出席番号34番
永久欠番の出席番号
僕の斜め前に座った34番は
今まで知らなかったことを
連れてきた
世界に理想の人がいるということを
教えてくれた
手が届きそうな理想があるということも
君はいつも自然体で
まるで僕の真反対だった
チャイムが時を刻み
思い出のブロックを積み上げていった
体育祭の朝練
新米の先生に教科書で叩かれ
合唱祭では声合わせ歌い
手をつないでダンスもした
眠かった午後の日本史の授業
向かい合わせで食べた弁当
綺麗な夕暮れの空
34番
きみの指を透かして
眩しい太陽が僕の瞳に焼き付けたけど
この季節が来ると
出会った日を思い出す
思い出のブロックは
いまもあの校舎のあの場所で
光浴びて
たっているかな
いまは確かめられないけど
いつか一緒に見にいくなんて
奇跡がおきたら
僕のいままでの人生投げ出して
君とかけていきたい
登ったことのない
初めての見晴らしのいい場所
あのころの幼い僕たちの
なにもかも
見えるその場所へ
2014年11月29日土曜日
2014年8月14日木曜日
このブログの閉鎖について
ごあいさつ
いつも読んでくださっている方、ありがとうございます。
読んでくださっている方がいることで、書き続けることができました。
心からお礼を申しあげます。
ところで、このブログですが、新しいウェブサイトに移行するため、
8月22日をもって、一旦、閉じることにいたしました。
(また、整理して公開しることも検討しています)
新しいサイトは9月にスタートする予定です。それまではみちるのFacebookをごらんいただければ幸いです。↓
https://www.facebook.com/michirupost?ref=hl
どうぞよろしくお願いいたします。
親愛なる読者のあなたへ
いつも読んでくださっている方、ありがとうございます。
読んでくださっている方がいることで、書き続けることができました。
心からお礼を申しあげます。
ところで、このブログですが、新しいウェブサイトに移行するため、
8月22日をもって、一旦、閉じることにいたしました。
(また、整理して公開しることも検討しています)
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どうぞよろしくお願いいたします。
親愛なる読者のあなたへ
みちる
2014年8月4日月曜日
回覧板からの伝言
伝言はおしまいです
それは回覧板の役目とはちがうから
立ち止まっていた回覧板が
明日のことを書き換えられずに
昨日の割れ目にはまってもがいてる
予告はもう結果になってしまったし
募集した人たちだってもう解散した
とりかえしがつかないことは
過去になると
とりかえしがつくことになるの?
雲のように浮かんでいた質問に
回覧板は
胸をはって答えようとした
だが
回覧板には
その答えは書いてなかった
2014年7月5日土曜日
2014年7月1日火曜日
戦争が廊下の奥に立つてゐた
戦争が廊下の奥に立つてゐた
渡辺白泉
当たり前の日常のなかで
戦争が目撃されるようになったことに
気づいた時には
もう
戦争が始まっていた
私たちは
学校では戦争の仕方を習わなかったから
知っている人に頼らざるをえない
人の命はとても重いと
世の中は私を教育してきたので
私は安心して
そんなに重いとは思えないと
思うこともできた
ほら
やっぱりそうだった
友だちの顔を見ると
戦火にもう赤く照らされている
そういう私も
重い鉄の塊をもって
途方もなく疲れているようだ
小さな子どもたちが
大人に何かを訊ねているが
けむにまくしかないようだ
あの俳句
昔
聴いたあの俳句を読む声が
また再生される
戦争が廊下の奥に立つてゐた
私も
その廊下に立っているのです
渡辺白泉
当たり前の日常のなかで
戦争が目撃されるようになったことに
気づいた時には
もう
戦争が始まっていた
私たちは
学校では戦争の仕方を習わなかったから
知っている人に頼らざるをえない
人の命はとても重いと
世の中は私を教育してきたので
私は安心して
そんなに重いとは思えないと
思うこともできた
ほら
やっぱりそうだった
友だちの顔を見ると
戦火にもう赤く照らされている
そういう私も
重い鉄の塊をもって
途方もなく疲れているようだ
小さな子どもたちが
大人に何かを訊ねているが
けむにまくしかないようだ
あの俳句
昔
聴いたあの俳句を読む声が
また再生される
戦争が廊下の奥に立つてゐた
私も
その廊下に立っているのです
2014年6月29日日曜日
おしつけない歌
まっているのはいやだから
わたしは自分で出かけてく
読みたい雑誌もかいにいく
シュークリームは食べに行く
まっているのはいやだから
わたしは外に飛び出した
会わずにいるのがいやだから
わたしはすぐに会いにゆく
好きな友だちお迎えに
ケンカした子も追っかけて
会わずにいるのがいやだから
わたしは外に飛び出した
まっているのが好きだから
わたしはいつも待っている
何もなくてもおもしろい
空想ぐせがともだちだ
