2010年11月30日火曜日

このままでまってます。

ろくろっくびだよ
ろくろっくび
輪切りだよ
全員集合だよ
立ち見だよ
全員集合
立ち見だよ

切れるよ
断裁だよ
ギロチンだよ
夢じゃないよ
夢二だよ
8時だよ
全員立ち見だよ

中身はないよ
中身はない
ナイスだよ
ないっすよ

酢はないっすよ
夜は 友だちだよ
友だちは
お金がすきだよ
お金
金の玉を隠しているよ
金の玉
金の卵もだよ
隠して書く
かくして
カクカクしかじか
金の玉
隠したよ

寝込んだよ
布団かぶってた
いろいろうまくかぶってた
兜も座布団も
カラフルな座布団も
かぶってた

ぶたないで
ブタさん
ふた なくさないで
ふた三個なくさないで
ブタさん三個なくさないで

泣かないでいて
あなあけないでいて
赤坂付近にいかないで
いか たべないで
くま たらふく
たらも たべないでいて
手をつないで
繋がる
しわよせしないで
しないでって
市内で言わないでいて
しわよせしないで
幸せでいて
祈るから頼むから
ここにいさせて遺産わけて
勇んで胃酸で溶けないで

どかないで
どうか一つ
如月まで
どんどん
いかせて
いってみて
いってみせて
せめて みせて
攻めて
責めないでいて
見せしめて
せめて責めないで
このままでいさせて

このままいさせて

ください
第三者
このまま
いさせて
ください

2010年11月29日月曜日

展示された一行

この1行は力強い

AKIRA

あきら きらきら
きらきら あきら
あしたは どちら
あかずの とびら
みらーと みいら
らいせの せいらー
あきかぜ ららら
つららが きらら
あきらめないで
らっきー AKIRA

2010年11月28日日曜日

横たわる彼女に
Pizzaを一枚ください

本当の理由は誰にもわからない
黄色い線の内側で

掛け持ちなんです、っていって
いますぐGET!

細身なんですけどなかなかいいのがないの
いまから24時間受け付けます

眠りが浅いほう?
エスカレーターでは

なんかほんとにいいのかって思う
お客様にお知らせいたします

パワーが集まってる気がする
目的地の天候は晴れ

庭に出るといいよ
ボタンを押してください

きょうまた会う?
危険です

迷惑です
見えるのが霧氷

2010年11月27日土曜日

注意

気をつけてビジネスをやりなさい
思いがけない邪魔が入る事があるから
思いがけないので避けられない
あなたが善良であっても関係ない

川べりを歩くときは
虫の襲来に注意しなさい
アットいうまに群舞する縄張りに
入ってしまうから
眼をやられないように

猫に触るときは機嫌を窺いなさい
急に咬むことがあるから
仲良しに見えて実はそんな気持ちはないから
咬まれて意外と傷つくから
平静を装っても何にもならない

鍬を振るときは後ろを確かめなさい
確かめた後に子どもが近づくことがある
鍬に当たると顔を怪我する
傷が残ることがある
君にその気がなくても

夜は犯罪者に襲われないようにしなさい
まだ犯罪者でない人が今日初めて犯罪に走る事もあるから
盛り場にいかず、戸締りをして、警報ブザーを携帯
甘い誘惑に惑わされる事もある
ひったくりや危なそうな呼び出し等々
用心に越した事はない

詩は安全ではないものがいい
心の隙間に入り込み今までの価値観を壊すものを読みなさい
短い言葉でピーンと来るもの、記憶を呼び起こすものもの
読みやすい心地よいリズム
詩は短くて一日のサイズのよう
一生を凝縮した一日のよう
宇宙を凝縮した君の部屋のよう

2010年11月26日金曜日

あやまらない

あやまると自分が消えてしまいそうになるので
彼女はあやまらない
あやまる必要がある時ほど
唇を真一文字に結んで
身をすぼめて待っている
あやまりたい気持ちが消えるまでいつまでも
固唾を飲んで
じっとしている

