃ
なにもはじまらない
ついていくだけ
でもいったい誰に
ついていってるんだろう

まるくなって
たき火のまわりを回っているだけ?
誰かの背中は
私の背中に繋がっている?

このままじゃ終わらせることも出来ない
始まりのない
きょう・いま

2013年8月3日土曜日

夢の重さ 〜イクノさんへ〜


こんにちは イクノさん
あのとき書いて以来
ずっと登場させることがなかったけれど
あなたはいまも
高校生ですか

わたしは
あの当時の夢をいくつか叶えて
そのあとまた新しい夢を持って
それもいくつか叶えました

けれども
それらの夢は夜空に星座の輪郭だけを残して失われ
私はいままた
切符の燃えかすを手に
あなたがいたあの頃のように
新しい夢を叶えるための第一歩を
踏み出そうとしています

イクノさん
あなたはかつて私の詩の中で
「イクノ」と呼び捨てにされていました
そしてあなたは
黒板に書かれたメッセージの1行の中にいたに過ぎませんでした
それでも
わたしは初めていまあなたに向かって言いたいのです

私が見る夢はどんなものかは分からないでしょうが
大空の天秤のうえに名前の重さだけを載せて
その反対側の夢と重さを釣り合わせ
ゆらゆらと揺れていてほしいのです

私の夢が重くなりすぎないように
そして
夢にとって大事なのは重さではないと
そこから常に教えてくれるように

2013年8月2日金曜日

あいまいなこと


夜のあいだに
月が(または星が? だれかが)魔法をかけたのでしょうか

外へ出ると
いつもとおなじ景色なのに
いつもとちがう感じがしました

(でも
そのことは誰にも
話しませんでした)

こんなことは
いままでに(わすれたころになると)
何度もあったのです
そのせいで
こんなことがあると
なつかしい気がします

「なつかしさ」は
やがて
なつかしい香りを運んできます

私たちを包むために

そして
包まれた私たちは
ひとつになります

そのことに
私は気づきましたが
まわりのみんなは
気づいているのでしょうか

2013年8月1日木曜日

ぼくだって すごい かな


おとな って へんだな
おこっていたのに わらって あくしゅする
いやなことされたのに ありがとうって いう
おとな って へんだな
おとな って すごい

こども って へんだな
あやまりたくても また けんか しちゃう
きらいなこなのに しんせつに しちゃう
こども って へんだな
こども って すごい

きみ って へんだな
ぼくができないこと かるく できちゃう
ぼくができること できない くせに
きみ って へんだな
きみ って すごい

ぼくだって すごい かな
きみが みたら
ぼくだって すごい かな

「ここは花の島」が本になりました。





「ここは花の島」は、福島県の写真家・野口勝宏さん、花作家の橋本和弥さんが、毎日インターネットにアップしてきた「福島の花」シリーズをまとめたものです。私は詩を書いて参加しています。
 私が毎日詩を書いてきたのは、 原発被害に苦しむ「福島発」で、被災した方の心の復興に寄与したかったからです。私自身も、会社を倒産させ、自己破産し、親の家まで失ったところでしたので「復興」したいと思っていました。
 そこに「マツザキさんも一緒に復興しましょう」という野口さん、橋本さんのお誘いがあり、よろこんでお応えすることにしたのです。

 福島。そこには美しい花がたくさん咲いていました。東北は豊かな大地です。その花の、一番いい姿を、野口さん、橋本さんの連携で、写真に収め、私は毎日メールで送られてくるその花の写真を見て、心の深いところへの入り口を作るように詩を書きました。
 美しい花の邪魔になってはいけない、花の魅力に負けては詩を書く意味がない、と、格闘と取材の繰り返しでした。
 おかげで、しばらく続けるうちに、花と詩が、心の深いところに届き、何かの力になっていると、実感することができるようになりました。
 
 そして連載開始から1年、皆様のご期待の声、応援に支えられ、とうとうここに「ここは花の島」が完成したのです。震災から2年4か月が経過しました。
 途中、2013年1月に、福島の人に寄り添いたいと、「福島の花」プロジェクト主催による小さなお茶会コンサートを開催しました。その席に、友人で先達である谷川賢作さんがゲストとして応援に来てくださいました。これが合唱曲「ここは花の島」誕生のきっかけとなりました。

 いま「ここは花の島」の本と、合唱曲が、福島をはじめ被災地、全国に散らばっている被災された方、ひいては日本という島に住む皆様の心の糧となり、豊かな未来を育む一助となってくれれば、これ以上の幸せはありません。

2013年7月
 
              「ここは花の島」 詩、詞 担当 マツザキヨシユキ


書籍 IBCパブリッシング刊 2100円
合唱曲 谷川賢作氏・作曲

2013年7月31日水曜日

すき な こ を


すき な こ から
でんわ が かかって きた
けど
でなかった

でたい きもち が
くるしがって いた

すき な こ が
こまった かお してた
けど
ほっといた

どうしたの って
いえなかった

すき な こ を
げっと する ために
つよく なれ
かっこよく いきろ

こわい かお を して
じっと かんがえた
かんがえてる
いま

2013年7月30日火曜日

キャンドルの ひ が ゆれて

キャンドルの ひ が ゆれて
かげ が いっしょに ゆれて
たぶんね
ここには うらぎり は ない

キャンドルの ひ が いざなう
キャンドルの むこう の せかい へ

キャンドルの ひ が てらす
かくしきれない やみ を

やみ は
やみのまま いられない と
ひかり と て を つなぐ

キャンドルの ひ が きえよう と
なにか と そうだん する

わたし は みてみぬふり を きめこみ
ためいき で ふきけす