2010年11月16日火曜日

星座の立場

そこをめくると
こんどは
当たりがでるか

めくりつづける日々
当たりのような
ハズレのような
よくわからない

脳みそ
役にたたない
くじ引きの人生

計算機
意味のない
暗い闇の中で

星座の居場所がたより
私のみちしるべ
星占いを見下ろす星
笑いも泣きもせず
表情ひとつ変えず
座って

2010年11月15日月曜日

11月の誕生日

マカロン

小さなホールケーキ
色とりどりのキャンドル

幻灯機のおもちゃ
ペパーミントティー
メモリーに入れた曲

封筒に入れたカードと手紙
リボンをかけたプレゼント

誕生日のきみ
考えていること教えて欲しい

部屋を包むカーテン
柔らかな灯り

向かい合わせ
隣り合わせの時間

2010年11月14日日曜日

ドトールコーヒー

東海の小島の磯の白砂に
ドトールコーヒー、ドトールコーヒー
じっと手を見る
ドトールコーヒー、ドトールコーヒー
こころよくわれに働く仕事あれ
ドトールコーヒー、ドトールコーヒー
からくれないに
ドトールコーヒー、ドトールコーヒー
たわむれに
ドトールコーヒー、ドトールコーヒー
やせがえる まけるな一茶
ドトールコーヒー、ドトールコーヒー
旨いコーヒー 村いっぱいの
ドトールコーヒー、ドトールコーヒー

2010年11月13日土曜日

週末の終末的な

電車に乗るお金がないときは
歩く
歩く元気がないときは
部屋にいる

部屋にいると
夕方に
夕焼け小焼けのメロディのチャイムが聴こえてくる

何のためのチャイムなのか
みんなはどんな気持ちで聞いているのだろう
みんなって 誰のことだろうう

テレビをつけると
内閣は売国奴だといっている

メロディのチャイムがまた鳴っている
きょう 何度目だろう

なにかせよと促す
なにかしなければ
なにかをでっち上げて
終わらせなければ

もう夕闇だ
電灯もつかない
夕闇だ
誰かに謝らなければ
チャイムをとめなければ

2010年11月12日金曜日

推敲しないままに

書いた途端に載せてしまう。とても乱暴だと思いながら。そして、画面に映して1回目の推敲。それから時々見返しては、少しずつ推敲している。まえにどんなことが書いたあったのか、当然自分でも分からなくなっている。

消える声

夜明け前の闇の彼方で誰かが泣いている
きのうもきょうも

いつから泣いているのだろう
誰が泣いているのだろう

人の声なのか
男なのか女なのか
狼なのか
それとも巨大な扉が軋んでいるのか

ぼんやりと夜が明けてくると
その声は聞こえなくなる

天体の発する何かのせいなのか
僕の耳の感度が落ちてしまうからか

あの声
あの悲しそうな声
苦しそうな声

いつか
あと10年もしたら
あの声は
喜びの声に聞こえるだろうか

ぼんやりと淀んだ朝の空に
ささやいてみた
この声は
あの声まで聞こえてる?
あの声は
親しい人
それとも
最も遠い人?

2010年11月11日木曜日

あなたにとって

あなたにとって
ここはどんな場所ですか
そう尋ねたくて
モヤモヤしているうちに
あなたは何処かに行ってしまった

私にとって
ここはどんな場所なのだろう
色々思い巡らせ
モヤモヤしているうちに
あなたは帰ってきた

買い物袋を
両手にさげて

2010年11月10日水曜日

林檎をもって

小さな窓から世界を眺めてた
林檎をもって
外にでかけた
会社の窓から人々の様子を見渡した

ビルの中でみんなが働いている
賑わっている
とりとめもなく
手紙で呼び出されて外にでた

いつだって外にはでる
入りはしない

外から中を覗いてた
林檎をもって
中に入るため
部屋には鍵がかかってた

いつだって中には入る
出ていきはしない

2010年11月9日火曜日

BATSU

明るく素敵なあの人が
あの人の中にはもうない

いつからいなくなったのか
自分にも分からない

いつまでどうしてやっていくのか
分からないまま
きょうも夕暮がやってくる

トンビが空に円を描く
飛行機雲より大きい円

マルを貰うのはいつ以来だろう

2010年11月8日月曜日

あゆみ

強い動物の毛皮を纏うことで
荒地を渡っていく

わたしは旅人のよう
流れる雲が恋人

過去の自分は惜しげもなく捨てていく
そうしたいと願っているわけではないけれど

山のあなたの空遠く
革の私が歩いてく