まっているのが好きだから
ひとりでいてもだいじょうぶ
おしつけられるのいやだから
わたしは人におしつけない
わたしはわたしのよさがある
あのこもきっとすばらしい
おしつけられるのいやだから
おしつけない歌うたいます
死んでいったひと と 生きている私
死んでいったひとが
生きている私に
何を望んでいるのかはわからない
ただ
生き残ってしまった私は
死んだ人のことばかりを
考える
それが的を射ているかはわからない
いや 多分外れているにきまっている
私はそれでも
いつも死んでいった人の傍らに戻って
いつもと同じことを『癖』のように考える
あなたは何を言おうとしているの
その笑顔は何かの皮肉なの
何度繰り返しても
その答えが
返ってくるはずはない
返ってくるとしても
きっとそれは私が何か別のことに夢中になっている時
メールの着信のように
ブルっと私の体のどこかを震わせて
やってくる
素知らぬ姿で
だから私はそれに気づかない
それに気づけない
*
生きている私に
死んでいる人のことは分からない
どうしても生きている人の事情で考えてしまう
生きていると
死ぬ気でやればできることがあるような気がする
けれど
私は死ぬ気でやったことがない
死んでいる人たちは
生きる気でやればなんでもできると思うのだろうか
死ぬ気で生きるとはどういうことなのか
死に近づこうとすることなのか
例えば息を止めて真っ白になって
生きるということなのか
そうすると
死んだ人と近くなるということなのか
それが死に物狂いでやったことへの
褒美だと神様は思っているのか
*
トーストを焼きながら
死んでしまった人のことを思う
死んだ人は
トーストが焼ける匂いと
焦げ目に塗られたバターの狭間で
何を考えているのだろう
その死んだ人は
私が創りだした人と
いつの間にか入れ替わってしまっていやしないか
ミルクを注ぎ
フライパンを流しに置く
死んでしまった人は
どこにいるのだろう
まさか
私の中にいるというのだろうか
*
大事な人が死んでしまったので
大事なものが一つなくなりました
大事なものが生み出したであろう思い出は
数えきれないほどなくなりました
大事な人が死んでしまって
大事な人が大事な人であったことがよく分かりました
でも大事な人は
死んだのが自分でよかったと思っているのでしょうか
私が生き残ってよかったと思っているのでしょうか
大事な人は
本当は一緒に死にたいと思ったのではないでしょうか
もし私だったら
大事な人と死んでも一緒にいたいから
そんなふうに思えます
でも大事な人は死んでしまったので
聞きただすことはできません
大事な人は
きっと私と一緒に死にたかったのだと思います
死んで私と会えなくなるのは
死ぬこと以上に辛かったに違いありません
でも私は
たとえそうだったとしても
ひとり 生き残ってよかったと思います
大事な人と別れてでも
生きていてよかったと思います
なぜかは分かりません
あれから季節がいくつも過ぎて
またこの季節のこの芳りが
私を包むからでしょうか
きょうは
薄ぼんやりした明け方の景色の中で
そんなことを考えているのです
*
あなたがどうやって死んでいったか
何をみて
何にすがりながら死んでいったか
私にはわかりません
死が訪れて
あなたの体に何が起こったのか
あなたの思いや気持ちが何になったにか
私にはわかりません
あなたはあなたの体から離れ
目も耳も口も何もかもなくなり
脳に収められていた記憶もなくなり
体の感覚もすべてなくなり
もうあなたには何も
残ってないのでしょうか
私はあなたを思っているけれど
あなたにはもうなにも
残ってないのでしょうか
生きている私に
何を望んでいるのかはわからない
ただ
生き残ってしまった私は
死んだ人のことばかりを
考える
それが的を射ているかはわからない
いや 多分外れているにきまっている
私はそれでも
いつも死んでいった人の傍らに戻って
いつもと同じことを『癖』のように考える
あなたは何を言おうとしているの
その笑顔は何かの皮肉なの
何度繰り返しても
その答えが
返ってくるはずはない
返ってくるとしても
きっとそれは私が何か別のことに夢中になっている時
メールの着信のように
ブルっと私の体のどこかを震わせて
やってくる
素知らぬ姿で
だから私はそれに気づかない
それに気づけない
*
生きている私に
死んでいる人のことは分からない
どうしても生きている人の事情で考えてしまう
生きていると
死ぬ気でやればできることがあるような気がする
けれど
私は死ぬ気でやったことがない
死んでいる人たちは
生きる気でやればなんでもできると思うのだろうか
死ぬ気で生きるとはどういうことなのか
死に近づこうとすることなのか
例えば息を止めて真っ白になって
生きるということなのか
そうすると
死んだ人と近くなるということなのか
それが死に物狂いでやったことへの
褒美だと神様は思っているのか
*
トーストを焼きながら
死んでしまった人のことを思う
死んだ人は
トーストが焼ける匂いと
