2013年8月1日木曜日

「ここは花の島」が本になりました。





「ここは花の島」は、福島県の写真家・野口勝宏さん、花作家の橋本和弥さんが、毎日インターネットにアップしてきた「福島の花」シリーズをまとめたものです。私は詩を書いて参加しています。
 私が毎日詩を書いてきたのは、 原発被害に苦しむ「福島発」で、被災した方の心の復興に寄与したかったからです。私自身も、会社を倒産させ、自己破産し、親の家まで失ったところでしたので「復興」したいと思っていました。
 そこに「マツザキさんも一緒に復興しましょう」という野口さん、橋本さんのお誘いがあり、よろこんでお応えすることにしたのです。

 福島。そこには美しい花がたくさん咲いていました。東北は豊かな大地です。その花の、一番いい姿を、野口さん、橋本さんの連携で、写真に収め、私は毎日メールで送られてくるその花の写真を見て、心の深いところへの入り口を作るように詩を書きました。
 美しい花の邪魔になってはいけない、花の魅力に負けては詩を書く意味がない、と、格闘と取材の繰り返しでした。
 おかげで、しばらく続けるうちに、花と詩が、心の深いところに届き、何かの力になっていると、実感することができるようになりました。
 
 そして連載開始から1年、皆様のご期待の声、応援に支えられ、とうとうここに「ここは花の島」が完成したのです。震災から2年4か月が経過しました。
 途中、2013年1月に、福島の人に寄り添いたいと、「福島の花」プロジェクト主催による小さなお茶会コンサートを開催しました。その席に、友人で先達である谷川賢作さんがゲストとして応援に来てくださいました。これが合唱曲「ここは花の島」誕生のきっかけとなりました。

 いま「ここは花の島」の本と、合唱曲が、福島をはじめ被災地、全国に散らばっている被災された方、ひいては日本という島に住む皆様の心の糧となり、豊かな未来を育む一助となってくれれば、これ以上の幸せはありません。

2013年7月
 
              「ここは花の島」 詩、詞 担当 マツザキヨシユキ


書籍 IBCパブリッシング刊 2100円
合唱曲 谷川賢作氏・作曲

2013年7月31日水曜日

すき な こ を


すき な こ から
でんわ が かかって きた
けど
でなかった

でたい きもち が
くるしがって いた

すき な こ が
こまった かお してた
けど
ほっといた

どうしたの って
いえなかった

すき な こ を
げっと する ために
つよく なれ
かっこよく いきろ

こわい かお を して
じっと かんがえた
かんがえてる
いま

2013年7月30日火曜日

キャンドルの ひ が ゆれて

キャンドルの ひ が ゆれて
かげ が いっしょに ゆれて
たぶんね
ここには うらぎり は ない

キャンドルの ひ が いざなう
キャンドルの むこう の せかい へ

キャンドルの ひ が てらす
かくしきれない やみ を

やみ は
やみのまま いられない と
ひかり と て を つなぐ

キャンドルの ひ が きえよう と
なにか と そうだん する

わたし は みてみぬふり を きめこみ
ためいき で ふきけす

2013年7月29日月曜日

とんぼ


とんぼ は
どこから やってくる?

いえいえ
とんぼ は さきに いた

とんぼ は ひとが
いないころ
そらから ここに おりてきて
ひとが くるのを
まって いた

とんぼ は
どこへ きえてゆく?

いえいえ 
とんぼ は きえません

とんぼ は ふゆが
くるまえに
いのちを つなぎ つうつう と
かれはと いっしょに
いきました

そらの たかみへ
いきました

2013年7月28日日曜日

ついてゆく

つき が ついてくる
ぼくが のってる
じどうしゃの よこ を とんで
ついてくる

みているから ついてくるの?
みていなくても ついてくるよ




ぼくは ついてゆく
ゆうひ が しずむ そらへ
き と きの あいだ とおって
ついてゆく

だれかに あいに ついてゆくの?
だれかに あえなくても ついてゆくよ

2013年7月27日土曜日

おこってない


おうまさんが ころんだ
おうまさんが ころんだ

まちがっている?

おうまさんが ころんだ
おうまさんが ころんだ

まちがっていない。

おうまさんが ころんだ
だるまさんは
あかくなって

おこっているの?

おこってないよ

2013年7月26日金曜日

かくそうと する ひと


かくそうと する と
なにを かくそうと して いるのか
きになって しかたがない

でも ひとは なぜか
かくすこと を やめず
しられたく ない もの や
みられたく ない もの を
ひっし に
かくそうと する

かくされた もの は
かくしたい ひと が
なぜ かくしたのか わからなくて
? の ような かお をして
いつか
こたえを おしえて くれる ひとが
みつけてくれるのを まっている

かお を きらきら させて
まって いる

2013年7月25日木曜日

ダラダラする大人を

ダラダラする大人を
子どもが一喝してくれた

楽器を打ち鳴らして
大きなこえをあげて

迷っている大人を
子どもが笑いとばした

みんなで声を合わせて
思い思いに大騒ぎして

2013年7月24日水曜日

しまうま だらけ

しまうま だらけ
いえ の なか
しまうま だらけ
なんでかな

しまうま だらけ
でかけなきゃ
しまうま ゆったり
しらんかお

しまうま だらけ
ふえていく
しまうま あかちゃん
うむのかな

しまうま だらけ
ちきゅうじょう
しまうま
ひと を ほろぼすの?

2013年7月23日火曜日

なにもしらない ひと

わたし に むかって
わらう ひと

わたし は あなた の
わらいがお が すき
なきがお も すき
こまった かお も
おこった かお も すき

あなた に むかって
はなしかけている わたし
あなた の こと を
なにもしらない わたし