2024年12月14日土曜日

君は柿の実を1つ僕に落とした(やさしいんだね、君って)

君は柿の実を1つ僕に落とした。

これが、僕の最初の1行となった。


それ以来、どんな言葉を綴っても、

その1行を超える言葉は出てこなかった。


君は柿の実を1つ僕に落とした。

君に届く言葉はない。


僕が吐き出したどんな言葉も、

枯葉となって風に舞い、

どこかに消え去っていくだけだった。


その静寂を打ち破って

どこからか無節操な笑い声が聞こえてくる。


胸の鼓動が何かを語ろうとしたが、

それはもちろん言葉になるはずもなかった。


はっとして振り返ると

切なさはという友達が・・・

そう思う間もなく、

君は柿の実を1つ僕に落とした。

2024年1月13日土曜日

いくつもトンネルをくぐって
世界の外側に出ようとしてみたけど
くぐっても くぐっても
外側に出ることはできなかった

そういえば
外側ってどんなところなのかを知らない
ひょっとしたら
最初から外側にいたのかもしれず
そういえば
内側がどんなとことなのかも
誰にも習った記憶はなく
トンネルをいくつもくぐったようで
それも錯覚だったということも考えられ

自分の感覚を信じようと焦ったけど
焦っているのが感覚なのか自分なのか
その自分も
自分の夢か錯覚なのか
分からなくなってきて

というか最初から
何かに分かたれていて
それをまとめることができなくて
その気分をトンネルをくぐって
癒そうとしていただけのようにも思えて
外側というのはただの比喩で
実体を求めても
どこにもないということのようにも思えて

きょうはふとんを被って
おとなしく
疲れ果てるのを待つことにした
疲れはどこからやってくるのだろう
闇を見張っていよう

闇を見張ってみないか
闇を這っていく