焦げ目に塗られたバターの狭間で
何を考えているのだろう
その死んだ人は
私が創りだした人と
いつの間にか入れ替わってしまっていやしないか
ミルクを注ぎ
フライパンを流しに置く
死んでしまった人は
どこにいるのだろう
まさか
私の中にいるというのだろうか
*
大事な人が死んでしまったので
大事なものが一つなくなりました
大事なものが生み出したであろう思い出は
数えきれないほどなくなりました
大事な人が死んでしまって
大事な人が大事な人であったことがよく分かりました
でも大事な人は
死んだのが自分でよかったと思っているのでしょうか
私が生き残ってよかったと思っているのでしょうか
大事な人は
本当は一緒に死にたいと思ったのではないでしょうか
もし私だったら
大事な人と死んでも一緒にいたいから
そんなふうに思えます
でも大事な人は死んでしまったので
聞きただすことはできません
大事な人は
きっと私と一緒に死にたかったのだと思います
死んで私と会えなくなるのは
死ぬこと以上に辛かったに違いありません
でも私は
たとえそうだったとしても
ひとり 生き残ってよかったと思います
大事な人と別れてでも
生きていてよかったと思います
なぜかは分かりません
あれから季節がいくつも過ぎて
またこの季節のこの芳りが
私を包むからでしょうか
きょうは
薄ぼんやりした明け方の景色の中で
そんなことを考えているのです
*
あなたがどうやって死んでいったか
何をみて
何にすがりながら死んでいったか
私にはわかりません
死が訪れて
あなたの体に何が起こったのか
あなたの思いや気持ちが何になったにか
私にはわかりません
あなたはあなたの体から離れ
目も耳も口も何もかもなくなり
脳に収められていた記憶もなくなり
体の感覚もすべてなくなり
もうあなたには何も
残ってないのでしょうか
私はあなたを思っているけれど
あなたにはもうなにも
残ってないのでしょうか
2014年6月21日土曜日
私が眠れないのは
私が眠れないのは
契約を結んでいないアイツが
どこかの街で
パーツを売買し続けるからだ
私はとりあえず眠らずに番をしなければならないのだ
アイツが誰と契約すべきか
私は知らぬ
アイツが誰であるかも
資格があるかどうかも
関係ないし分かりもしない
私がどこを見張っているかさえ
とっくに見失いどうでもいいこととなった
アイツは独りでやっているようで
時に群集だ
アイツは満足気に笑うこともあるが
さめざめして泣くことができないこともある
アイツは二人称を装った
三人称もしくは一人称だ
私は夏の太陽になまあくびをして
二の腕に刻印を押す
だがその刻印は白く濁っている
ねじりの利いたブレスレットは汗に溶けて
退色している
私はアイツを許さないだろう
だがアイツが私と会うことはないだろう
アイツはなぜ売買しているのか
私が番をしている罰として
アイツは売買をつづけるのか
売っては買い
買っては売る
買っては売って
売っては買って
契約を結んでいないアイツが
どこかの街で
パーツを売買し続けるからだ
私はとりあえず眠らずに番をしなければならないのだ
アイツが誰と契約すべきか
私は知らぬ
アイツが誰であるかも
資格があるかどうかも
関係ないし分かりもしない
私がどこを見張っているかさえ
とっくに見失いどうでもいいこととなった
アイツは独りでやっているようで
時に群集だ
アイツは満足気に笑うこともあるが
さめざめして泣くことができないこともある
アイツは二人称を装った
三人称もしくは一人称だ
私は夏の太陽になまあくびをして
二の腕に刻印を押す
だがその刻印は白く濁っている
ねじりの利いたブレスレットは汗に溶けて
退色している
私はアイツを許さないだろう
だがアイツが私と会うことはないだろう
アイツはなぜ売買しているのか
私が番をしている罰として
アイツは売買をつづけるのか
売っては買い
買っては売る
買っては売って
売っては買って
2014年6月19日木曜日
忘却 それは盆地か
昼間のノイズ
白いレースのカーテンが風に揺れている
室内と外とを往ったり来たりしている
地球の
視える限りの球の頂点にいるはずなのに
なぜだか
忘却という名前がついた盆地の底深く沈んでいるのだと
感じる
机の上のモニターのスピーカーから
自分が歌詞を作った歌が聴こえてくる
地平線の彼方には
もう還ることがない人がいるにきまっている
しばらく会わない人も混ざっているかもしれない
ピアノが歌を盛り上げる
私の心も引かれていく
こうして心が動くことは幸せなことだ
幸せは
生活を見つめた消費者のためにだけある言葉ではない
あたりまえのことだ
椅子の上に私はいる
しばらくすると
椅子の上に
私はいない
忘却のコンパスが狂ったように
回る
その針の先が私を指している
意味はわからない
ドアを開けて外にでれば
日差しが照らすだろう
時刻表が導くだろう
太陽を裏側に回した地球の闇の海の真ん中へと
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