彼女の不用意な発言が
友だちを傷つけてしまっても
大事な約束を破ってしまっても
彼女はあやまらなかった

いつも
彼女の中に後悔とあやまりたい気持ちが押し寄せたけれど
彼女はあやまらなかった

あやまりたい気持ちが
彼女の中にあるとき
彼女は言い知れぬ自信が訪れていることに
気づくことがある
いつかあやまることができるようになるのを
待ち望んでいる自分に
自信をもつのだ

だから彼女は
あやまりたい気持ちから
逃げない
逃げないでじっとしている
彼女の中をなにかが行き過ぎる

いつか-
それも捕まえてみたいと
彼女は思っているのだ

2010年11月25日木曜日

直行

熟れた実を摘み
お口に入れる
直行

わけずに一回で
すぐ食べる
直行

寄り道せず
浮気もしない
直行

出張しても
遊ばす
観光も接待も無縁
お宿に直行

鈍行列車より
超特急が好み
時を惜しんで
直行

曲がったことが嫌い
直行

名前だって
ナオユキ
直行

詩を読んでも
行間は飛ばし
詩情も省いて
最後まで
直行

このひと
直行ばかりして
早死にしませんように

2010年11月24日水曜日

ブタさんは語る

ピンクの光るブタさんが
笑顔で横たわっているよ
こっちをみてる
サンタの帽子をかぶってるから
もうすぐクリスマスなんだろう

テーブルクロスはケーキとイチゴ柄
楽しげなジャズが流れている

ピンクの光るブタさんと
目が合っても
恥ずかしがらなくてもいいんじゃない?

ホタルみたいに体を光らせて
合図しなくても
分かってるさ
携帯くん

誰かから仲直りの電話でしょ
光の色で分かる
なんてウソだけど

女子部は先に帰ります
用意があるから

いいわ
気分がいいから
いいことにする
渡り廊下のベンチで待ってます

2010年11月23日火曜日

ジュン

コロッケを分けるように
愛情を分けて
惜しみもせずに
ジュン

一生懸命生きることより
幸せを求めて生きる方がいい と
幸せから知らず知らず逃げて
気づかないものだと
そんな歌を聞かせて

誰もが自分の人生の主役をはっている
それを受け入れないと追い出しを食らう と
みんなに教えて
ジュン

2010年11月22日月曜日

運命的な出会い ー婚活ではなくー

丘の斜面で夕焼けに照らされた彼女は
今描いているドローイングの話の途切れめで急にを目を瞑り
キスを求めてきた
彼女の顔をよく見るのは初めてだ

もうキスして戸惑いながらも
抱き合っていたけれど
僕が腕に力を込めて背中を引き寄せると
彼女はますます密着してこたえてきた

美大生の彼女は良家の子女で躾がきびしく
反発する気持ちを抱え
複雑な事情があり今はこの町に住み
三時間かけて学校に通っているという

抱きつくと互いの顔が見えなくなり
初対面の僕たちは安心な気持ちもしたけれど
少しすると淋しくなってきて
また顔を見てみることにした

その顔は
やはり初めて見る顔だった
お見合いのように気取ってほほえんでいる
変な状況だ
だがそれを二人ともが容認しているのはなぜだろう

ここは小さい頃に
鬼ごっこや缶蹴りをした小さな広場のすぐ隣だ
眼下に家々が見え
振り返ればこんもりとした森がある

僕たちはゆっくりと時間をすごすことにした
鼻の頭が冷たくなるまで
手を握り合って遊んでいた

帰り道
僕たちは明日のことを約束する必要はなかった
もう結ばれたも同然だから
会いたければいつでも自然に会えるのだ
そんな強い絆を感じていた

坂道は平地よりむしろ歩きやすかった
振り返りながらゆっくり歩く僕たちには

彼女の愛しい顔をみると
幸せそうな表情だ

一番星!
と彼女が指さした
えっ もう?
と指の先の空に目をやった時
後ろでコンと
鳴く声がした

きつね?

またきてコン
さよならコン